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【ポケモンSV】構築は2-2-1-1で組め!ー構築組み方論【シングル】

はじめましての方ははじめまして。そうでない方はお世話になっております。スミスです。
今回は自分の構築の組み方を書いてみようと思います。
前期はじめて最終3桁を取った程度で誇るほどの実績があるわけではありませんが、自分の今まで上手く組めたと思う構築に共通点があると気付いたので、それを残しておきたいと思い、書くことにしました。
あとは、現在のポケモン界隈では、構築記事や「このポケモンが強い」という情報は溢れているものの、構築の組み方や立ち回りといった「対戦のエッセンス」的な情報は少ないと感じているため、この記事をキッカケにそういう内容が増えたらいいなという願望も少し。あくまで自分の構築の組み方の話なので「自分はこうしてるよ」といったコメントなどは大歓迎です。
以下の記述では略称を使う場合があります、また構築の採用順にポケモンをA,B,C,D,E,Fと表記します。ご了承ください。

※自分の実力的に、この方法によって「なかなか順位4桁の壁を破れない」「4桁までは行くが順位3桁が遠い」というくらいの方が、シーズン中に何度か3桁チャレンジに手が届き、最終日付近の調子次第で最終順位3桁を狙えるようにレベルアップするヒントは書けたと自負しています。それ以上を目指す方法はどなたか解説してくれると幸いです。
※想像以上に長文記事になってしまいました。詳細はそんなに興味なくて、結論だけ知りたいという方は7のまとめ、までスクロールしてください。

1、用意するもの

・ダメージ計算アプリ→ポケモンの型の調整をします
・ロトポータル→流行りの型を調べたり自分の構築のヒントを探します
・ポケモンバトルデータベース(ポケモンホーム)→上位ポケモンの流行を調べます
・バトメモ(アプリ)→選出や勝敗を見直してパーティを改良します

2、概要

私の構築の組み方は、軸2体(AB)→取り巻き2体(CD)→補完1体(E)→遊撃1体(F)の順で組む、です。軸、取り巻き、補完、遊撃、それぞれに役割を決めて、その役割を満たすポケモンを組み込んで構築を組みます。
タイトルの「2-2-1-1で構築を組め!」はここから取りました。
また、最初の4匹の段階で環境に多いポケモンの7ー8割に勝てるように心がけています。
これから紹介する方法で構築を組むと、最初に選んだポケモンを活躍させる対面寄りの構築になります。好きなポケモンを活躍させたい、対面構築が好き、という方におすすめかと思います。また、採用順ごとに役割を決めていくため、パーティがうまく噛み合わない時に、課題がわかりやすいというメリットがあります。
逆にサイクルや展開系の構築が好きな方には少し合わない方法かもしれません。そういう方はぜひどんな組み方をしているか教えていただきたいなと思います。

3、軸

私は軸を「なるべくたくさん出して活躍させたい2体の並び」と定義しています。軸のポケモン自体は、好きなポケモンでも、前期誰かが結果を残したポケモンでも、環境に刺さってると考えているポケモンでも何でも構いません。
ただし、軸の2体はあくまで同時選出をする前提で組みます。AかB、刺さってそうなポケモンどちらかを選んで出す(もう片方は出さない)というよりは、Aを先発に出して突破する、苦手な相手にはBを受け出すor死にだしBで起点にして全抜きする、のような同時選出を前提に組んだ方が、経験上うまく組めるように思います。「第二のエース枠」は後述する取り巻きや補完の枠で採用を検討しましょう。
では、具体的に2体をどう決めるかについてですが、ポケモンバトルデータベースなどで採用率の高いポケモンを見ながら、まず1匹(A)を型まで決めてしまうが良いでしょう。その上でAを使った時の勝ちパターンを考え、勝ちパターンを実現するために相性の良い相棒(B)を決めていきます。
例えば、ほとんど全てのポケモンに先発で殴り勝てるチョッキセグレイブを1体目にする→数的優位を活かして上から殴りにいけるスカーフorエナジーのハバタクカミを2体目にする。1回竜舞が積めれば全抜きができるカイリューを1体目にする→ステルスロックやあくびで起点の作れるカバルドンといった流れです。
この時、軸の2体が苦手なポケモンについては考慮しません。強いと思う2匹を決め、苦手なところは裏でカバーという考えです。
また、この2匹についてはピーキーな型よりはある程度汎用性を意識した型の方がたくさん出せる(=軸を活かした対戦が増える)ためおすすめです。例えばイーユイを使いたい、と考えた時はスカーフやメガネ、チョッキなどのシンプルなアタッカー型の方がいいでしょう。ここで受け構築に強いオボンのみを持った身代わり悪巧み型から組み始めるのはおすすめしません。そういったポケモンは後半にパーティの穴埋めとして採用する方がいいかと思います。(もし今後環境に受け構築が増えて、2戦に一回はドヒドチオンやキョジオーンと当たるみたいな状況になるならオボンイーユイから組み始めるのは合理的かと思います)

