【第93回】ディズニー映画「ベイマックス」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。
ハニーやワサビが“フワフワ” のベイマックスに抱きついて言った言葉です。
That's toasty.
toasty は「toast(トースト)」から来ており、トーストされたパンのように心地よい温かさを表す言葉です。
Q&A サイトの HiNative に、アメリカ人の方が toasty について次のように投稿していました。
toast は「快適な暖かさ」で、通常、室内が暖かい冬にこの言葉を使う。夏の暑さには使わない」とのことです。
別の言葉で言うと pleasantly warm (心地よいあたたかさ)です。「暖かい」は warm 一択でしたが、状況によっては、このtoasty も使っていきたいですね。
ヒロが鳥の絵を皆に見せて質問するシーンです。
ヒロの言った Does this symbol mean anything to you guys? は「このシンボルは君たちにとって何を意味しますか?」が直訳ですが、この英文が言おうとしているのは、そのシンボルの名前ではなく、“それが何を表しているのか”です。
にもかかわらず、フレッドは Yes! It’s a bird. 「鳥だ」と、その名前だけを言ったので、ヒロは No! とすぐに否定したのです。
ヒロはそのシンボル(鳥)とマスクを被った男の関係を知りたかったのですね。ちょっとしたことですが面白いです。
例えば、It means a lot to me. は、「それは私にとって多くのことを意味する」ですが、これも“それと私”の関係が a lot (たくさん) だと言っているので「それは私にとって大切です」という意味になります。
none other than… 「他ならぬ…」と言う意味を表すイディオムです。
直訳は「…以外 (other than) だれでもない (none)」で、明らかにされた人物が意外な人物であることを強調する時に用いられることが多いです。
“The person who solved the mystery was none other than the quietest student in class.”「その謎を解いたのは他ならぬクラスで一番静かな生徒だった」
比較級を使ったイディオム( no more than ...などいっぱいあります) は、個人的に意味が取りにくいものが多いですが、皆さんはどうでしょうか。
参考書などにのっている例文は、文脈のないものが多いと思うので、このフレッドのセリフのように、動画などで学習していくと定着しやすくなるのではないでしょうか。
Rules don’t apply to a man like…
「…のような人にはルールは当てはまらない」
= 「…は手段を選ばない男だ」です。
この「手段を選ばない」はよく使われる日本語の口語表現で、素晴らしい日本語字幕だと思います。
ルールを無視して、自分のやりたいことは成し遂げようとする人は皆、Rules don’t apply to … で表すことができます。
また、「…に適用する」も apply to ... で表すことができます。
ある生徒が先生に“えこひいき”されていると感じたら、
School rules should apply equally to all the students.「校則はすべての生徒に平等に適用されるべきだ」
ですね。
There’s no way. は「ありえない」ですが、No way. と短縮して言うこともできます。
high profile は「注目を浴びている」です。
カタカナで「プロフィール」と言いますが、個人や組織の概要や特徴を簡潔にまとめた情報のことです。
それにhigh が付いているので、他の人よりも顕著な内容になっており、「世間からよく知られている」人が high profile な人です。
high profile を別の言い方をすると、 That guy is getting too much attention from the public. 「世間から多くの注目を集めている」や That guy is very famous. 「とても有名だ」でしょう。
この no way や high profile も覚えておくと表現の幅が広がると思います。
語彙力や表現力も洋画から数多く学べます。洋画は英語学習最強のツールの一つであるのは間違いないと思います。