春・雨②

1年半前に長野県の戸隠で食べた戸隠そばが衝撃的な美味さだった。


戸隠そばは、コシがあって箸で強めに摘んでも簡単にプチっと切れちゃったりしない。口にするとやはり弾力があってしかもそばのいい香りが鼻の奥を抜けていく。


それからというもの、そんなそばを追い求めてきたけどなかなか出会えずの日々を過ごしてきた。


「戸隠そば 都内」とかで検索すれば、すぐ戸隠そばのお店を見つけられそうなのだが、あえてそれはしない。


「戸隠そば」とはまた別の美味しいそばに出会いたいと思っている。


そんなある日、深大寺のそばが美味いという話を耳にした。


ということで早速行ってきた。


深大寺の前の道はたまに車で通るが、ここら辺一帯が観光地みたいになってていいなーと前から思っていた。


神代植物園も併設されていて、気持ちの良い場所だ。
今度時間ある時に植物園はゆっくり回ろう。


今日はあまり時間がないのでそばだけ食べて帰る。


ネットでささっと調べて、美味しそうな玉乃屋という蕎麦屋に行くことに。


観光地価格のパーキングに車を停めて、雨が降っていたので傘をさして玉乃屋へ向かう。




雨の降る平日の昼だったが、深大寺は観光客でわりと賑わっていた。


観光気分を味わいながらお店に到着。傘を閉じてお店の外に置いてある共用の傘立てに傘を入れる。おれはよくこういうところでよく傘を盗まれる。簡単に盗まれないように対策として、盗みたくならないように傘を入れてみよう。


傘をひっくり返して持ち手を下向きにする。そのまま傘立てに入れようとした。


だが持ち手が引っかかってうまく入っていかない。
がちゃがちゃと無理やり押し込んでいたらすぐ傍にいたシニアの淑女さんに「それ、逆さかもよ?笑」と優しく声をかけられた。


恥ずかしかった。おれは「あ…」と言い傘をまたひっくり返し、普通に傘立てに傘を入れてそのままお店の中に入った。


お店の中はほぼ満席状態だった。客層はシニア率100%。U30どころかU60の人はおそらくおれだけだった。


よく考えてみりゃ、ここにいる人は他人の傘を盗むようなマネしないだろうな。浅はかだった。


席に着きメニュー表を見る。
細麺と太麺のそばがあるようだ。


おれはかみごたえのあるそばが食べたい気分だったので太麺のメニューをチョイス。もちろん天ぷら付きだ。


10分ほどでそばがやってきた。天田舎1,650円。

まずは調味料なしでそばをひとすすり。


うん…うまい!!これだ。つるつるっと弾力のある確かな舌触り。コシがある。おれが追い求めていた食感だ。


天ぷらもいただく。うん、うまい!


今回は太麺だったが、細麺のせいろも気になってきた。これもコシがあるのだろうか。

次回は細麺、食べるぞ!

ペロリと完食。締めの蕎麦湯をいただきお店を出る。車のあるパーキングに向かう途中、こんな看板を見つけた。

深大寺そば調べ

深大寺そばの歴史について書かれていた。
なかなか興味深い内容だったが、特に気になったのが「江戸名所図会」だ。


深大寺そばが江戸通俗地誌である「江戸名所図会」に紹介されていたとあるが、他にはどんなものが掲載されていたのだろう。


そして現代にも残っているものはどんなものなのだろう。


今度調べてみよう。

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