4、取り巻き

軸が決まったら、次は取り巻きの2匹を決めていきます。私は取り巻きを「軸と一緒に出してコンセプトを活かせるポケモン」と定義して、C、Dのポケモンを決めています。
厳密にはC、Dで少し考えが違うのでそれぞれ書いていきます。
Cのポケモンを決める時点では、当然ながらまだ2匹しか構築が決まっていないので、(出し方に順番はあれど)必ずABCの3匹を出す前提で考えます。これがいわゆる「基本選出」というものになります。
具体的に決定する際は、上位に採用されるポケモンと一緒にいるポケモンや前期で結果を残した構築とABのポケモンを脳内で戦わせてみます。例えば、チョッキセグレイブ+ハバタクカミの2匹だと、採用率上位のポケモンではパオジアンがきつそうです。あとはハバタクカミミラーも多少面倒な気がします。そこで、その2匹に後出しができるポケモンとしてヘイラッシャやウインディあたりを採用するという流れになります。
なお、この時タイプ的な補完はあまり考えなくても大丈夫です。セグレイブ+ハバタクカミでは例えばフェアリータイプが一貫していますが、セグレイブはチョッキを持てばほとんどのフェアリーに殴り勝ててしまうので、あまりフェアリーはキツくありません。それよりも具体的に採用率上位のポケモンに勝てるか、という視点の方が重要だと思っています(取り巻きを決めていくうちにタイプ的な補完は取れている場合も多いのでそこまで意識しなくてもいいでしょう)。

基本選出の3匹が決まったら次は4匹目を決めます。
実はこの4匹目が構築で1番難しいことが多いと思っています。身も蓋もないことを言えば、極端にマイナーなポケモンや型を最初に選ばない限り、1匹目を決めた段階で(多少の誤差はあれど)誰が組んでも3匹目までは同じようなポケモン、役割になりがちです。
ここまで再三例に出しているセグレイブ+ハバタクカミ+ヘイラッシャ、通称セグカミラッシャで言えば、ここまではどのポケモンを1匹目に選んでも最終的にこの3匹が採用される場合は多いでしょう。ですが、では4匹目にどんなポケモンを採用するか、これはなかなか難しい問題ではないかと思います。4匹目を決めるポイントは以下の3点だと私は考えています。

1、ABCどのポケモンと入れ替えて選出しても他のポケモンとシナジーがあること
2、最初に考えた軸のポケモンを活躍させられるor最初のコンセプトと近い動きができる(高速エースを通すコンセプト→第二の高速アタッカーを採用など)こと
3、採用率上位のポケモンへの処理ルートを(少々無理気味でも)用意できること

中でも大切なのは3で、目安としてこの時点で大体7〜8割のメジャーなポケモンや並びに対して脳内で7〜8割くらいの勝率を出せるよう4匹を選定したいです。
というのも、ポケモンは6匹で戦うゲームですが、3匹しか選出できないからです。この時点でメジャーな相手にある程度対応できないと、最初に決めた軸を活かすことができず最後の方に入れた補完のポケモンばかり出すということになりがちです。強い軸が組めたはずなのに、全然選出できない、という経験はよくあることですが、その場合4匹目までのポケモンや型を見直してみるといいかもしれません。
そんなことを考えながらこの時点で4匹の技構成や努力値などを仮決定してみるといいと思います。

5、補完

5体目の補完枠は、読んで字の如くパーティの苦手な部分を補うポケモンを採用します。こちらはまだ5匹目の段階なので、全ての弱点を補う必要はありません。きついところに強いことは必要ですが、同時に「今までの構築とは違う勝ち筋を持つ」、「軸が出しにくい相手に強い別の軸」といった要素を意識するといいかと思います。
具体的には、対面構築に「出し負けをケアできるクッション的なポケモンを採用してみる」、「相手の受けポケモンを起点にする身代わり持ちのポケモンを採用してみる」、あるいはサイクルを重視した構築に「安定した先発役兼ストッパーになる襷持ちのポケモンを採用して、対面的な選出ができるようにしてみる」などです。取り巻きまでの4匹である程度構築としてはまとまっているので、補完の枠は比較的自由に自分の色を出せる部分かなと思います。

