画像1

光芒

『恋妻くずし』より 作曲:madetake
00:00 | 00:00

※試聴版。オリジナル版(01:25)は購入後に視聴可能。

※今回はサンプルを視聴する前に文章を読んで欲しいです。ここで曲を流し始めて欲しいということを途中で書きますので、しばらくは無音で読んでください。

 例えば猫を拾うとか。

 たまたまその場所にいること、通りかかること、見つけること、出会うこと、そういった物理的な存在に関わる現象はすべて尊いと思う。
 それは恐らく生命そのものの尊さなのだろう。

 偶然隣の席になって、好きになった。

 これほど美しい話はなかなか無い。そういう偶然を生むという意味において、命はとても大事だ。誰もが持っている素晴らしい能力だ。
 誰もが持っているゆえに無価値に感じられることが多いにしても。

 ただ良いことばかりが起こるわけではない。
 まず存在するというのはすごく迷惑だ。細胞は消費して代謝し、肌には呼吸と発汗のための小さな穴が無数に開いている。人間はきたない。居るだけで鬱陶しい。

 そのうつくしさときたなさの間を常に行き来するのが生きるということなのだろうか。
 ひとときでも他人のきたなさを受け入れるのはすごいことだ。
 また、ひとときでも自分のきたなさを他人に受け入れてもらう気になるのもすごいことだ。

 本当はもっと受け入れたいし、受け入れてほしい。そういう本能があるとは思う。だってそうでないと存在としては存在する意味がなくなってしまう。

 まさに生きるべきか死ぬべきかが問題で、いつでも行き来して悩んでいる。

 受け入れたい。受け入れられたい。
 受け入れられるわけがない。

 曲を流してください。
 ふたつが重なって完璧な日蝕がきみの心に現れて、この曲が響き出す。
 生まれてきたのは良くて、悪かった。ここに居るのは良くて、悪かった。

ここから先は

¥ 300

続けられるかわかりませんが過去作の曲の単品販売に使おうかなと思ってます