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実家を売ること その4

媒介契約を済ませて、いよいよ売り出すための準備が始まった。
まずは、ホームページに掲載する写真の撮影である。
担当営業マンに合鍵を託し、自由に撮影して良いよと留守宅への出入りを許可した。
早速、撮影してきたようで、何枚かの候補の写真が送られてきたが、あいにく本日の天気は曇りや雨。どうも、画面が暗いのである。
仕方がないかもしれないが、第一印象は大事である。
暗ーい空をバックに草ぼうぼうの家をアップロードされては、少々困るので、他にもう少し明るい感じの写真はないのかと返信しておいた。
若い営業マンなので、大丈夫だろうかと不安なところはある。
彼は好青年で、話も分かりやすく、話していて楽しいし、なんでも聞ける。
不動産売買は、最後は営業マンの人柄で決まることも多いという。
「この人が言うならば購入しても良いかもしれない」と思わせることが大事なのだ。
実は我が実家の建て替えの時も、父はハウスメーカーを嫌がっており、建て替えにも乗り気ではなかった。母がとにかく建て替えたくて(雨漏りがひどかったため)、ぐいぐいと父を展示場へ連れて行き、話を進めようとしていたのである。
ところが、父はベテランの営業マンと色々な話をしているうちに、彼の人柄やメーカーの良さに納得し、何度かの話し合いでその気になり、結局は契約書に判子を押すに至ったのである。のちに父は「Iさんだからこの家に決めた」と言っていた。
現在の担当営業マンは若い、ベテランの貫禄はない、時々だ丈夫か?と思うこともあるが、私としては遠慮せずに言いたいことを言えるので、そこはありがたいと思っている。彼でらちが明かないときはセンター長に話すつもりだし、とにかく一緒に伴走しながらハードルを乗り越えて行ければいいかなと思っている。
どこか、部下を育てる上司の気分になることもある。(本人としては、大きなお世話だろうけども)
不動産売買って結局は縁だよねと思うので、双方に取って「良い縁」が来ることを願っている。
つづく