6、遊撃

最後の6匹目を私は便宜的に遊撃と呼んでます(勝手によんでいるだけで、あまり馴染みのある言葉ではないので、他にいい言葉があったら変えたい)。ここまでのポケモンは軸とのシナジーやコンセプトを意識して組んできましたが、この枠は少し異なります。
もちろん他のポケモンとシナジーすれば言うことありませんが、それ以上に「汎用性をやや度外視してもここまでで厳しい相手を確実に倒す」ということが求められます。経験上、これまでのやり方で組んでいくと受けループやキョジオーン、チオンジェン系統などの軸が重くなることが多いです。そのため、最後の遊撃枠で対応します。いわゆる「自慢の〇〇対策」ポケモンを採用しましょう。
余談ですが、この枠については少しジレンマがありまして、どこまで苦手な相手に特化させるかという問題があります。例えば、キョジオーンが重い構築なのでキョジオーンにめちゃくちゃ強いポケモンを採用したとして、あまりに汎用性をなくしすぎるとキョジオーンが出てこない時に実質2匹で戦うハメになるという懸念もあります。汎用性や周りとのシナジーと〇〇対策特化はトレードオフになりやすいので、どのあたりでバランスを取るか難しいところです。

7、まとめ

簡潔に書くはずが非常に長くなってしまいました。簡単に構築の組み方を再度まとめてみることにします。

【軸】
1匹目→1番活躍させたいポケモンを選ぶ。どういう展開で勝ちたいかを決める。
2匹目→1匹目で決めた勝ち筋をサポートできるポケモン。
【取り巻き】
3匹目→1,2匹目と併せて基本選出になるポケモン。採用率上位のポケモン入りに対して1,2匹を通すためのポケモン。
4匹目→1、2、3匹目どのポケモンと入れ替えてもシナジーして、最初に決めた勝ち筋やコンセプトを遂行できるポケモン。ここまでの4匹で採用率上位7〜8割のポケモンに勝ち筋を作る。ここで努力値などを仮決定する。
【補完】
5匹目→4匹目までで苦手な相手に強いポケモン。今までの勝ち筋やコンセプトとは違う強みがあると良い。
【遊撃】
6匹目→ここまでの5匹ではどうにもならない相手への対策に特化したポケモン。どこまで対策に特化するか汎用性を持たせるかは要検討。

8、補足

ここまでで構築の組み方を書いてみましたが、私自身いきなり6匹が綺麗に決まって構築が完成する、なんて魔法のようなことは起きません。
ランクマッチで色々試しながら少しずつ完成度を上げていく、環境の変化に合わせて微調整するといった作業が必要になります。
実際に組む上で私が注意しているのは、「基本的に後から採用したポケモン変更していく」ことです。最初に選んだポケモンに合わせて後のポケモンは調整しているため、そこから変えてしまうと構築の強みやコンセプトがぶれてしまいます。最初の方のポケモンを変えるなら構築を組み直すくらいの気持ちで他のポケモンを吟味する必要があるでしょう。
あとは対戦をバトメモなどの記録ができるツールで管理したり、都度都度でダメ計をしながら、自分のやりたいことができているか確認して構築はできあがっていきます。

9、実践例

最後に自分の前期の構築経緯を実践例として挙げてみます。型の詳細が気になる場合は前の記事をご覧ください(宣伝)。
並びはイーユイ、カイリュー、ハッサム、パオジアン、パーモット、ハバタクカミ、です。採用順も上の順番になっています。

前期の構築

【軸】
まず、前のシーズンから使っていたイーユイが使いたかったので採用。イーユイの火力は環境にいる特殊アタッカーの中でずば抜けて高いため、苦手なところさえ誤魔化して行動回数を稼いでやれば殴っているだけでダメージレースに勝てるかなと思いました。というわけで仮のコンセプトとしては「イーユイのような高火力を相手に押し付けて勝つ」で決定。なお、この時点ではイーユイはメガネとスカーフが7:3くらいで悩んでいました。

