「自分から表現」すると、印象も信頼もアップ!

リモートワークにおいて大切な5つのマインドセットの中でも、重要度が高いのが「自分から表現せよ」ということ。ここでは、なぜこの考え方を徹底する必要があるのか、私の経験から具体的に説明していきます。

「自分から表現」されないと、印象がマイナスに

経営者として私は人を使う側でしたが、部下から報告が上がってこないなど「自分から表現」されず、なかなかうまくいかないケースもありました。実際のところは仕事ができているとしても、連絡がないので不安になってしまう…一度「この人、大丈夫かな?」と思ってしまうと、その人の見え方がどんどんネガティブになってしまいます。その結果、本当は80点のクオリティのものを出してきたとしても、50点に見えるなどマイナスの印象が生まれてしまい、仕事をなかなか任せられなくなります。一方、部下にとっても、がんばっているのに評価されにくいなどして、あまりいい状況ではありません。

私はクラウドソーシングの事業を立ち上げた経験もあり、その際は何千人もの人を相手に仕事していました。その中でも今でも関係性が続いている人は、きちんと状況を報告してくれていた人ばかり。「自分から表現」できる人は、決して多くはありません。実際に、納品はしてくれているけれど、連絡がなくて過程が見えないから不安だった…というケースもあります。

「自分から表現」されると、安心感につながる

逆に、「なるべく自分から状況を伝えていこう」という意識をもって発信してくれると、「状況がわかるから、大丈夫だな」と安心できます。たとえ大丈夫ではない状況だったとしても「大丈夫じゃない」と言ってもらえると、いくらでも助けることができます。きちんと状況を教えてくれていたうえで「やはりダメだった…」というのは、何も表現されないまま同じようなアウトプットを出されるのとは、全然印象が違います。

「自分から表現」することは、誰でもできる

オフィスで働いている場合、コミュニケーションをとるのが上手な外向型の人は、生来的に話したいタイプなので、状況が周りに伝わってうまくいきやすかったと思います。

一方、コミュニケーションをとるのが得意ではない内向型の人は、自分で抱え込んでしまうことが多いです。そうすると周りも助けにくいですし、なかなか評価されにくい状況にあったのではないでしょうか。

しかし、これがリモートで働くことになると、外向型の人も内向型の人も同様に「自分が表現しないことは、相手に絶対伝わらない」という前提で、自分の状況を可視化していくというスタンスを強くもっていないと、オフィスで働く時以上にコミュニケーションがうまくいきません。

どちらかというとオフィスでは有利で評価されやすかった外向型の人も、リモート環境では条件は同じ。内向型の人にとっては、直接話しかけるよりチャットで状況を伝えることはハードルが低いので、意識さえすれば「自分から表現」することは誰でもできます。ある意味、これまでコミュニケーションがうまくなかった人も、一気に挽回するチャンス!「相手からどう見えるか、伝わっているか」ということを考えて、そこで一歩抜き出るのが重要になってきます。

ルール化して空気感をつくる

経営者やマネージャの視点では、「そうしなくちゃいけない」という空気感をいかにつくるかが大事です。私が経営していたポップインサイトでは、マインドセットを行動指針として定義していました。

「自分から表現することが、苦手なんですよね」などと発信しない人がいた時には、上司の立場から強引に「表現しろよ」と言うことはできますが、コミュニケーションのスタイルは人それぞれ違いがあって然るべき。その強引にやらせる拠り所を何にするか、というのが重要です。

「会社のルール=行動指針として『自分から表現する』のを大切にしていて、そうしないと全然状況がわからなくて仕事が進まないから、ちゃんとやっていこうね」という風に会社や場のルールとして伝えると、伝えられる側の印象は全然違います。もちろん人それぞれ考えはあるわけですが、「会社のルール=基本的なスタンスとしてあるものだから、やっていこう!」という合意が生まれます。そうした土壌をつくるのが、組織のカルチャーとして求められていくと思います。


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