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【第88回】ディズニー映画「ベイマックス」の色々なシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

警察官: All right, let me get this straight. A man in a kabuki mask attacked you, with an army of miniature flying robots.「つまりこうかね?歌舞伎マンと小型ロボットが襲ってきた」

「ベイマックス」

ヒロとベイマックスが警察に駆け込むシーンです。

Let me get this straight
.「つまりこうかね」
直訳は「これをまっすぐに(straight) させてくれ」ですが、意味がよくわかりません。this は話している内容ですが、straight の解釈が大切です。

「まっすぐにする」というのは、this、すなわち話している内容を整理させてほしい、ということです。“曲がって少しわかりにくいものを、まっすぐにすることによってスッキリさせる” というイメージですね。

日本語字幕の「つまりこうかね」もいいですね。こういった英語らしい表現大好きですね。使えそうでなかなか使いにくい表現ではないでしょうか。

「整理する」は sort ... out というイディオムもありますが、get ... straight もすぐに使えるようにしておきたいですね。

straight を使った表現で、Give it to me straight. というのもあります。「それを私にまっすぐ与えてくれ」が直訳ですが、そこから「私にまっすぐに言ってくれ」⇨「はっきりと言ってくれ」です。


ヒロ: What the... what's wrong with you?「どうした?」
ベイマックス: Low battery.「電池切れ…」
ヒロ: Try to keep it together.「しっかり」

「ベイマックス」

Keep it together.
しっかりして」と言う決まり文句で、冷静さを失おうとしている人に対して、落ち着くように促す表現です。

ここでは、ヒロが電池切れのベイマックスに Keep it together と声をかけています。

「バラバラになりそうなものを一緒の状態にしておく(keep ... together)」から「しっかりして」というのが伝わってくるのではないでしょうか。

Pull yourself together. も同じく「しっかりして」ですが、こちらは感情的になってる人に落ち着くように促す言葉です。ですから、Pull yourself together. は、より強い言い方です。

あと Get it together. と言う言い方もあります。「しっかりしてね」は日本語でもとてもよく使いますが、英語に直すとなると案外難しいのではないでしょうか?

今回の ( Try to ) keep it together. をぜひ使っていきたいものです。


ヒロ: Hey, aunt Cass.「やあ、おばさん」
キャスおばさん: Look at my little college man. I can't wait to hear all about it! And wings are almost ready. 「今日から大学生ね。話を聞かせて。もうご飯よ」

「ベイマックス」

wingschicken wings (手羽先)のことで、正確には「手羽先がもうすぐできるわよ」です。でも字幕の「もうご飯よ」の方がわかりやすいので、そうしたのでしょう。

wing は「」なので Wings are ready. と言われたら「羽の用意ができた!?」と一瞬なんのことかわからなくなるかもしれません。

chicken wing が正式ですが、wing だけの略語も知っておくとスムーズに会話ができるかもしれません。

ちなみに、「食事の準備ができた」ですが、私がアメリカのボストンでホームステイした時、ホストマザーはいつも Dinner time! と言ってました。今でも耳に残っています…。


キャスおばさん: Yeah, wings! Whee! All right, get ready to have your face melted. We are gonna feel these things tomorrow. You know what I'm saying? 「ええワクワクよね。激辛の覚悟はいい?明日はお尻が辛くなるわよ」

「ベイマックス」

All right, get ready to have your face melted
「顔がとろける準備をする」というのは、顔がとろけるほどすごいことが起こるから、その準備をするという意味です。

「すごいこと」というのは、ここでは辛い手羽先を食べて“起こりえる”ことです。喉がカラカラになったり、お尻が痛くなったり、ですね。

日本語では「顔がとろける」なんて言わないのでユニークな表現です。

そして続けてWe are gonna feel these things tomorrow.は「明日もこれらのこと(= そのすごいこと)を感じるだろう」ですが、あまりにも凄すぎて明日もまだ影響が残っているだろうという意味です。

字幕は「明日はお尻が辛くなるわよ」ですが、無茶苦茶辛い手羽先を食べた結果、翌日になって残る影響は…「お尻が痛くなる」- こんな素晴らしい訳、逆立しても出てこないですね…。


ヒロ: The thing is that, since I registered so late, I've got a lot of school stuff to catch up on.「入学が遅れたから勉強が溜まっている」
キャスおばさん:At least take a plate for the road, okay? Don't work too...「じゃ部屋で食べて」

「ベイマックス」

At least take a plate for the road
あまり聞きなれない英語だと思います。直訳は「道中のために皿を持って行く」です。

使う場面の一例は、どこかに出かける際に食べ物を持って行くように促す場合です。「これ持って行って(食べて)ね」です。

でもこのベイマックスのシーンでは、2階に行こうとするヒロに対して、キャスおばさんが言ったので少し違和感がありました。

別にヒロは外出するわけではないので for the road はちょっと変だと…。

2階に行くだけの人にキャスおばさんはなぜ take a plate for the road と言ったのか… 謎です…。

でも、別に外に食べ物を持って行かなくても、別の部屋で食事をとる時も、この表現が使えるんだということが学習できました。

でも、もっと take a plate for the road を“深掘り”して調べてみたいですね…

英語って学習すればするほど疑問が湧いてきて“底なし沼”のようです。でもそれが英語学習の面白さにつながっていきます。 Learning English is a lot of fun!

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