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不思議RTAフェス振り返り(後編)

※この記事は全2回のうちの後編です。
2/29 と 3/1 に「不思議のダンジョンシリーズRTAフェス」(以下「不思議RTAフェス」)というオンラインRTAマラソンイベントを、TwitchのRTA in Japanチャンネルをお借りして開催しました。

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不思議RTAフェス振り返り(前編)
・不思議RTAフェス振り返り(後編)※この記事

走者決定~本番前日まで

採用作品決定が2月15日、本番はその2週間後。準備期間としては十分だったように思います。参加者の方からの本番用情報提供やテスト配信もスムーズに進み、本番用のレイアウトでリハーサルを行ったのが1週間前で、そこでほぼ本番配信の形と流れが固まりました。

今回使用したレイアウト画像の作成はもかさんに、イベント用NodeCGサーバの準備はyagamuuさんにそれぞれお願いしています。その両方が組み合わさったおかげで、初開催のオンラインRTAマラソンイベントでもスタイリッシュな配信を行うことが出来ました。

【NodeCGとは?】
"噛み砕くと Twitch、YouTube Live、ニコニコ生放送などのライブ配信で動的でリッチな見た目の画面表示を作るための大枠の仕組みを提供するフルスタックフレームワークです。"
(Hoishinさんの記事から引用)

"要するに、ライブ配信上のレイアウトを作成・操作・表示するための枠組みを提供してくれるのがこのNodeCGです。"
(Cmaさんの記事から引用)

【参考記事】
ライブ配信レイアウトを作るNode.jsのフレームワーク(Hoishinさんの記事)
https://qiita.com/Hoishin/items/36dcea6818b0aa9bf1cd

1から学ぶNodeCG#1:NodeCG導入編(Cmaさんの記事※最新版は下の記事)
https://qiita.com/cma2819/items/e775bd8aa2a2fa911d4c
https://zenn.dev/cma2819/articles/start-nodecg-01

RTA in JapanのNodeCGレイアウトを動かしてみる(ぱすたさんの記事)
https://qiita.com/pasta04/items/d676d9c2fb716176f665

不思議RTAフェスではこのようなNodeCGサーバがOBSの裏で動いていました。

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yagamuuさんには厳しい納期で丸投げしてしまい本当に申し訳なかったですが、ギリギリまで機能改良を進めてくれて本番では何不自由なく簡単操作で各レイアウト切り替えが可能になり、スムーズな進行に多大な貢献をしてくれました。

本番中

本番では開幕のトルネコ1から最後のトルネコ3まで、一度も予定スケジュールから遅れることなく進行できました。ただこれは実は当然でもあって、スケジュールを組んだ段階から(配信が止まるなどの)ゲーム外のトラブルがなければ巻き続けていく時間設定にしていたというのが大きな理由です。

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このように走者の方からはスケジュールに記載する予定タイムとは別に、想定クリア時間も先に伺っておくことで実際の進行の予想を立てやすくしていました。「予定タイム」は不運などで大ロスがかさんでも完走可能な時間に対して、「想定クリア時間」は平運で通せたときに最も出やすいタイムという意味です。

これによってタイムがブレやすいローグライクゲームのRTAイベントでも精度の高いスケジュール予測が可能になり、セットアップ時間の微調整のみで終始スケジュールより1時間前後早めで進めていくことができました。

ただ、それでも2日目のアスカストーリーRTA終了時に時間が巻きすぎてしまい、走者のひざがくさいさんに急遽お願いして余興RTAの表白蛇を走ってもらうことになりました。その説はこちらの無茶振りにも快く応えて頂き、本当にありがとうございました。

スケジュール進行については常に早め進行だったこともあり、「見たかった作品を見逃してしまった」という声も多く頂いているので、この点はもっと改善させる手を考えないといけないと思っています。

イベント中は幸いなことに配信自体も各参加者の方のRTAも安定してクリアを重ねつつ盛り上がり続け、自分自身配信を担当しながらも行われているRTAを楽しんで見る余裕すらあるくらいでした。

