ep2.父親
これは日本一有名な元美人アナウンサーが日本一嫌われる女となり、霊感商法をするにまで堕ちた人生の軌跡である。
容姿端麗、文武両道、親ガチャ大当たり、高学歴で高収入、、、人が羨む恵まれた人生。天に二物も三物も与えられた有名人が、どのように転落していったのか。いったい何があったのか。ターニングポイントはどこにあるのか。
彼女がどういう人物で、どういう人生を歩み、どんな人と付き合い、どんなとき何を感じたのか。なぜ世間をザワつかせる動画を公開するに至ったのか。拙文に許しを得ながら、詳らかにしていきたい。
1979年、仲林麻奈は秋田県で生まれた。銀行員の父、専業主婦の母、祖父が地元の名士という家柄で裕福な家庭であった。
1982年、麻奈に妹ができ、麻莉と名付けられた。歳の近い妹の存在は、麻奈の人生を紐解くにおいて最も大事なキーパーソン。誰もが羨む人生から触れることすら憚られるイタいオバサンへと変貌した、彼女の転落の主因と言えないこともない。
姉の後を追いメディアの世界に飛び込む妹は、姉に負けず劣らずの知名度を誇った。後に日本中の誰もが知ることになるこの姉妹は、優しい両親の元でなに不自由なく育った。
仲林麻奈・仲林麻莉。
女の子の名前としては可愛くない上に、何やら堅苦しい印象を与える。「林」の文字が並んでいることに違和感があるが、これにはもちろん理由がある。
父親に兄弟はいない。
もし男の子が産まれなかったら、仲林の姓は途絶えてしまう。憂いた父親は「林」の入った「麻」の文字を娘に授け、仲林家の誇りを託した。今日ではあまり聞かない、名士の家柄らしい古風なエピソードだ。
麻莉が産まれ、父親はとても喜んだ。本当は男の子を願っていたことを胸の内にしまい、2人の可愛らしい娘を溺愛した。
真面目、律儀、几帳面。酒もタバコも飲まず、ゴルフもやらない。趣味と言えばたまに行くテニスくらいで、共通の趣味を持つ母親との出会いもテニス。日曜日には家族に料理を振る舞うこともあった。理想的な父親。
背の高いイケメンのパパ。姉妹も父親が大好きで、尊敬もしていた。後に成人した麻奈が20歳以上も歳の離れた男性と蜜月をスクープされたのは、もしかすると父性を求めていたのかもしれない。不倫相手と父親はともに頭が良く、出で立ちや雰囲気がどこか似通う。
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