Base Ball Bearの武道館公演が楽しみすぎる話

10月31日月曜日、新代田FEVERにて行われたBase Ball Bearの武道館公演の前夜祭と銘打たれたFC限定ライブに足を運んだ。

ベボベを好きになったのは中学2年か3年のころ、新呼吸から二十九歳のあいだくらいの期間だったと思う。それから9年ほど、私の青春はベボベと共にあった。そんなベボベが来る2022年11月10日、結成20周年イヤーの締めくくりとして10年ぶり3度目の武道館公演を開催する。私は2度目の武道館公演の直後くらいからベボベを聞き始めたので、私にとっては初のベボベ武道館となる。というか実は日本武道館に足を踏み入れるのもこれが初めてだ。私にとって初の武道館がBase Ball Bearであることは非常に感慨深い。
というのも、私が初めてライブハウスに入ったのもベボベだったのだ。高校2年の春、地元のライブハウスへツアー「二十九歳+一」を観に行った。駅前の雑居ビルの地下一階、低い天井、薄暗い照明、500円のワンドリンク…。初めてのライブハウスの異世界的な雰囲気は高2の私にとっては刺激が強かった。そしてライブが始まってからは音の衝撃に圧倒された。デカすぎるスピーカーと腹に響く低音、ステージ上の演者が鳴らす音が直接オーディエンス1人1人に届く感覚。それに応える客席の一体感。ベボベのパフォーマンスも最高だったがそれ以上にライブハウスの良さに衝撃を受けていた。

あれから7年半。冴えない高2の少年は冴えない大学院修士2年の青年へと成長し、生活の拠点も長野から東京へと移っていた。新代田のライブハウスで行われるFC限定の前夜祭。キャパの小ささから落選者も多数いたようだが運よくチケットを手に入れることができた。ライブハウスに足を踏み入れるのは3年ぶりだった。2020年3月に開催予定だったBase Ball BearとKANA-BOONの対バンが中止となって以来、ライブハウスへの距離は社会的に遠ざかってしまっていた。久々のライブハウス、それも聖地下北沢の隣駅である新代田。初めてライブハウスに入った高2の頃の感情が鮮明に思い出された。あの地方のライブハウスとは比較できないほど、FEVERは綺麗で小洒落た風貌をしていた。しかし整理番号が呼ばれ検温を済ませ、ワンドリンク代を支払うと、もうそこはあの時のライブハウスと同じ空気だった。低い天井、少し機嫌の悪そうな店員さんがいるドリンクカウンター、デカいスピーカー…。開演待ちの時間から既に感慨深かった。

公演は2部制で、前半はFCラジオの公開収録、後半はライブという構成となっていた。ライブのセトリは武道館本番のプリプロ的な要素もありつつ、曲順や曲目はアレンジが効いているものとのことだった。ここ1年で徐々にオンサイトでライブに行くことができ、ベボベも中野サンプラザと日比谷野音に観に行っていた。どちらの公演も圧倒されたが、やはりライブハウスの至近距離で浴びる音は格別だった。私は楽器の演奏経験ゼロの全くのド素人なのだが、ベボベは本当に演奏力が年々伸びているバンドだと思う。ライブで観る度に「うっまぁ…」が更新されているのだ。MCでもここ最近はバンド史上いちばんしっかり練習していると話していたが、まさにその成果が如実に出ているのではないかとド素人なりに感じてしまった。最新曲「海になりたい part.3」も、結成20年を経てからこそ滲み出る「楽曲への真摯さ、伝えることのひたむきさ」を感じる最高の一曲であると改めて感じた。10曲、1時間程度と短時間ではあったが武道館公演が最高のものになることを確信させてくれるようなライブだった。

そんな武道館公演も4日後に迫っている。意識的に過去の曲から最新曲まで聞くようにしているが、「武道館でききたい」と思わせるような曲があまりにも多すぎる。どんなセトリになるか考えを巡らせつつ、結成20周年を盛大に祝う準備をすすめようと思う。

(ちなみに現時点での私的「演ってくれる確立低そうだけど武道館でききたい曲」ベスト3は、
・Henshin
・夜空1/2
・「それって、for 誰?」part.2
の3曲だ。)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?