サラットナさん 第十二章

「おはようございます。」
「ご参拝ご苦労様でございます。」

「すみません、写真お願いできますか。」

「あっ、どうぞどうぞぉ。背景は何処まで入れますか?はい、こんな感じで。はい、撮りますよ。
1足す1は?」

「2ぃ」

やばい!楽しすぎる。掃き掃除がまったく進まないけれど、写真撮影が楽しすぎる。

連日、七五三のご祈祷でにぎわっている。子どもたちの珍しい衣装や笑顔に癒される日々。良いわぁ。

ふと視線を感じで横を見ると、サラットナさんか怖い顔で立っている。ご、ごめんなさい!さっさと掃きます!

でも、仁王立ちのサラットナさんが動かない。
ん?私に怒っているわけじゃなさそうだ。

突然ブツブツ言いながら、参道わきのじゃりに水をかけはじめた。

なんでこんな所に除草剤を使うのよ!子どもたちは石ころが大好きなんだよ。そのまま石をかじる子もいる。それに!薬品が土に染み込んで地下水に混ざるし、その場に生息する多様な生き物達の生命を奪うことにもなる。その命たちの責任なんて誰も取れないくせに!草だって生えたくて生えてるんじゃないわ!この地球が砂漠にならないように、神様から頼まれて生きているの。食用になる草も沢山あるのに!今じゃほとんど誰も食べないけど。うぉー!!

サラットナさん、ものすごい早口で、何を言ってるかわからないけど、ともかく私は早く参道を掃き終えてトイレ掃除しなくちゃ。

境内掃きは少し慣れてきたが、相変わらず苦手なトイレ掃除に悩みはじめた私だった。

外と中のトイレの便器掃除、床掃除、洗面台と鏡。壁の汚れも気になる。外の男子トイレのツーンとした臭い消したいわね。外のトイレは砂や土でタイルが汚れているけど、木の柱だから、毎回水をかけると木が腐ってしまいそう。
それにしてもデッキブラシでこすっても全然綺麗にならないのは掃除が下手だから?そうだ硬いブラシで一枚ずつ磨いてみるか。

サラットナさんが怒るし、水がなるべく早く綺麗に戻れるように洗剤を使いたくないなぁ。
こっそり、重曹とクエン酸を試してみる?でもなぁ、そもそも根本的に時間が足りない。ん〜困ったなぁ。と試行錯誤の日々である。



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