サラットナさん 第十一章

いいわぁ、いいわぁ。緑色の袴、ウフフ、ウフフ。まとわりつくサラットナさん。流石に近すぎて邪魔です。と思っていたら今度は、キタァ💕と空を見上げて何かを数えはじめた。えっ、何が来たんですか?見上げてもあるのは雲だけですよ。

一人、二人、三人、十人、ウフフ、ウフフ、たぁくさん。じゃ私、人混み嫌いだからと消えてしまったサラットナさん。

な、何なんだ?いや、それどころじゃない。本来、巫女さんが行う草履取りが待っている。巫女は神に仕えるもの。その代理なんて。。。

続々と大祭参加者が集まり、ご苦労様ですと声がかかる。焦ってくる。何とか階段の水拭きも終わり、袴の着崩れをなおしに巫女室に向かった。

巫女室のそばには、裏玄関がある。
見たことがない履き物が整列している。
檜のたらいに水がはられ、柄杓と和紙が用意されている。あれが手水というものだろうか?

巫女室に入ると、衣装、王冠のようなのもの、そして生花が置いてある。巫女舞につかうのかな?祭りの裏舞台は興味深い。

社殿前のお賽銭箱と一体化した階段の前に、赤い絨毯が敷かれた。ここに座り、今から社殿に入る方の草履を次の方のためにとって場所を空けるそうだ。

大きなフサフサを持った神主さんが走ってきた。フサフサはお清めに使うゴヘイと後から知った
。(呼び方は何種類かあるらしい)

ポクリポクリと足音が聞こえてきた。チラッと見ると装束に身を包んだ神主さんの列がやってくる。白い袴の役員さん達がそれに続く。

列が二手に分かれた、巫女さんが素早く宮司さまのポクリをとる。私も役員さんの草履をとる。
早い!リズムを崩さないように必死だった。
(ちなみに神主さんの履き物は浅沓(あさぐつ)というそうだ。)

草履取りのあとは、巫女さんの様々なサポートに追われた。

無事に大祭が終わり、普段の笑顔が戻った神主さん役員さん達が広間でくつろいでいる。

もう巫女さんも帰宅する時間。明日は宴会の片付けが忙しいのかな。なんて気になりながら、いつものように神様にお参りする。「今日一日、何とか無事に終わり有難うございました。素晴らしい巫女さん達が益々お幸せでありますように神様よろしくお願いします。」

空を見上げると可愛い雲が連なっている。あっ!もしかして神様って雲に乗ってる?サラットナさんは、それを数えていた?あの雲たちはきぅと、まだ子どもの神様ね。なんて妄想が広がる私だった。

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