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シャルル・ケクラン ピアノのための5つのソナチネ 作品59

「シャルル・ケクラン ピアノのための5つのソナチネ 作品59」

シャルル・ケクランさんの、「ピアノのための5つのソナチネ 作品59」を弾いた。

この曲集に収められた曲は、1915年から1916年にかけて作曲された。

ケクランさんは1867年のお生まれなので、作曲したときの年齢は48歳〜49歳。おそらく、もっとも勢いのあるだっただろうと思う。

5つのソナチネはぜんぶで19曲。この19曲の中に、1曲だけある「Sicilienne」が、興味深かった。

というのは、ケクランさんは、フォーレさんに師事していて、フォーレさんの作品80の「ペレアスとメリザンド」の「Sicilienne」の編曲をしているからだ。

ケクランさんの「Sicilienne」は、冒頭から、フォーレさんの同曲を彷彿とさせるアルペジオで開始される。

ケクランさんの記譜の個性として、分子の大きな拍子を使う、ということがある。4分の30拍子とか。それは、もはや拍子ではない。

拍子は一般には、拍頭、つまり、小節の最初の音を強く弾く。これが30拍子とかになると、「拍頭を強く」ということはありえなくなるわけだ。2段、3段、と、小節線のない小節が続く。この、小節線のない記譜が、実に難しい。

20世紀初頭の音は、やはり、いろいろ難しくて、ただ、ぽーん、と鳴らすと、不協な音が混じっていて、ぎょっ、とすることがある。そういう音をどう鳴らすか、ということに、やはり、苦労した。

今回も、例によって、聴いたことのない曲の、初見の初弾だが、どれくらい弾けているだろう?。

1915年の作曲ともなると、20世紀の新しい、近代的なピアノのために書かれているので、きらきらした音や、余韻の長い音をうまく使っている、と言える。ベーゼンドルファーが美しく鳴ってくれるので、ごまかせているだけ、というところかもしれない。

「シャルル・ケクラン ピアノのための5つのソナチネ 作品59」

https://youtu.be/6xScPQHEyKQ

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