禁酒日記4-2

禁酒なんて簡単だ。もう何回もしてるからね。……みたいな冗談があるけれど、この滑稽さはわりと何にでもあてはまるのではないかと思う。

例えば「恋愛経験が豊富」というのはよく考えればおかしな話で、「付き合って別れた回数が多い」というのは恋愛下手ということになるのではと思う。まあ、誰しもが長く続く恋愛をしたいというわけではないのだろう。一瞬の楽しさを味わうのも大事なことかもしれない。
「結婚経験が豊富」まで行くと言わずもがなになる。

何事にも限度があり、極端でないのが求められる。この世のすべての問題は程度問題といっていい。ごまかしてごまかして薄めてるうちに人生を終えていくのが理想だ。

真面目でないほうが良い。真面目だと極端に走る。自分に義務を課すようにお酒を飲み続けたり、悪い人を愛し続けたり、ブラックな仕事を続けてしまったりするのだろう。考えることを放棄しているので、真面目さと努力は怠けだと言えなくもない。

考えないでいられるときのあの気持ちよさは何なんでしょうね。底に達する心地よさは人間のバグかもしれません。