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20歳の自分に受けさせたい文章講義#10

今回は起転承結と読者は素人について紹介します。

①要約

(ア)起転承結
 いつかの回でストーリー仕立ての文章では、起承転結は効果を発揮するが、ビジネスなどの文章はで話の展開が変わってしまい、論理的な文章ではなくなってしまうため、起承転結は効果を発揮しないと述べたと思う。
 だが、起転承結であれば、論理的な文章になってくる。具体的に見てみよう。

①起・・・今全世界的に温室効果ガスの削減問題が議論されている
②転・・・しかし、地球温暖化現象は本当に温室効果ガスによるものなのか
③承・・・(その疑問を抱いた理由、客観的事実など)
④結・・・よって、温室効果ガス削減の議論はかなり根拠に乏しいものと考えられる


こうした文章にしてみると、論理的な文章になっている。
起承転結の場合、後半に話の展開が変わるため、混乱するのであって、冒頭近くに持ってくることで、混乱もない。むしろ一般論が否定されて、「どんな議論が展開されるんだ」という興味を引くことができる。
 また、で仮説を用いて、一緒に検証していく展開に持って行った方がより、興味を引くやすくなってくる。
 だが、起転承結を成立させるには、よりも大事なことがある。それは冒頭に真逆の一般論を加えるということだ。以下の例で見てみよう。

(1)
①起・・・甘いものはダイエットの大敵だと言われている
②転・・・しかし、食べたくなったらケーキやドーナツを食べてもいい
③承・・・(食べてもいい理由、客観的事実など)
④結・・・我慢ばかりのダイエットでは長続きしない
(2)
①起・・・疲れたら甘いものが欲しくなる
②承・・・だから、食べたくなったらケーキやドーナツを食べてもいい
③承・・・(食べてもいい理由、客観的事実など)
④結・・・我慢ばかりのダイエットでは長続きしない

(1)の文章ではの部分で、とは真逆の一般論を持ってきているので、次がとして展開されているが、(2)ではの部分を受け継いだの文章になってしまっている。
 つまり、起転承結を成立させるには、冒頭に自らの主張と真逆の一般論を持ってくることが必要である。

(イ)読者は素人
 読者が素人というのは失礼かもしれないが、事実である。では、どの部分に対して素人なのか。それは書き手の主張に対してである。書き手の主張を正確に知っているのは書き手自身だけであり、すべての読者はそのことについて素人になってくる。
 なので、何も知らない人に向けて書く場合は、主張、理由、事実の構成だけでな、寄り道をした方がいい。でないと、面白みがない。
 どういった寄り道をするのかは、具体的には、自分がその主張にたどり着くまでのいろんな困難を記せばよい。その困難は自分にとっては不必要と思うかもしれないが、読者にとっては書き手の主張の大事な検証作業になる。

②感想
 ビジネスなどの文章では、起承転結は効果がないとインプットしていたが、起転承結とすれば、より面白い文章になり、読者を議論のテーブルにあげることができると感じた。これは文章に限らず、多くの物事でも視点を変えれば、まったく別のものになって効果を発揮するとを思うので、多角的な視点を養いたい。
 また、読者はあくまで素人については前々から感じていたことであり、メールを書く際にも、意識しながら書いていたので、今後も継続していきたい。



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