見出し画像

先斗町禊川 〜大人の京都〜

京都でまた一つ、忘れられない名店を訪問した。
「先斗町禊川」(ぽんとちょう・みそぎがわ)というお店だ。
禊川(みそぎがわ)は「みそそぎがわ」とも呼び、先斗町と鴨川の間を、鴨川と並行して流れる人口の水路である。5月から始まった川床は、禊川の上に川床を建てている。

「先斗町禊川」は1981年開店。お茶屋を改装した由緒ある店構え。たしか以前は「一見さんお断り」ではなかったかな。

カウンターも趣がある。先斗町の芸妓、舞妓の名入りの団扇が壁にずらり。
井上オーナーシェフや、ベテランの支配人をはじめとするサービスパーソンのきびきびとした動き、当意即妙な会話も印象的。

まずはシャンパーニュで乾杯。シャンパーニュもオーナーシェフが直接フランスで買い付けたものとのこと。
ミィゾン・ブーシュという突き出しの盛り合わせから見事。
玉ねぎのムース、サーモンのムースのスモークサーモン巻き、ケークサレ、和牛のリエット、プチトマトのチーズ射込み。すべてが穏やかだけど丁寧に作られている。

続いては、賀茂茄子に賀茂茄子のムースを射込み、海老とキャビアを添えた冷たい前菜。
賀茂茄子だけ食べてみる。さっぱりと素材の味わいを堪能。
賀茂茄子に、海老とキャビアとアーモンドのソースを添えて頂くと、それぞれの旨さが渾然一体となって、さっぱりした中に複雑な旨みが。しっかり計算された一皿だなあ。

次のメニューは「フォアグラのフランを黒トリュフのソースで」
美味しさに思わず涙を流してしまったお料理。人生で二度目の経験である。
フォアグラのフランのとろける旨みと、トリュフのソースのエッジの効いた風味とのアンサンブル。たまらん。シャンパーニュが進む。

メインディッシュは「特選黒毛和牛フィレ肉の芯のステーキ」
フィレ肉の芯、いわゆるシャトーブリアンである。
ソースは、開業当時から継ぎ足させてのドミグラスソース。これが全くしつこくない。さっぱり。
付け合わせも伝統的な調理で、手が込んでいる。
牛フィレ肉のステーキって、ステーキ屋さんでなくフランス料理店では定番すぎて滅多に頼むことはないけど、こちらのステーキはやわらかくて本当に美味しい。
こちらもオーナーシェフ買い付けのブルゴーニュの赤ワインと共に、味わい尽くした。

デセールはキャラメルのムース。
古き良き手の込んだデセール。結構しっかりした甘さだけど、めちゃめちゃ説得力がある。旨い。

最後はコーヒーと小菓子で大団円。メゾン・ドゥ・イッテーのチョコレートはさすがの美味。

大人の京都人に愛されてきたフランス会席。
ガツンとした旨さ爆発というより、京都の食文化の奥行きを感じさせる、あっさり、しみじみとした味わいが印象的だった。
その一端を垣間見ただけの一夜だったが、その魅力に魅入られてしまった。

お土産にオランジェットを購入。
こちらも旨い!
俳優M・Kが「世界一のオランジェット」というだけのことがある味わい。
うん。また行こう!

#先斗町禊川
#フランス会席
#ふらんす割烹和心
#メゾンドイッテー
#オランジェット

サポートエリアは現在未設定です。サポートしたいお気持ちの方は、代わりにこの記事へのコメントを頂ければ嬉しいです。