読書記憶12「恋愛中毒」
え!
もう8月ですか…ビックリするほど速い時の流れ…
仕事は、ようやく少し慣れてきたと言ったところでしょうか。人事とは難しく面白いとつくづく。流れに身を任せていたらいつのまにかここに辿り着いたようでいて、はじめからこうなるようだった気もするしっくり感もあり、人生とは不思議だなぁと。
そんなこんなで、今日はこちら。
あらすじ
もう神様にお願いするのはやめよう。
――どうか、どうか、私。
これから先の人生、他人を愛しすぎないように。
他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。
哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。
彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。
人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。
世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。
吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作
わかるわかる!
とは、ならないかも知れません。
特に、幸せな恋をしてる人には、恋愛を理性を持って制することができる人には。
しかし、私は「わかるわ〜」と、溜息と一緒に共感してしまいました。
恋は盲目とはよく言ったもので、
一歩離れればよく分かることも、渦中の人には分からないもの、
または、分かってはいるけど、「今度こそは…」と思って止められないものです。
主人公の水無月がまさにそれで、きっと分かってはいる、気づいてもいる、でもどうしようもないんだと思います。
萩原に対しても元夫に対しても、そして創路先生に対しても。
やろうと思って、壊そうと思ってしたことではない。
全てを失う覚悟があったとかそういうのではなく、ただただどうしようもない。
それは、もはやその感情への執着。
私が共感した部分はまさにそこで、
「分かってるのに…」なところ。
分かってる。
客観的にみたらおかしいよね。
分かってる。
いつもこのパターンで失敗してるよね。
分かってる。
本当に、どうしようもない、バカでダメな男だってこと。
これがもはや恋愛なのかどうかだけが、分からない。
そんな気持ちを思い出させてくれた一冊でした。
ponta
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