見出し画像

20歳の自分に受けさせたい文章講義#14

今回は「ぐるぐる」の可視化と推敲(編集)の方法について紹介します。

①要約

(ア)「ぐるぐる」の可視化
 頭の中に考え(ぐるぐる)が飛び交っている状態なら、無理やり可視化させて、具体的に書かないものを探せばいい。やり方としては以下になる。

①10個書き出してみて、それを眺める。
②内容以外のことで書きだす。

①10個とりあえず書き出すことで、何となく書き出した内容が偏っていることがわかるはずだ。

テレビ番組の場合
①つまらない。
②下品なバラエティ番組ばかり。
③歌番組が減っている。
④プロ野球中継も減っている。
⑤たまに見るNHKのドキュメンタリーは面白い。

一見ばらばらな意見のようだが、番組内容中心になっていることがわかるだろう。これでは少しもったいないので、②に移る。ここでは番組内容以外のものを書きだしてみる。そうすることで、偏りがある内容のキーワードとそれ以外の内容のキーワードが、元ネタになる。
 これは面倒な作業だが、偏りのある文章より、広範な文章の方が伸びしろがあることに間違いはない。広範な文章を書いていくには、自分の文章を疑っていくしかない。疑いの網を何重にもかけていくことで、ようやく書くべきものが見えてくる。

(イ)推敲(編集)の仕方
 まず、推敲にとって最大の禁句はもったいないである。読者は著者が書いた時間や文章の量で評価するのではなく、あくまで内容の面白さ、読みやすさなどで評価する。なので、読みにくいのであれば、容赦なく文章を切る必要がある。文章を切る理由としては以下の3つになる。

①冗長さを避けてリズムを良くする。
②意味を通りやすくする。
③読者の不安を和らげる。


 ①だらだらと書く文章は、冗長になりやすい。読点が3、4つ入る文章であれば、短い文章にして、リズムを出した方がいい。
 ②まずは、以下の例文を見てほしい。

例文1
大急ぎで支度をしたが、間に合わなかった
大急ぎで支度をしたが、なんとか間に合った

どちらも意味は通るが、なんとなく違和感を感じるのでなかろうか。では、次に少し言葉を変えたもの見てほしい。

例文2
大急ぎで支度をした。けれど、間に合わなかった。
大急ぎで支度をした。おかげで、なんとか間に合った。

こちらの方がよっぽど意味が伝わりやすいはずだ。文章の細切れが気になるなら、以下のようにしてもいい。

例文3
大急ぎで支度をしたのに、間に合わなかった。
大急ぎで支度をしたので、なんとか間に合った。

 もし、あなたが接続詞「が」を多用しているなら、別の言葉に変えれないか考える必要がある。
 ③日本語で長文を書いてしまうと、日本語の特徴上、結論が最後にくることが多い。そうすると、今何の話をしているのか、何を言いたかったのかわからなくなってしまう。一方で、英語だと結論が最初に来るので、文章の核を頭に入れながら読み進めることができる。
 日本語でかつ日常文なら、不必要な長文は避け、短く切ることとオススメする。

②感想
 紙に書きだす手法は以前から行っていたが、内容以外のものを書きだすまではしていなかった。もちろんめんどくさい作業だと思う。しかし細部までこだわり続けて初めて、読者の椅子に座ることができるという意識を忘れないようにしたい。
 また、長文にならないように①読点の数②接続詞「が」の数に気を付けながら、文章を書いていく。あくまで、文書の読みやすさが評価されることを念頭におかなければならない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?