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小説 SFトマス・スタンプ

野良猫のマサとヒデやマルが集会する 駐車場を抜け更に細くなる 路地をゆく "ススムススム" 今はその稼働を何年も前に止めた "設定にしてある" フジタ工場が見える その2階を棲み家にしている 小雨が降っている まだ稼働している他の工場からコンコンと乾いた音 が雨雲にとけてゆく 駅前から工場 街にひっそり伸びるアーケードの最後の店舗  揚げ物のこうの屋かコイケ屋 ひとつ30円のボールコロッケをほうばりながら その廃工場の錆びた配管取り巻く壁を巡る階段をカンカンと昇る "

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