それもこれも運営メンバー5名はもちろん、ボランティアスタッフとして応募してくれたZillionさんping値さんLKさんファジーさんの4名が裏で運営メンバーと遜色ない働きをしてくれていたおかげです。少数体制なのに2日間の長丁場だったので大きな負担をかけてしまいましたが、献身的な仕事でイベントを支えてくれて本当にありがとうございました。

総括

結果的にイベント告知の際の自分のイメージよりも格段に素晴らしいイベントにすることが出来たと思います。1000人以上見てくれたらいいな、と思っていたものが常時2000人視聴、それどころか最大4000人を越えるとは本当に驚きでした。それだけの価値のあるエンタメを提供できたということでしょうし、このイベントを求めていた人が多かったんだと改めて感じさせられました。

どれも各走者の方が奮闘して面白いRTAを見せてくれていましたが、今回は特にレース系が盛り上がっていた印象があります。元々ローグライクRTAはレースが盛んということもあり、視聴側としても熱が入りやすかったのではないでしょうか。

また、解説者の方の解説の質が高かったのも快適に楽しむために重要な要素でした。ゲームの解説をしっかり行うだけでなく、場を楽しませるための軽快なトークのおかげでチャットもずっと和気藹々としていたと思います。

総じてイベントに携わった全ての人が各自のやるべきことをやり、協力しあえた成果が大成功に繋がったんだと思います。自分はイベントを企画するからには、関わる参加者・視聴者・裏方メンバー全ての人に「またこのイベントに出たい・見たい・関わりたい」と思ってもらえるイベントを作ることを常に目標にしています。それが達成できているかは自分からははっきり見えないものではありますが、そう思ってくれる人が多ければ多いほどいいなと願います。

不思議RTAフェスの今後について

閉幕挨拶でもお話したように、不思議RTAフェスはまた期間を空けて次回も開催したいと思っております。本家RTA in Japanも継続して行ってきたからこそ今の成長があるわけで、それに続けるようなイベントにしていきたいです。

初回は何もかも分からないことばかりなので企画者としては一番大変になると思っていましたが、完遂できたことで次回以降はさらに自信と余裕を持って開催できると思います。改善点はまだまだたくさんあるので不思議RTAフェスはもっと成長できます。

ローグライクゲームというジャンル自体の底もまだまだこんなものじゃありません。今回見られなかった作品のRTAを次回以降もっと見せられるようにしたいですし、それにはもっともっと多くの応募が必要になります。是非今回の不思議RTAフェスを見て、「次は自分も!」と思って次回参戦してもらえることを期待しています

また、RTA in Japanへのローグライクゲームの応募も、積極的に行う人が増えてくれるといいなということも個人的に期待しています。一発勝負のイベントに不向きなジャンルであると見られていましたが、見せ方次第で見栄えのある競技として成立するということは示せたと思います。是非勇気を持って1歩踏み出して、ローグライクゲームRTAの楽しさをより多くの人に広げてもらいたいです。

主催の自分としてもより良いイベントにするためにさらに技術を身に着けて次回に備えます。第1回が終わったばかりなので正式な告知はまだだいぶ先になると思いますが、次回告知はTwitterで行うことになるはずですので、是非イベント公式Twitterをフォローして楽しみに待っていて頂ければと思います。

最後に

多くの人に楽しんでもらえる新しいイベントを開催するという目的とは別に、裏の目的として「RTAマラソンイベントのノウハウを得て、今後同様のイベントを開催したい人のために共有する」ということを密かに狙っていました。

今回開催したことで十分なノウハウは得られたので、今後「オンラインRTAマラソンイベントの裏側」と題したレクチャー記事を書いていきたいと思っています。

RTA in Japanが非常に巨大かつ応募競争率が激しいイベントに成長した今、そこから漏れてしまいやすいタイトル・ジャンルの受け皿となるイベントの需要が更に高まると予想しています。

そんなイベントを開催したいと考えていても、まずどういう準備をすればいいのか中々イメージがつかないという人は潜在的にいるはずなので、そういう人のために参考になる情報をまとめていきたいと思います。だいぶ長い記事になってしまうと思いますが、気長に更新を待っていてもらえるとありがたいです。

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