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【第92回】ディズニー映画「ベイマックス」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

ハニー: Did we lose him?「まいた?」

「ベイマックス」

仮面をかぶった男から、車で必死に逃げようとしている場面です。

lose は「失う」なので、直訳は「彼を失った?」です。

「失う」というのは目の前からいなくなると捉えることができるので、「彼をまいた?」という意味としても使えるのがユニークです。

人混みなどで一緒にいた人を見失ってしまった時にDid we lose him? 「彼とはぐれた?」というふうに使うこともできます。

また lose + (人) は、人を見失う以外にも、次のように使うこともできます。

"I was on a call with my friend, but then I lost him when my phone battery died."「友達と電話してたんだけど、スマホのバッテリーがなくなって、通話が切れてしまった

このように人とのコンタクトが切れたりする時にも使えます。

あと、相手の話についていけなくなった時に、

He lost me. ( 直訳は「彼は私を失った」)

という表現が使えます。

I didn’t understand what he was saying. 「彼が言おうとしていることが理解できなかった」も、コンパクトに He lost me. ということもできます。

よく「失う」という意味で使う lose ですが、上の例文のようにいろんな使われ方があるのでとてもユニークな単語です。



ヒロ: We should get out of here.「隠れないと」
フレッド: I know a place.「俺に任せろ」

「ベイマックス」

ヒロたちは、仮面男からなんとか逃げたのですが、次は隠れる場所を探しています。

I know a place.
字幕「俺に任せろ」は意訳で、直訳は「私はある場所を知っている」です。

“ある場所” というのはこのシーンでいうとヒロたちが「隠れる場所」のことです。すなわち、「いい場所を知ってるよ」という意味になります。

でも「いい場所を知ってる」は、I know a good place. と、普通は訳すのではないかと思います。

この I know a place. と I know a good place. の違いは、話者の気持ちにあります。

I know a good place. は話者がはっきりといい場所を知ってる時に使います。

でも I know a place. は、いい場所は知ってるのですが、あえてそれを相手に匂わす言い方です。

すなわち、相手は「えっ、どこなの?」と食いついてくるかもしれません。「あーっ、あそこがいいかな」とボソッという感じですね。

フレッドが言ったこのシーンを実際に見れば、そのニュアンスが伝わってくると思います。

こんなニュアンスまで考えると、I know a good place. は中学英語の簡単な英語ですが、I know a place. は、とても難しい(レベルの高い)英語と言えるのではないでしょうか。

ニュアンスの違い ー 知れば知るほど英語の面白さを実感します。


フレッド: Heathcliff, my man! Come on in, guys. We'll be safe in here. Gimme some.「執事よ。ここなら安全だ。挨拶を」

「ベイマックス」

Gimme some. は Give me some. の省略形で、とてもインフォーマルフレンドリーな言い回しです。

ここではフレッドが執事に対して fist bump (グータッチ) をしようとした時に使ったのが Gimme some. です。

挨拶Gimme some は全く別物で、繋がらない気がしますが、実際はこのフレッドのセリフのように繋がるのです。

Gimme someの次に skin が省略されており、正式には Gimme some skin. ( = Give me some skin ) で「ハイタッチ(グータッチ、握手)しよう」という意味になります。

「skin ( 皮、皮膚 ) をちょうだい」というのは、(手の)皮膚のことだと考えれば、Gimme some skin. のイメージがつかめるのではないでしょうか。

でもやっぱり、動画で英語を学ぶのが素晴らしいと再認識したのが、フレッドが Gimme some. と言ってグータッチをするために拳を相手に向けたことです。

そのジェスチャーですぐに、挨拶の場でこの英語を使うんだなと分かりました。

これまでにも何度か触れてきましたが、動きと英語を一緒に頭に入れると定着が本当に高まります。

ですから動画を見ながらの英語学習を強くオススメします。


フレッド: Well, technically, it belongs to my parents. They're on a vacay on the family island. You know, we should totally go some time. Frolic.「孤島でバカンス中の親の家だ。今度みんなで行こう」

「ベイマックス」

They're on a vacay on the family island. You know, we should totally go some time. Frolic.

直訳は「両親は家族の島でバケーション中 ( on a vacay ) だよ。ねぇ、いつか絶対一緒に行こうよ。思いっきりはしゃごう ( Frolic )。」です。

① They’re on a vacay.
They’re on a vacay. の vacayvacation の略語です。(これは推測できますね)

でも vacay は馴染みのない言葉ではないでしょうか。vacay は vacation よりもインフォーマルな語です。

こんな vacay のような英語を学べるのも洋画ならではで、日常会話で使われる英語の宝庫が洋画ですね。

Frolic
Frolic
は「(楽しく)はしゃぐ」という意味の動詞です。あまり見かけない単語なので、ここで覚えておきたいですね。

ただ、 frolic は日常会話ではあまり使われず、少し古風で詩的な表現なので、会話ではあまり出会わない語かもしれません。

It’s not like you to frolic in public.「公の場ではしゃぐなんて君らしくないね」

もっと会話的には have fun や run around が使われます。

The kids were running around in the park. 「子供たちが公園ではしゃいでいた」

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