月経カップ、買ってよかったよのレビュー

うちには今2歳の子供がいます。子供が生まれてから今日まで、買って良かったものはいろいろありますが、その中でも「本当に買ってよかった」ランキングを作ったらかなり上位に食い込むのが月経カップです。というか、2020年買ってよかったものの1位です、間違いなく。思いの丈をぶつけすぎた結果、この記事すごく長いので、うんざりしたら目次から必要なところだけピックアップしてみてください。

月経カップって何?

まず、ご存知ない方に簡単にご説明すると、月経カップとはシリコンなどの素材で作られたカップで、ここ数年で日本ではちょっと知名度が上がってきているグッズです。大きさや形は物によりますが、よくあるのはベルや釣鐘のような形をしていて、縦が5センチくらい、直径が4センチくらいのものです。
これを折り畳んだ状態で膣に突っ込み、中で開くことで、カップが中で経血を受け止める仕組みです。割と乱暴というか、思いつきはするけどよく実現したなって感じのグッズです。
メディアでは「海外では10年も前からスタンダード!」なんて紹介をされることもあるみたいですが、現地に住む女性のTwitterなんかで見る限り、別にそんなにスタンダードでもないみたいです。日本よりは広まっていて、薬局で普通に売っていたりはするけれど、向こうだってナプキンやタンポンの方が遥かにメジャーだそうで。

使い始めたきっかけ

授乳期間が長かったので生理がなかなか再開せず、妊娠していた期間も含めると2年以上止まっていたのですが、久しぶりに再開(再会)したらその煩わしさに慄きました。え、産前の私って毎月これに付き合ってたんだっけ?そいうか、付き合いながら仕事もしてたんだっけ??正直、過去の自分に若干の尊敬の念すら抱きました。
私は大体7日間続き、腰がちょっと重たくなるのと、2、3日目に薬で誤魔化せる程度の鈍痛がたまにある程度なので、多分そんなに重たい方ではないのですが、2年も「ない生活」をしていると、そういう異変があるだけでも結構嫌な気持ちになりました。また、子供と一緒にお風呂に入る必要があるのに湯船に入れず、これもかなり困りました。

月経カップのことはインスタなどで「良い!」と言っている人の声を見たことがあったので存在は知っていたのですが、正直「突っ込むのか〜結構勇気いるな〜」と静観する気持ちでいました。が、実際に生理が再開したら我慢ならず、「これがちょっとでもマシになる可能性があるなら試そう」という気持ちになり、すぐさまググって買いました。

基本の使い方

基本的な流れは、

・その月経カップを初めて使う時と、毎月の月経終了のタイミングで煮沸消毒
 ※劣化を早めてしまうため、必要以上にグツグツしない。
  各商品で推奨される煮沸時間があるので、それに従うこと。
 ※レンジの利用も可
・取り出しの際など、カップに触れる時には事前に手を石鹸でよく洗う
・月経中は、最低でも1日に1回は石鹸で洗浄する
 ※取り出しの度に石鹸で洗う必要はない。水洗い推奨。
  出先など、水洗いが難しい場合はふき取りで良い
 ※劣化を招く可能性があるため、除菌のためのアルコール利用は避ける

という感じです。
各カップには最大利用時間が定められているので、それを超えてつけっぱなしにはしないようにすること、清潔を保つこと(洗っていない手などで触れない)に注意が必要です。また、カップによっては上記内容と異なる取り扱いを推奨されている場合もあると思います。この記事の内容はあくまで私個人の見識に従うものです。利用の際は、まずはご自身の購入した月経カップの取扱説明書をよく読み、その内容に従ってください。

私は出先で血に濡れた手を洗うことに抵抗があるので(そしてそれを嫌がる人もいるだろうと思うので)、外出先で取り出し、洗浄を行ったことはありません。今メインで使っているスーパージェニーは容量が大きく、一番多い日を除けばつけっぱなしで8時間は持つ(私の場合です)ので、その間に外での用事を済ますようにしています。
自宅ではお風呂のタイミングで石鹸(ベビーソープ)で洗っています。それ以外の時は流せるお尻拭きやトイレットペーパーで拭いただけで再装着したり、一旦トイレを出て、ハンドソープで洗ってから再装着したりしています。

メリット

ドッと出る感じがしない
一番感動したのはこれです。急に立ち上がったときや、寝返りを打ったときに来るあの感じから解放され、「え、やばっ」とトイレに駆け込むことも無くなりました。もうこれだけで私の心のノーベル賞あげたい。

生理痛がなくなった
元々は腰のだるさと痛み、それから多い日は腹痛もあったのですが、それらがほとんど無くなりました。もしかしたら、出産したことなども影響しているのかもしれないのですが、産後でも月経カップ購入前は軽くですが痛みがあったことや、カップ利用中でも体が冷えると痛みが出ることから、「ナプキンで冷えていたのがなくなり痛みが出なくなった」のだと思っています。

