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【初心者用】過去から学ぶ。米国利上げと株価。恩恵を受ける業種も公開。

この記事では、過去の利上げから相場がどう動いたのか?
メリット・デメリットのある業種から投資のヒントを探っていこうと思う。

今年11月。

米国は現在行っている国債の購入を150億ドルずつ減らしていく。
いよいよ、テーパリングが始まり、次の利上げに関心が寄せられる。

まずはテーパリングや米国の政策を知らない人ように、今までの状況をザックリ説明しておく。

■テーパリングとは?
金融緩和(金利を下げたり、国債などの資産購入で経済を支えている政策)を縮小して出口戦略の一つ。

今回は「米国債」と「住宅ローン証券を」月に1200億ドル購入しており、それを月に150億ドルずつ減らすのである。

利上げをすると株は下がるの?
どんな業種が恩恵を受けるの?

こんな疑問を解決していきます。

米国の利上げ時期は、早くて22年7月!長期金利の上昇は株安になる?

ここでは、米国金利の見通しと株価への影響を説明していきます。

まず市場の米国利上げの見通しですが、早ければ「来年7月」に利上げを開始するかもしれません。

根拠は、現在の資産購入額1200億ドルと11月から縮小する150億ドルを割ると来年6 月に資産購入額がゼロになるからです。

量的緩和縮小(テーパリング)が終われば、いよいよその次は利上げをするタイミングになってきます。

※因みに22年度の利上げ回数の見通しは「2〜3回」が最も多いです。

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この利上げの見通しが強まると、何が起こると思いますか?
答えは「長期金利の上昇」です。

長期金利が上昇すると基本的には下記のような流れが一般的に連想されるため株価は下がりやすいと言われています。

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12月のFOMC後に、この利上げ予想(ドットチャート)が発表されるので要注目です。

利上げ後の株価は「勝率78%」。

1980年以降で利上げ局面は全部で18回ありました。
この内「上昇が14回」で「下落は4回」で勝率はなんと78%。

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勝率こそ高いのですが、油断は禁物。

今回の利下げ局面で「上がった・下がった業種」があったように、利上げ局面でも業種により恩恵が異なります。

利上げが業種にどのような影響が出てくるか見ていきましょう。

暗雲のテック株。銀行株に恩恵

今回の米国株高を主導したテック株。利上げ局面ではテック株が売られやすくなるかもしれません。

■米国の主要テック株
・アップル
・アマゾン
・ネットフリックス
・フェイスブック
・アルファベット(google)

テック株は将来の成長性を株価に織り込みやすいため、PERが高くなる傾向があります。

※PERとは一株あたりの利益(EPS)に対して株価が何倍になっているかを示し、「割安」か「割高」かを図る物差しのような物です。

PERを見るときの注意点などは【初心者おすすめ】3分で読めるPERの使い方♡20を読んでください。

なぜPERが高いテック株は金利上昇で下がりやすいのか?
それは理論株価が見直されるからである。

これは割引率が上がることが影響しているからなのですが、ここでは単純に割引率が上がる=株価の下押し圧力になると解釈しておけばOKです。

(割引率を理論株価の計算方法は話が難しくなりそうなので割愛します)

銀行株は「利ざや」拡大で業績に恩恵

テック株のように、悪影響を受けるだけではありません。恩恵を受ける会社もあります。

代表的な業種だと「銀行株」が該当します。
金利には「短期金利」と「長期金利」があり、この「利ざや」によって業績が拡大していきます。

長期金利は将来の利上げまで折り込む一方で、短期金利は政策きんりとほぼ連動します。

この結果、長期と短期の金利に差が開きます。

短期で資金調達して長期で貸す銀行は「利ざや」が広がり業績が上がる=株価が上るといった恩恵を受ける可能性が高いのです。

銀行以外で恩恵を受ける業種は?

利上げ=景気が好調ということでもあるので、景気敏感株が上昇しやすいと言われています。

景気敏感株だと「自動車」や「素材」がこれに当てはまります。

それと米国利上げ、日本マイナス金利という状況を踏まえると、円安方向に進みやすいため「輸出関連」も恩恵を受けそうです。

輸出関連だと「電機」や「自動車」が恩恵が大きそうです。
逆に化学などの「輸入企業」は業績が悪化する原因になりそう。

ここで大切なのは「想定為替レート」に注目しましょう。

企業は業績の見通しに「想定為替レート」を発表しています。輸出関連株はこの為替レートよりも円安が進むと業績が予想以上に良くなります。

※企業により、想定レートと為替感応度(業績に与えるインパクト)は違うためよく確認する必要がありますが

最後に「主要輸出企業の為替感応度」を参考までに載せておきます。

為替感応度とは、1円の円安(対ドル・ユーロ)が進むと営業利益がどの程度増額するのかを表した物です。円高の場合は逆に減額となります。

■為替感応度(ドル/ユーロ)※単位は億円
・トヨタ自動車 400億/60億
・ホンダ 120/50
・日立 15/5
・三菱電機 18/12
・三菱重工 29/3

利上げの影響と為替感応度のことはご存知でしたか?
知らなかった方は是非いいね👍よろしくお願いします😊

免責事項:当記事は執筆者独自の視点で状況について記載しています。筆者の考えや行動を記載したものであり、今後の株式市況または仮想通貨・FX等の動向に関する判断の提供を目的としたものではありません。また、情報の正確性、信頼性、完全性を保証するものでもありません。当記事に記載している情報によって生じたいかなる損害についても本情報提供者は一切の責任を負いません。お取引に関してはご自身の判断で行っていただきますよう、よろしくお願いいたします。



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