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ep25.ぶりっ子


麻奈の代名詞と言えば「ぶりっ子」。それを確立したのは『恋のカラ回り』という素人女性がメインのトーク番組。麻奈がこの番組で話したことにより、1年後に麻莉も出演することになる。この番組のおかげで姉妹の知名度は爆上がりした。

オーディションなどをして素人と謳ってはいたものの、その大半はタレント事務所などに所属している女性であった。麻奈も事務所に所属してモデル活動などをしていたから、完全な素人とは言えない。

麻奈はこの番組に出演する経緯について、「他大学の学園祭でスカウトされた」と語っているが、それは真っ赤な嘘だ。単純に所属事務所からの推薦でオーディションしている。

この番組では秋田県出身となっていたはずなのに、就職してからのプロフィールでは東京都となっていた。イメージのために嘘ついたか、周囲の人に嘘をついて引くに引けなくなったか。

確かに秋田県の記憶はあまりないだろうし、最も長く住んでいるのが東京都だから完全な嘘とは言えない。しかし麻奈のしたたかさが発露するのは、秋田県のPR大使の仕事をするとなったときには、ハッキリと「秋田県出身です♡」と言ってしまえるところだ。ついこの間まで「東京都出身です♡」と語っていたことは、すっかりなかったことになっている。

父親の職業について麻莉は「銀行員」と言っているのに、麻奈は同じ時期に「銀行役員」と言っている。麻奈の嘘の傾向がお分かりだろうか。完全な嘘はつかないものの、イメージのために盛大に"盛る"傾向がある。

嘘にしてもリアクションにしても大げさに盛ってしまう。麻莉という大輪の華が常に傍らに存在しているから、そうでもしないと自分に注目が集まらない。その上、大げさなリアクションは周囲の大人が喜ぶ。大げさに盛るのも八方美人となるのもつまりは、麻奈が身につけた処世術なのだろう。

かくして麻奈はぶりっ子の代名詞として、番組内で人気を獲得していく。司会者に媚びを売っている姿もしっかりと映像に残っている。当時のスタッフや出演者の言説によると、みんなから相当に嫌われてたらしいことが伺い知れる。そりゃそうだろう、むべなるかな。

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