むれない、臭わない
きちんと付けていれば漏れもしないので、蒸れに悩むことがなくなりました。また、使用後の生理用品の臭いとも無縁になりました。

お風呂に入れる
きちんと着用できていれば漏れないので、お風呂に入ることができます。海なんかも行けるらしいです。万が一のことを考え、私は公共の場では挑戦しないでいるのですが、それでも「生理中でも家で湯船に浸かれる」のはめちゃくちゃありがたい。子供をお風呂に入れなくてはいけないので、本当に助かりました。

付けている感じがしない
これは個人差もあると思いますが、「付けているのを忘れる」くらい違和感がありません。そして生理痛なども無くなったので、生理中でも普段と同じ生活ができています。おかげで、「はよ終わってくれ」と思うことがなくなりました。ついでに、月経カップのおかげなのか不明なのですが、期間も1日短くなり、6日間で終わるようになりました。

長い目で見ると安価
月経カップは決して安いものではありません。大体5000円くらいのものが多いようです。とはいえ、きちんと使えば5年10年と長く使えるものなので、その期間に使い捨ての生理用品にかかる費用を考えれば「安い」買い物です。
私は「ノーナプキン」とまでは言えませんが(万が一のため、軽い日用のものをつけることがあるので)、今使っているものがなくなったら布ナプキンに切り替えようかなと思っています。そうすればゴミが出なくなるので、汚物入れも不要になりそうです。他には、月経ショーツやソフィのシンクロフィットなどと併用している方もいるようです。

デメリット

慣れるまでが大変
まずはこれです。そもそも使い始めるまでの心理的なハードルが高いですよね。そして使い始めてからは、まず一連の作業に慣れて、自分にとっての正解(畳み方、ベスポジ、連続利用時間etc...)を把握する必要があります。
正直手間ですよね。でも慣れたら便利です。大体3周期もこなせば慣れると思います。ただ、個人差があるので、購入した月経カップがどうしても体に合わないということはあると思います。3周期くらい挑戦しても何かがうまくいかない場合は、別のメーカーのカップを購入し直してみてもいいかもしれません(実際、私はメルーナカップを買いましたが漏れてしまい、スーパージェニーを買い直しました)

高いのに買う前に実際に見ることが難しい/試用期間がない
まず店頭販売しているところが少ないので、実物を目にすることが難しく、これもハードルを高めている要因の一つだと思います。そしてそこそこ値段がするのに試用期間などもないので、「えいや」で買わざるを得ません。体に装着するものなので、何が合うかは試してみなくてはわかりません。一発で合うものを買えればいいですが、私のように「一つ目が微妙に合わず、他のものを買ったらうまくいった」という経緯を辿る人も多いと思います。もう少し価格が下がるといいですよね。

TSS症候群のリスクがある
月経カップを使う場合はこのリスクはきちんと把握しておくべきかなと思います。ちゃんと清潔に、利用時間を守って使いましょうね!
詳細はこちら

血で汚れる
私は出すときはかなり小さく折り畳まないと痛いです。Cフォールド(カップの折り方の一種)くらい折り畳むので、当然血が溢れ、指先だけですが手が汚れます。
ちなみに、ほとんど折り畳まずに取り出せる方もいるらしく、そのような人は手を汚さないで済むこともあるようです。この辺りは本当に個人差ですよね。汚れると言っても指先だけなので、個人的にはあまり気にならないのですが、そういうのが嫌な方には向いていないかもしれません。

使ってみた感想

私はスーパージェニーのサイズ1を愛用しています。スーパージェニーはツルツルのシリコン製で、大きさのわりに容量が多いことが売りの製品です。
もともとはメルーナカップのクラシックS、リングタイプを利用していたのですが、サイズが小さすぎたのか、それとも素材の問題か、使っているうちに漏れがひどくなってしまい買い換えることにしました。後から知ったことですが、メルーナはTPEという素材で、温めると柔らかくなる性質があり、その性質のために歪んで漏れてしまうこともあるそうです。煮沸すると歪みが取れるらしいので、メルーナをお使いの方で、煮沸消毒後1回目の利用では漏れないが、だんだん漏れてくる・・・という方はそのせいかもしれません。

挿入できるかどうかが1つ目の心理的なハードルだと思うのですが、私の場合はメルーナもスーパージェニーもすんなり入れることができました。経産婦なので、「赤子の頭が通ったんだからこれくらいのものは入るだろ」という思いがあり、あまり緊張しないで済んだからだと思います。緊張してしまうと体が強張って入りにくくなっちゃうそうです。
「初めて入れるときは量の多い日の方が、血で滑ってスルッと入る」と言う口コミを聞いていたので、多い日に試したのも良かったのかもしれません。
うまく開いたかどうかと、どこまで押し込めばいいのかは最初のうちはよくわかりませんでした。開いたかどうかの確認方法は、メルーナはすぐ使うのをやめてしまったので正解を見つけられずじまいでした。「開いた時にはポン!と音がする」なんて人もいますが、私はメルーナでもスーパージェニーでもそのような経験をしたことはありません。スーパージェニーについては「コツ」の項で詳細を書きますが、「カップのお尻を触ってみて、硬かったらOK」と言う目安を見つけたので、挿入時にそれを確認しています。いいポジションに収まっていなかったとき(挿入が浅かった時)は、痛みとまでは言わないものの、「なんかここにあるぞ〜」と言う違和感がありました。

