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我が家のアンソリーマンソーの話

娘と息子が遊んでいる。


「私、カービィのぬいぐるみ使う!」
「じゃあぼくはキノピオね」
「いいよ。じゃあここがおうちね」
「じゃあこれが、アンソリーマンソーってことね」
「カービィは、スケボーですべるぞ~、びゅーん!」
「あっ、ぼくのアンソリーマンソーふまないで!」

「…あんそりー…?」
私は、耳をそばだてて
詳細を漏れ聞こうと
息を潜める。


こどもは
自由で
無邪気で
元気なもの

知っている。

でも毎日、間近で、一日中
本物と触れていると
その「自由で無邪気で元気」の底知れぬ力で
へとへとしながら

爆笑な毎日。

我が家の子達。
ゲーマーな7歳の娘と
コマ付自転車練習中の、4歳息子。


アンソリーマンソーは、息子の物だ。

そんな息子の話をしよう。


彼は
とにかく、朝に強い。

一人目の娘が、めっぽう朝に弱く
簡単に布団から出てこないのをいいことに
私は、子どもがいても、

早起き=自分時間増えるという
理想的母スケジュールを楽しんでいたのだが

第2子の息子は、
私のアラームで同時に目覚める。
時には「ママ、朝だよ。起きようよ。」
とまどろむ私を揺さぶり
「さ、カレンダーめくって。
ついに5月になったよ!1日だよ!」


目をキラキラさせて
新しい1日の訪れを祝う。


そして即座に「ママ、パズルやろ。」

朝から、フル回転である。


そんな彼は、
数字も愛している。


ハイハイしながら
床の数字型抜きマットをひっぺがし
「3」と「8」を気に入ってカミカミする赤ん坊だった。

「3」「8」のマットが好きすぎて
友人2家族との旅行に持参し、路上で「3」を落とし
友人家族も総動員で探してもらったため
彼の「3」好きは、語り継がれる伝説となっている。(内輪で)

歩き始めてからは、
散歩に、日めくりカレンダーを持ち歩き
幸せそうに一枚一枚めくる姿に
ママ友は驚いていた。いや若干、引いていた。


成長した彼は
ただ、音楽にのせて高速で数字がカウントされる、
不思議なYouTubeの動画にハマったりする。

動画が英語だったとき
「ママ、
わんび~ぃりぉんてね、
ゼロが9個もあるんだよぉ!」
と教えてくれた。

one billionに対する
十億という日本語を、
彼はまだ知るよしもない。


そんな息子は、
言葉使いが、特殊である。

第2子の彼は、
早めに、言葉を発していた方だと思う。

最初は例にもれず、数字から覚えた。


10カウントを口にすると
大人たちがやいやい誉めてくれるのに、味をしめ
同年代の男の子とにらみ合いになったとき


「12345678910ぅ~!!!」


と、大声で威嚇していた。
カウントそのものには
あまり効果はなかったが。

歌の耳コピを習得したのが2歳。

おかあさんといっしょを見て覚えた歌「たこ焼きマンボ」は
いつしか「たきなんぼ」と形を変え
たこ焼きだけでなく
彼の好きな肉団子、納豆までも意味するパワーワードになった。

毎日毎日

「たこのせかい~♪」

と歌いまくるときは
何の歌かわからず、
水族館的な歌ありませんかと
預かり保育の先生にまで問い合わせたが
自家用車の中で聞いていた
ミスチルの
「あぁこの世界~♪」だとわかったとき
彼の自信度を知った。

彼は、自らを信じ、
租借して、口に出す力がある。
みんな聞いて!と、巻き込む自信があるのだ。

大人は時に、ふりまわされ

時に、大笑いさせられる

まさしく、こどもだ。

そんなこどもらしさ全開の息子。



そんな彼の
アンソリーマンソーとは、
ニトリのカラーボックスである。

中にぬいぐるみを入れて
部屋を走りまわる。

どうやら乗り物らしい。


「…なんで、アンソリーマンソーやねん…」

私は主人と、声がでなくなるほど笑った。

自粛生活、久々に。


翌朝、早起きした息子に
「今日も、アンソリーマンソーで遊ぶの?」
私が聞くと

「ちがうよ。アットプレープだよ。

アットプレープはね、変身できるんだよ。

それっ!」
ボックスをひっくり返し、
机になるんだよと言って、急いでぬいぐるみを取りに消えた。


今日も1日、フルスロットル。

これからも、どうか、すくすくで。