no title

小学生の頃から作文は苦手だった。

自分の思考を他人に晒すことを前提に書く作文を書くとなるとどうしても構えてしまう。

思ってもいない当たり障りない言葉をひねり出し、それをぎこちなく組み立てどうにか400字に引き伸ばしていくという作業をひたすら行っていた。とても苦痛だった。

周りの子たちがカリカリと鉛筆を動かす音に焦るが、私の手は止まったままだ。

思いついた言葉を素直に紙に乗せることができる友達が羨ましかった。

小学生の私は自分の気持ちを、自分の言葉を人に見せるのが恥ずかしくもあり、こわかった。

完成した無機質な作文は大きな丸をつけて返却されたが、読み返すことができずに机の奥にしまいこんだ。

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