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アンビエントミュージック

アンビエントとは、日本語で『環境音楽』と訳されています。その名前が示す通り、音楽であることを意識させない環境に溶け込む音楽を指します。アンビエントミュージックの起源は、エリック・サティが「家具の音楽: musique d’ameublement」という室内楽曲を作曲したことに遡ると言われています。これは「家具の如く存在し、意図的に聴かれないための音楽」というコンセプトで作曲されました。

その後、アンビエントミュージックの成立過程で、影響を与えた人物にジョン・ケージがいます。彼の作品に『4分33秒』があります。この作品は奏者が何も演奏しないことで有名です。よって聴衆はその場で起きる偶然の音や気が付かなかった音を聴きます。

つまりあらゆる音と対峙することを余儀なくされるのです。

この考え方は、アンビエントミュージックの核心的な部分と共通しています。つまり、音楽は必ずしも演奏者がコントロールする音だけでなく、周囲の環境音や偶然に起きる音も含む、という考え方です。この点で、「4分33秒」はアンビエント音楽の哲学と深く関連していると言えます。

またライヒなどの『ミニマルミュージック』も関連しているとされています。

このようにサティやケージ、ライヒなどから影響をうけ、ブライアン・イーノ(Brian Eno, 1948-)によって昇華され、アンビエント・ミュージックは産声を上げました。イーノは、1978年に「Ambient 1: Music for Airports」をリリースし、このアルバムは実用音楽として実際に空港で使用された、アンビエントミュージック史における記念碑的傑作となりました。この作品のライナーノーツでイーノは、アンビエントミュージックについて「興味をそそるが聞き流せるべきである」と述べています。

代表的名盤
Brian Eno「Ambient 1 Music For Airports」
Jon Hassell「VERNAL EQUINOX 」
Aphex Twin「SELECTED AMBIENT WORKS 85-92」

BGMとの違い
BGMとアンビエントミュージックの違いは、その目的にあります。BGMは特定の目的(例えば、商業施設での購買意欲の喚起)に沿って作られる音楽ですが、アンビエントミュージックにはそういった特定の目的はありません。

現在のアンビエントシーン
現在のアンビエントシーンは、様々なサブジャンルに分かれており、活発な活動を続けています。以下に、代表的なサブジャンルと特徴を紹介すします。

ダークアンビエント: 陰鬱な雰囲気や不穏な音像を特徴とする音楽
チルアウト: リラックス効果のある音楽
アンビエントテクノ: テクノとアンビエントミュージックを融合させた音楽
ドローンアンビエント: 長く持続する音色特徴とする音楽

挨拶
読んで下さいまして、ありがとうございます。心より御礼申し上げます。ご興味がありましたら、ぜひアンビエントミュージックを聴いてみて下さい。

以上です。