見出し画像

【第111回】ディズニー映画「カールじいさんの空飛ぶ家」のシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。

カール: Chocolate?「チョコレート?」
< 振り向くとバカでかい鳥がいる >
カール: What is that thing? 「何だそりゃ?」
ラッセル: It's a snipe. 「シギだ」

「カールじいさんの空飛ぶ家」

What is that thing?
直訳は「その物 (that thing ) は何だ?」ですが、Whai is that? の強調だと考えて下さい。強調というのは、「それは何ですか?」に驚きや疑いの目が含まれているということです。

”thing” が付いてるので強調というのは推測できると思いますが、字幕の「何だそりゃ?」は驚きが加わっており、ドンピシャの訳ではないでしょうか。

このシーンでは、少年ラッセルが森の中から連れてきた馬鹿でかい鳥 ( シギ ) を見て、カールが “What is that thing?” とびっくり仰天して言ったのです。

このシーンをぜひ見てください。カールの驚きと共にこの What is that thing? が頭の中に定着すると思います。

英語と動画を一緒に覚える ー 動画の素晴らしい点ですね。これを他の表現に置き換えると What on earth is that? や What in the world is that?  「一体全体それ何?」 です。



カール:Careful, Russell. 「危ない」
ラッセル: Look, Mr. Fredricksen, he likes me. No, stop! That tickles! 「やめて。くすぐったい」

「カールじいさんの空飛ぶ家」


That tickles!
くすぐったい!」ですが、2語で表す感覚(”くすぐったい“や”痛い“など)ってなぜか面白いです。そこで、“2語の感覚”の英語をあげてみました。

*各例文の That は It でもOKです。
That hurts! ー 痛っ!
That itches! — かゆっ!(かゆい)
That burns! — 熱っ!
That stings! — ヒリヒリする! (蜂に刺されたり、日焼けした時)
That tingles! — チクチクする!  (ウール100%のセーターきた時)
That numbs! ー しびれる!

「痛い」は That’s painful. という英語でも表現できますが、これは「それ(足の小指をぶつけるなど)は痛いよ」と“説明”する言い回しなので、「痛っ」という意味で使うのは不自然です。

でも、That hurts! など、2語で表せる英語はリズムがあって気持ちいいですね。



ラッセル: Can we keep him? Please? I'll get the food for him, I'll walk him, I'll change his newspapers...「飼っちゃダメ?ちゃんと世話する。トイレの始末も」

「カールじいさんの空飛ぶ家」

I'll change his newspapers.
巨大な鳥を飼いたいと言い出したラッセルが“鳥の世話の一つとしてあげたものです。

「彼(鳥)の新聞を変える」と聞いてすぐに意味が分かる方もおられると思いますが、この表現は「面白い!」と思ったので取り上げました。

newspaper は「新聞」ですが「彼(鳥)の新聞を変える」とは、鳥がおしっこをした時に下にひいてる新聞紙を変えるということです。

私は犬を飼っており、庭に置いてある新聞紙の上でおしっこをさせるので、この英語はピンときました。でも、もしかしたらペットを飼っていない方は「えっ、何のこと?」と思われたかもしれません。

ある意味、文脈と背景知識が大きくモノをいう表現かもしれません。


ラッセル: An explorer is a friend to all, be it a plant, a fish or a tiny mole. 「自然探検隊は仲間だ。小さなモグラでも」
カール: That doesn't even rhyme. 「くだらん」

「カールじいさんの空飛ぶ家」

That doesn’t even rhyme.
意味は「それは韻を踏んでさえいない」で、直前のラッセルの言った言葉に対してカールが言った英語です。

「韻を踏んでいない」というのはラッセルの “be it a plant, a fish or a tiny mole” の部分です。確かに plant, fish, tiny mole のいずれも韻を踏んでいません。

韻を踏むというのは “The cat sat on the mat.” ( cat, sat, mat の母音が同じ発音 ) のような文です。

でもどうしてカールはラッセルに、突然「韻を踏んでいない」などと言い出したのでしょうか?

それは、ラッセルが言った An explorer is a friend to all, be it a plant, a fish or a tiny mole.「探検家は、植物であろうと、魚であろうと、モグラであろうと皆友達だ」が、詩で使われるような英語表現だったからだと思います。

その証拠に、詩などでよくみられる be it ... ( whether it is (be) ... の省略形 ) が使われています。

That doesn't even rhyme. の日本語字幕が「くだらん」になっていますが、これも素晴らしい訳だと思います。「それは韻を踏んでない」と訳してもさっぱり分かりませんので…。



カール: I see you, back there. Go on, get out of here! Shoo! Go annoy someone else for a while. 「見えてるぞ。うせろ。シッ」

「カールじいさんの空飛ぶ家」

ケヴィン(鳥)に対してカールがかけた言葉です。

Shoo!
動物を追い払う時に使うシッ、(シッ)」です。Shoo (シュー) が「シッ」になるのは面白いですね。

もし動物を追い払う場面があれば “Shoo!” を使いましょう。(あまりそんな場面はないかもしれませんが…)

Go annoy someone else for a while.
字幕には日本語の訳がありませんが、「しばらくの間、他の誰かに迷惑をかけに行きな」が直訳です。

巨大な鳥のケヴィンがついてくることに対して、我慢の限界がきたカールが言ったのです。

でも、「頼むから、他の所に行って迷惑をかけてきて」とはメチャクチャ面白い発想で笑ってしまいます。カールがプツンと切れてしまったのがよくわかる英語表現です。

いいなと思ったら応援しよう!