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サッカー戦術(ストーミング)    ~Liverpool~

①ストーミングについて

 ストーミングとは、縦に早い攻撃とトランジションの速さ、セカンドボールを取りに行くインテンシティの高さを武器にした戦術。奪ってショートカウンターを行い、相手の守備が整わないうちに攻撃をしようとするのが目的であり、この戦術主に用いているチームはクロップ監督のLiverpoolやナーゲルスマン監督のライプツヒィが代表的である。

②Liverpool(18-19シーズン)

(1)3トップの外切りプレス

 Liverpoolのフォーメーションは4-4-3で、このフォーメーションの場合、インサイドMFの外が開く。空いているエリアには相手SBが入り込むため、ケアをする必要がある。ケアの方法として、前線の3選手が外へのパスコースを切るようにし、中央へのパスに限定させる。そして、中央にパスが入った瞬間、インテンシティが高い中央の選手が果敢に奪いに行く。要は相手チームが中央に行くように仕向けた罠ということになる。

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*人の動き→ ボールの動き⇢

(2)ビルドアップ

 Liverpoolの攻撃の形は、奪ってショートカウンターが多いが、それだけではない。課題であった引いて守る相手については、ビルドアップを駆使し、遅攻を行っている。
 ナビ・ケイタがサイドに開くことで、空いたスペースにアレクサンダー・アーノルドが走りこむ。ポジションチェンジによって相手守備陣のマークをかく乱し、マークが外れたナビ・ケイタがファン・ダイクからボールをもらう。

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(3)まとめ

 あくまで18-19シーズンのLiverpoolのスタイルは、奪ってショートカウンターが基本だが、引いた相手にはポゼッションを行う。しかし、ポジショナルプレーを目的とするのではなく、ボールを保持し相手守備陣がラインを上げるのを伺う。ラインをあげると後方にスペースが空くので、相手スペースにボールを放り込み、得意の形で攻める。             
 Liverpoolのボール保持は、相手守備陣を押し上げる陽動作戦。

③Liverpool(19-20シーズン)

(1)ポゼッション→ロングキック

 シーズンが変わっても、基本的に戦い方は変わらない。引いた相手にはボール保持し、相手をつり出してロングキック。Liverpoolの守備陣は正確なロングキックを蹴れる選手が多いので、有効な攻撃パターンとなっている。

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(2)3段階の撤退モード

 Liverpoolといえど、90分間ハイプレスをするわけでない。相手の戦い方に合わせて、大きく3段階の撤退モードが存在する。

①モード1

 モード1のフォーメーションは4-4-3。ほぼハイプレスと変わらない。

②モード2

 守備力の高いマネを1列後方に下げ、4-4-2。

③モード3

 フィルミーノを下げ、4-5-1。ただし、スピードのあるサラーは前線に残る。

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(3)まとめ

 基本的な攻撃・守備の仕方は18-19シーズンと変わらない。しかし、時にはポゼッションやリトリートを行って、選手を休ませている。上記①で述べたように、ストーミングは攻守の切り替えの早さやインテンシティの高さが武器になる。そのためには体力がものを言うため、Liverpoolの選手といえど、休まなければ90分間インテンシティの高さの継続は出来ない。
 あくまで、Liverpoolのポゼッションやリトリートはストーミングを行うための手段と私は捉えている。

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