20)『君の可能性』斎藤喜博
ちくま少年図書館というシリーズがあった。
ささやかな市立図書館の児童書コーナーに揃っていて、中高生だった私はわりと好んで手に取った。例によって、きっちり読み切ったものは多くはない。それでも何度となく手にとってあちこち開いているのだからそこそこ読んでいる。特に気になるタイトルが何冊かあった。一つ一つのエピソードを覚えていないけれど、なんとなく自分の考えのよりどころになっていると思っていた。
たまたま、その本を見つけた。
公共施設で、いかにも近所の家に埋もれていた本を持ち寄ったと思われるコーナーで立ち止まったら、懐かしいハードカバーのこの本が置かれていた。今の高齢者さんたちの息子や娘が読んでいた本だろうか、ちょうど私が親元にいた時期のものが並んでいる。
ちょっと手にとって開いてみたら、意外と記憶に残っている。ああ、そうだった、自分で考えたと思っていたことが、ここから入ってきていたのかもしれない、と思い出した。そして、自分がその後いろんな経験を重ねながら考えてきた土台が、やはり10代でかなり作られていたのだと改めて思った。
また行くから、あらためて読んでみよう。
2019/07/23
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