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ベージュ アラン・デュカス東京 〜ヘルシー指向のフランス料理〜

分不相応にも、グランドメゾンといえるフランス料理店「ベージュ アラン・デュカス東京」を訪問。
場所は銀座のシャネルビルの最上階。ロブションと並ぶスターシェフであるアラン・デュカスと、シャネルがコラボしたレストランです。
スタッフに誘われたダイニングルームのテーブルは、予習で見たYouTubeで、神田うのがいた場所でした。
それはともかく、テーブルについてしばらくすると、グラスシャンパーニュ(ペリエジュエ)と突き出しが差し出されます。
突き出しは、ジャガイモをベースにしたピザ生地のようなものを焼き、マリネしたマグロやイワシを差し込んだもの。
下に敷いてある石はただの飾りではなく焼き石で、アツアツです。

しばらくするとワゴンが。ワゴンには自家製パンが載せられています。スタッフが丁寧に切り分け、パン皿の上に。
「まずはバターを付けずに一口味わってみて下さい」
米粉、蕎麦、雑穀のパン。香ばしくて美味。一口どころか、全くバターを付けずに食べ切ってしまいました。
他にも二種類パンが運ばれましたが、いずれも美味。ブルターニュのバターも美味。パンの食べ過ぎに注意です。。

シャンパーニュに続いては、日本酒を。
「アラン・デュカス スパークリング サケ」
アラン・デュカス・パリのシェフソムリエのディレクションにより、デュカスのフランス料理と合う日本酒が醸されたとのこと。

アミューズ(①鎌倉野菜の煮込み、ほぐした蟹の身添え ②人参のピューレとリンゴのアイス)との相性が抜群。
桜の樽で熟成し、瓶内二次発酵を経てフルーティーな香り高い発泡した日本酒。そんな日本酒の風味が、鎌倉野菜の持ち味を活かしたアミューズに寄り添い、包み込みます。
これがマリアージュだ!
思わず叫び、ソムリエールに感激を伝えました。

グラスの日本酒を半分残し、頂いた前菜。
「伊勢海老とウニ、ポワローのグリエ、ビスク」

伊勢海老を一口味わうと、香ばしい香りが。
「メニューにグリエとあるが、炭火で炙ったのか?」
スタッフに尋ねると、備長炭で炙ったとのこと。
伊勢海老もウニも新鮮。ポワローにも香ばしい焼き目が。
ビスクはあっさりした風味。魚介類の旨味だけがほのかに香ります。
通常味わうビスクのような、コクのある旨味を想像すると、面食らってしまうかも知れません。
バターやクリームを控え、炭火焼など和の技法を感じた、新感覚のビスクでした。

言うまでもなく、伊勢海老やウニ、ビスクと、日本酒が合わないわけがありません。

メインディッシュは、僕と同行者で注文が分かれました。
僕の注文は「蝦夷鹿とフォワグラ 根セロリとリンゴ、ソースポワブラード」
蝦夷鹿とフォワグラはポワロで巻いてありました。蝦夷鹿もフォワグラも繊細な火入れ。素材も癖がなく美味。
スタッフと会話すると「アラン・デュカスは癖のないジビエが好きなので」とのこと。
ソースはソースポワブラード。ソースポワブラードとは、ジビエの骨やクズ肉で取った出汁に、赤ワインや胡椒を加えた、ジビエ料理の古典的ソース。
ソースにはベリー系の果物のニュアンスもあり、蝦夷鹿やフォワグラとの相性も良かったです。
ソムリエールに勧められたマルサネ(F・シャルロパン)も、鹿肉を上手に引き立ててくれました。

同行者が注文したのは「熊本県産赤牛 ビーツとクルジュ ブルーベリー」
こちらは伊勢海老と同様、炭火焼で。肉が柔らかく、ブルーベリーのニュアンスも箸休めとなり、とても美味しかったそうです。

デザートの前のアバンデセールは、小さく刻んだ梨とアイスクリーム。
こちらも目の前でのワゴンサービスです。
爽やかな口当たりが、口を爽やかにしてくれます。

同行者のデザートは「ル・ショコラ・アラン・デュカスのカメリア」

僕は「ババ・モンテカルロ風」
アラン・デュカスのフラッグシップレストランであるモンテカルロの「ルイ・キャーンズ・オテル・ド・パリ」のスペシャリテ。
サバランのようにラム酒をしみこませるお菓子で、四種のラムから好みのお酒を選ぶことが出来ます。ラム酒とホイップクリームのバランスが素晴らしかった。

食後のドリンクは別料金😱
ワインもかなり高いし、正直コストパフォーマンスは悪いです。グランドメゾンなので、その辺は仕方なしですかね💦

同行者は紅茶。僕はハーブティー。
ハーブティーは、ワゴンサービスで運んできた生ハーブを、その場で収穫して淹れてくれます。
(ハーブはビルの屋上で栽培しているとのこと)
食事の最後まで、念の入ったサービスに唸らされました。

僕には身分不相応で、折に触れて行けるようなお店ではありません。ただし、何かの記念日などイベントで訪問するには最適のお店ですね。
料理は正統派のフランス料理とは異なり、野菜中心のヘルシー指向。アラン・デュカスは、日本料理の野菜の活かし方に影響を受け、かつて精進料理人の棚橋俊夫氏をフランスに招き、数ヶ月に渡って指導を受けたといいます。

総じていえば、味、雰囲気、サービスの三重奏が、大切な時間に、あなたと同行者を引き立ててくれると思います。
ご興味がある方は、ドキュメンタリー映画『アラン・デュカス 宮廷のレストラン』(2017)の視聴を推奨します。アラン・デュカスを2年に渡り取材したドキュメンタリーで、作中「ベージュ アラン・デュカス東京」も登場します。

#ベージュアランデュカス東京

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