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遊撃隊

コンビニ飯というものがあるじゃないですか。日夜勤労に励む社会人の皆さまが、食事にかかる精神的コストをおよそ最小限を抑えんとする、まさに文明の利器ですよね。とても偉大な発明だと思います。

私はコンビニはおろかデパートなどでも惣菜を買って帰るということはせず、専ら店内での食事(外食)でして。コンビニを利用する機会は軽食のお菓子をつまむか、もしくは新作スイーツを味見する程度。おそらく一般的な使い途ではないのでしょう。

私の記憶にないだけで、幼少期に多少口にしたことはあるのかもしれませんが、それも今は誰も知る由のない話。やはりコンビニ惣菜の味をよくは知らなかったのです。一度も食べたことがない、というわけではありませんが、外で何か食べるという際にまず選択肢からは外れます。わざわざ家に持ち帰って食べるという選択肢もありません。外れるというよりかは、そも選択肢に入らないという方が正しいでしょうか。

そういうわけもあってか、私には漠然とコンビニ飯への興味があったわけです。一種の憧れでもあったのかもしれませんね。忙しい中、コストパフォーマンスの最大化を図り、コンビニ飯をイートインでササッと口に流し込む。こういった社会人らしい姿、丸の内OLに憧れるのと同じ理屈でしょうか。やはり人間誰しも、ないものねだりというのは止められません。
この興味には言うまでもなく手段と目的がの逆転が生じております。時短するべくコンビニという都市型小売店に駆け込むわけです。基本的にはコンビニ飯そのものを目的としているわけではないだろうことは容易に想像がつきます。コンビニ飯自体を好んで食しておられる方が読んでいましたら申し訳ございません。
私の場合、コンビニ飯そのものにしか関心がなく、そこで得られるメリットの数々には一切目を向けていませんでした。きっと、私の敗因はそこにあったのでしょう。

結論から申し上げますと、コンビニ飯というのは性に合いませんでした。あくまでコンビニ飯歴2日の私個人の感想です。コンビニ食品自体のクオリティーにケチをつけるつもりは毛頭ありません。
ここからは、私個人が、個人的に合わなかったと感じた点を挙げていこうかと思います。何度も申し上げます通り、商品を貶める意図は一切ございませんので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

高い

コンビニには安いイメージがあったので、サンドイッチがどれも300円超えだったり、弁当に至っては500円を超えるという事実に思わず面食らってしまいました。ここは私の見立てが甘かった、というただそれだけの反省点です。それはそれとして、おにぎりをたくさん買ったので、お茶を2本無料でいただけたのはありがたかったですね。

湿っぽい

これもコンビニ飯という特性上、致し方のないものなのです。コンビニ飯を温める方法は基本的に電子レンジです。店頭に設置されてある電子レンジで温めることを想定してか、それ専用の表記が堂々とパッケージの前面に押し出されていますよね。私もこれを見ながら慣れない電子レンジを駆使したわけでありますが。
電子レンジという特性上、どうしても包装内や白米の表面、グラタンの側面などに水滴がついてしまいます。私は基本的に湿っぽいものよりもアッサリしたもの、特に白米は乾燥したカピカピのものを好むのですが、尽く真逆を突かれてしまいました。結露か何かわかりませんが、食べている最中にも水滴が弁当の具材に落ちてきたりして、途中からは、湧いて出てくる水滴 VS まだギリギリ湿っていない割り箸 の戦いでした。どちらが先に触れるか、結果はタッチの差で水滴の勝利でした。

手軽じゃない

どれも私個人の問題に帰着できるわけですが、これはその最たるものです。まず私にとって電子レンジは手軽ではないのです。私の訪れた店舗はセルフあたためでした。操作方法は機器に書かれてありますし、それを何秒あたためたらよいのかも、ご丁寧にパッケージに書かれてあります。なので、さすがの私でもコンビニの電子レンジくらいは使えるのです。
なのですが、私にはその待っている時間が大変に苦痛で。70秒間「本当に大丈夫なのか」「温めすぎてはいないだろうか」「そも待たされている時点で手軽ではないのでは?」など、余計な心配が駆け巡るんですよ。現代人たる私ですので、もちろんのこと信用できないわけではないのです。
ただ利便を追求するのであれば、やはり待ちが生じては本末転倒ではないか。時短を求めるなら菓子でも一つつまめばいい。味を求めるなら大枚はたいてレストランにでも繰り出せばいい。
私はそう考えてしまう人間だった、というただそれだけの話です。つまらない人間ですね。私は幸せなので結構ですが。
そうこうしていると、長い長い70秒は過ぎ、アッツアツ & ジッメジメの唐揚げ弁当のお出まし。先ほどの水滴との格闘が幕を開けます。ちなみに、翌日のグラタン戦にてリベンジを果たしました。イェイ。

コンビニ万歳

あれだけの在庫、品数、バリエーションを、あの狭い店舗で、あの回転率で回せているのはすごいの一言ですよ。コンビニという仕組みはやはり偉大です。
そして、コンビニ飯が好きな方は何の傷も負わなくて大丈夫です。むしろ嗤ってください。コンビニ飯のありがたみを享受できない不幸な人間が世の中にはいるのだ、と。

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