ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート64】
① Sure it’s the coward’s way out.「臆病だし、ずるいけど」
次の2文を見て下さい。
(1) Taking a taxi is the easy way to get to the airport.「タクシーで行くのが空港に行く簡単な方法だ」
(2) Quitting is the easy way out, but it won’t help you grow. ( 訳は下を参照 )
“out” があるかないかの違いですが、ニュアンスはかなり違ってきます。
”out” は「外に」なので「〇〇の方法で外に逃げていく」というイメージがあります。
すなわち、(2)は「辞めるのは楽な逃げ道だ。でも成長の手助けにはならないよ」となり、「楽をして逃げてはいけないよ」とネガティブな意味になります。
それに対して、(1)はタクシーで行くという是非には触れられておらず、ニュートラルな表現です。
”out” の有無でニュアンスが変化するってやっぱり英語って面白いです。
セリフの “Sure it’s the coward’s way out.” は「それ( 辞めること )は臆病者( coward )がする逃げ道だ」といっているのです。
“Why did you lie at that time? Did you think it was the easy way out?”
「どうしてあの時嘘をついたの? 嘘をつくのが楽な逃げ道だとでも思ったの?」
すなわち、「嘘をつけば簡単に問題が解決できると思ったの?」です。ー 確かに嘘はその場限りの解決策にしかなり得ないことが多いように思います…。
② Riley dumped her best friend.「親友を捨てた」
dump は字幕の通り「捨てる」という意味です。
この「捨てる」を覚えるために、私が可視化しているのが “dump truck” (ダンプカー) です。ちなみに dump car はカタカナ英語で、正式には “dump truck” と言います。
でも、何故 dump truck というかと言うと、ダンプカーが荷台を傾けて砂利を「捨てる」ところをイメージすればわかりやすいと思います。
そして残酷にも付き合ってた人を荷台からズルズルと落とす ( もちろん比喩です ) のが “I dumped him / her.”なのです。
日本語でも「〇〇を振る」のことを「〇〇を捨てる」と言いますね。英語も同じです。
「別れる」は I broke up with him. などと言うのが一般的ですが、dump「振る」の方が一方的で強いのは、日本語と同じです。
A: He dumped you? (彼に振られたの?)
B: No way! I dumped him. (とんでもない!私が振ったのよ)
お互いがそう言っているかもしれません。
③ The writers have put together a killer script!「脚本も上出来よ」
ここで使える表現は “put together” です。直訳は「一緒に置く」で、そこから「バラバラなものをまとめる」と言うイメージがあります。
このセリフの字幕は「脚本も上出来よ」ですが、「作家たちは素晴らしい脚本 ( a killer script ) をまとめて作った ( put together )」がこのセリフの言わんとすることです。
セリフや大道具、小道具、照明などを一つにまとめて脚本を作るイメージですね。
一つ一つをまとめるということでよく使われるのが、”I put together the furniture.”「その家具を組み立てた」です。これはとてもわかりやすいと思います。
他にも、食材をいろいろ使って( まとめて )組み立てた( 作った ) のが、
The chef put together a delicious meal by using simple ingredients.「シェフはシンプルな食材を使って美味しい食事を作った」
です。
いろんな写真を集めて( まとめて )アルバムを作ったなら、
She put together a photo album.「彼女はフォトアルバムを作った」
です。
create や assemble や organize などを put together… で言い表すことができるのでとても便利な表現です。