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「魔女の宅急便」という田舎娘の上京物語

週末の金曜ロードショーは「魔女の宅急便」だった。
そういえば「宅急便」てのはヤマト運輸の登録商標だけど、何か関係でもあるのかと思ってみていたら制作スポンサーにヤマトが名を連ねていた。
クロネコが出てくるからどうしても「宅急便」としたかったのだろうか。
「魔女の宅配便」は語呂が悪い?
なんのこだわりなんだろう。

ジブリ映画は子供の頃から見ているが、ジブリがいっぱいコレクションと称したVHSシリーズが販売されたのは1995年以降だった気がする。
初回はトトロだったような。
それまでニーズがなかったのか、なぜ販売していなかったのかは謎。
魔女の宅配便は3番目か4番目に販売されており、それまで金曜ロードショーで見ていていまいち好きになれなかったがディズニーやジブリのVHSは発売されるたびに買うのが恒例となっていたので祖父とホームセンターに行き惰性で買ってもらった。
しかし、やはり好きになれない。
なんだか嫌な気分になるのだ。
思春期の女の子の悩みや葛藤が1ミリも理解できない当時、
なんでこの子こんな場面で怒ってるの?
失敗が目に見えてるのになぜやっちゃうの?
案の定なことが起きてなに一丁前に落ち込んでるの?
悲劇のヒロインみたいな態度が謎
と疑問だらけでモヤモヤしてた。
そんなわたしが思春期はとうに過ぎ、大人になった今、彼女の成長ストーリーを温かく見られるのだろうかと思って見てみたけど、やはり好きになれない。
単純に、田舎の普通の女の子(魔女だけど)が上京して頑張る!みたいなストーリーラインが遺伝子レベルで嫌いなのだと思う。大嫌いなのだと思う。
勝手に都会に期待を膨らませて、しかも自分の能力を過信して思い通りに行かないと落ち込む厚かましさが気持ち悪く、思春期特有の小さなことで一喜一憂する情緒不安定さも何を見せられているのだ、という気分になる。
1番嫌いなシーンは過剰サービスをして完成させたニシンパイを届けた時に塩対応されて落ち込み、さらにたかが風邪で重病人みたいな面をするところ。
これはもう小さい頃から漠然と嫌いなシーンだったが、何がどう嫌なのかようやくわかった。
「私頑張ったでしょ!褒めて!」という他人からしたら「知らんがな」な自己満下心が裏切られてショボーンとし、さらに相棒が敵の悪口を言って励ます女子あるある。
でもそんな励ましでは復活せず悲劇のヒロインモードに突入→いい加減飽きた頃に勝手に復活。
嫌いです。

ところで大人になって気づいたのはパン屋の大将、あれは多分大物です。
アレが大物です。

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