次にイーユイと合わせる軸としてカイリューを採用し、この2匹を軸としました。カイリューはイーユイの弱点のうち、地面格闘水を半減できる(水タイプに強いかは諸説)という見た目上の相性補完の良さもありますが、それ以上に、イーユイに対して後出しされやすいディンルーとヘイラッシャを炎の渦+アンコールで一方的に処理できる点に注目しました。特にヘイラッシャというポケモンは有利対面からあくびと守るで択を仕掛けてきて厄介なポケモンですが、炎の渦で捕まえればカイリューが眠っても基本的に負けないのもポイントです。
また当時はカイリューの型が厚底ブーツのアンコール羽休め型が多かったため、型を読ませづらく、ミラーにもそこそこ強い点もいいと考えました。

【取り巻き】
軸に2匹が決まったので次に取り巻きを決めます。この2匹だと初手の襷パオジアンに勝てず、またハバタクカミなどのフェアリーを舐めすぎていることもあり、上記2匹に比較的後出しがきくポケモンとしてハッサムを採用しました。初手のパオジアンに対して、ハッサムの蜻蛉返り→居座られてもパオジアンを交代した高速アタッカーが上から倒すという流れが綺麗だと思い、この時点でイーユイをスカーフに決定しました(この3匹の基本選出でメガネだと全体的に遅すぎる感もあるため)。
ハッサムはクッション役であるため耐久ベース、カバルドンのあくびが面倒だったので無振りカバルドン(とついでにディンルー)の下から動けるようSに下降補正をかけることにしました。

4匹目にはパオジアンを採用しました。最初に決めたコンセプトを少し拡大解釈し「高火力・高速のポケモンの行動回数を増やして火力を押し付ける」として考えた時に、第2の高速アタッカーが欲しかったためです。ハッサムの後攻蜻蛉返りやカイリューの定数ダメージによる削りとパオジアンの先制技が相性がいい点と、イーユイと同時選出した時に、どちらかで相手を削って、もう片方で一掃していくのも強いと考えました。半端な受け出しを許さない火力が欲しかったのと、ハッサムやイーユイで相手のパオジアンとある程度戦えるため、ミラーはあまり意識する必要がないと考え、意地っ張り鉢巻で採用しました。努力値はASとHAベースで悩んでいる状態です。

【補完】
ここまでの4匹である程度幅広い相手と戦うことができると感じましたが、イーユイやパオジアンより速いポケモンが苦手だったり、クッション役のハッサムやカイリューが削れると一気に全員持っていかれたり、初手の出し負けがそのまま負けに繋がるケースが見られました。
そのため、襷を持ったストッパー役を採用しようと考えたところ、先制技によるストッパー性能と、再起の祈りによるエースの復活ギミックの強さがあるパーモットが思い浮かび、採用することにしました。これにより苦手な部分の克服とエースを2度使うという新たな勝ち筋を得ることができました。
この時点で4匹目の鉢巻パオジアンは多少雑に使っても構わないと考えたのでAS鉢巻で運用することにしました(副産物としてパオジアンの偶発ミラー時に特性の発動順で相手の型判別ができるというメリットも生まれました)

【遊撃】
5匹まで決まった時点で最後のポケモンを考えました。実は最初はあまり思い浮かばず適当に珠ミミッキュ(ほぼ選出しない)でランクマに潜ってました。
回しているうちに鬼火持ちの耐久ウルガモスが非常にきつい、あとはテツノツツミも少々重いことがわかりました。
というわけでセグレイブなどのポケモンを試しましたが、最終的に「ウルガモスに先に蝶の舞を積まれても後出しから倒せる調整」のハバタクカミを採用して構築が完成しました。

(これは本当に余談ですが、最後のハバタクカミが汎用性を落としたはずなのに選出機会が多く活躍してくれたので、あと1週間シーズンがあったならパーモットを抜き、パオジアンに襷で行動保証を持たせた上で、ハバタクカミの瞑想を活かせるカバルドンなどのクッション兼起点作成役を採用した構築へとシフトしたかもしれません。現状はハッサムの対面操作によるサイクル要素を混ぜた対面構築ですが、この場合は展開要素の入った対面構築、のようになりますね)

構築全体の振り返りとしては、イーユイの選出率が体感8割くらいで、当初のコンセプトであるイーユイの火力の押し付けを遂行することができました。最終成績も目標としていた3桁を達成することができ、満足のいく構築ができました。

10、終わりに

構築の組み方を書いてみたいという軽い気持ちから書き始めましたが、想像以上の長文になってしまいました。
本当はテラスタイプの決め方なども書きたかったのですが、それはまたの機会にすることにします。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
感想などいただけると大変励みになりますので、よろしくお願いします。

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