KOHARA

海外の児童書について、和書、原書のレビューを中心に書いています。

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最近の記事

レビュー『帰命寺横丁の夏』

作: 柏葉幸子 絵:佐竹美保 出版社: 講談社 出版年: 2011年 舞台:日本 対象年齢:小学校高学年以上 2022年バチェルダー賞受賞(アメリカで、英語に翻訳された優れた児童書に送られる)  小学校5年生のカズは心霊番組を見るのがやめられない。その深夜に目が覚めてこわごわトイレに行くと、庭を横切る幽霊を見た。  一学期最後の日に学校へ行くと、あの幽霊がいた。カズは怯えるがクラスメイトはその幽霊、いや、女の子、あかりの存在を受け入れていた。たてわり学級で町の古い地図を

    • レビュー『雨あがりのメデジン』

      作: アルフレッド・ゴメス=セルダ 訳:宇野和美 出版社: すずき出版 出版年: 2011年 舞台:コロンビア 対象年齢:小学校中学年以上   カミーロは、コロンビアのメデジン市に住んでいる。数ヶ月前、町をかこむ山の斜面に図書館ができたのを知り、幼なじみのアンドレスとともに気になってはいたが、ある理由から近づけないでいた。  ある日、図書館の、怪物のような口をした黒い岩のような建物に近づいてみると、中に宝物がつまっているかのように思えた。カミーロとアンドレスは、とうとう

    レビュー『帰命寺横丁の夏』