取り出しに不安を覚える方も多いようですが、私の場合、「奥に行ってしまって、取り出せないかもと焦る」ということもありませんでした。膣の長さとカップの大きさにあまり相違がないのか、まず指が触れる範囲より奥に入ってしまったことがありません。また、子を産んだ時を思い出していきむと、ぐ〜っとカップが降りてきてくれるので、仮に奥まで行ってしまってもこの方法で取り出せる位置まで持ってこれるだろうな〜という感じです。

なお、上述の通り、ナプキンは完全にゼロにはできていません。ちゃんと装着できていれば漏れませんが、カップ装着時に表についてしまった汚れがついたり、容量オーバーで溢れてしまったり、はたまた上手く装着できてなかったり・・・というトラブルに備えて、ナプキンと併用しています。ただ、ほとんど汚れないので、軽い日の昼用1枚で1日すごせていますし、量が少ない日はノーナプキンで過ごすこともあります。

手が汚れたり、月に一回煮沸が必要だったり、期間中は毎日洗ったりしないといけないという手間はありますが、「生理中なのに生理を忘れていられる」という大きなメリットがあるので、私はこの先も月経カップを使い続けると思います。

コツ

スーパージェニーを使う上で、快適に過ごすためのtipsをいくつか見つけたので共有しておきます。

よく拭く
「水で濡れていた方が入れやすい」とも言われるのですが、スーパージェニーは濡れているとくっついてしまって開きにくいので、特にカップの内側は綺麗に拭いておいた方が楽です。私が未熟なのか、挿入後、カップの内側がくっついてしまっている時はいつもうまく開かすことができません。そういう時は一旦取り出すようにしています。

パンチダウンよりセブンフォールド
これも開きやすさ重視です。浅めのパンチダウンだと開きやすいのですが入れにくく、深めのパンチダウンだと開きにくく、ガッツリセブンフォールドにして、中に入ったら指で折り畳まれた部分を広げるのが一番私にあっていました。

左右に揺らしながら入れる
入れるとき、カップと皮膚がくっついてしまって、引っ張られたり、摩擦でうまく入っていかない時があります。膣口を本物の口に見立てた場合、カップにくっついて唇が内側に巻き込まれた状態になってしまう、と表現すればわかりやすいでしょうか。くっついた唇をうまく剥がしながら挿入するため、私はカップを折り目が縦長になるように持って、左右に揺らしながら入れています。

とりあえず振る→膣壁の方を押してカップが開く隙間を作る
入ったら、ある程度奥に入れて、ステムを掴んでぐいぐいと振ったり、前後に動かしたりします。それでもカップが開かなかったら、人差し指か中指を、指の腹が膣壁に当たるようにぐ〜っと押し込んで、膣壁の方を押してカップを開くようにしています。隙間から空気を送り込むイメージです。うまくいけば、しゅ〜っと空気が入る音が聞こえます。大体これでしっかり開きます。

カップのお尻のところの硬さを確認する
カップが開いていても、十分に空気が入っていないと最初だけちょっと漏れてしまいます。カップのお尻のところがフカフカしていたらダメです。その場合、もっと空気が入るように、振ったり膣壁を押したりしましょう。ちゃんと装着できた時、スーパージェニーはお尻のところがフカフカせず、しっかり空気が入ってるぞ〜という感じの硬さになります。もしスーパージェニーをお持ちなら、机の上などにカップを下向きに置いてみてください。その状態で、リム(縁部分)が浮かないように抑えて、カップのお尻のところを触ってみてください。ちゃんと装着できている時の硬さはその硬さです。
よく、「膣の中でくるくる回せたらちゃんと開いている証拠」とも言いますが、私の場合は「まだもうちょっと空気を入れたほうがいい(お尻のところがフカフカしている)」場合でもくるくる回ってしまうので、お尻の硬さは必ず確認するようにしています。

ベストポジションに収める
私の場合、「人差し指の第二関節を曲げて、その指先でカップのお尻の部分(ステムの付け根部分)を押した位置」がベストポジションでした。人によると思うのでトライアンドエラーで探るしかありませんが、ベストポジションにあると違和感もなく、本当に「生理なことを忘れる」と言うくらい快適です。

足置きがあると便利
ちょうど子のトイレトレーニングのため、トイレに踏み台があったのですが、これがすごく役に立ちました。あるとないとでは挿入、取り出し時の負担が大きく変わります。ちなみに便秘予防にもいいです。スリーコインズで500円とかで買えるので、月経カップやトイレトレーニングとは関係なく全ての人にお勧めしたいです。
こういうやつです

最後に

月経カップはちょっとクセのある商品です。特に、挿入などに手間取ってしまった場合、「何がいいんだこんなもん」となってしまうかもしれません。
ですが、月経カップはコンタクトと同じで、導入時は色々と戸惑うものの、慣れるととても便利なものの一つだと思います。
体につけるものなので、全ての女性に合うとは思いません。ですが、合う人にはとても便利な商品なので、興味のある方は是非挑戦してみてください。

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