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たいまつの火

私たちは、忙しい日々を送っていると、つい目先の問題ばかりに目をとられて、本来の目的を見失ってしまうことがあります。

自分自身が目指すものは何なのか

それをいつでもしっかりと持っておくことが大事なのではないでしょうか。

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江戸時代の剣豪、千葉周作が舟で夜釣りに出かけた時のことです。

釣りに夢中になっているうち、いつのまにか帰る方角を見失ってしまいました。

一生懸命目を凝らすのですが、たいまつの明かりが届く範囲しか見えず、
案内の船頭も途方に暮れてしまいました。

それでもなんとか船宿に戻ることができ、
一同ほっと一息をついたところへ、
海に慣れている老人がやってきて船頭をこう叱ったといいます。

「海辺に長年住みながら何ということだ。

 なぜたいまつを消さなかったのだ。

 たいまつがあると近くは見えても遠くは見えない。

 火を消せばどんな闇夜(やみよ)でも里はわかるものだ」

これを聞いて周作は、
目の前ばかりを明るくしていると、遠くは見えなくなるものだということを教えられたということです。

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忙しいときにこそ、一度たいまつの火を消して、じっと遠くを見ることが大切なのかもしれません。

自分が目指すものがしっかりと見えれば、目先の問題は苦ではなくなるのでしょう。

今の忙しい日々を過ごす私に、今日の話は心に響きます。

今日もnoteを読んでいただき、ありがとうございます。

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