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ウィーンフィルのウィンナーワルツ【ちょっと寄り道】

仕事帰り、ちょっと時間があいた時
私は寄り道を楽しむ

今回の寄り道はウィーンフィル2020日本公演

「ウィーンフィルが福岡に到着」のニュースに驚いた
今年楽しみにしていたボリショイバレエも中止になり、ウィーンフィルについてはまったくチェックしていなかった 

もともとチケットを取っていたけれど
自粛して行かないと決めた人  

大きな力が働いたんだという見方をする人
  
色々あるようだが、私はぜひ聴きたいと思った   


今回はこのコロナ禍で、出発直前にウィーン襲撃事件があり、  来日しても楽団員はホテルから出られず、検査を受けつつの公演   

それでもプレイヤーは演奏がしたいだろうなと思うのだ

コロナの世界的広がりに楽団を一時解雇され街中で演奏をしている、などというニュースを聞くにつけ   

音響の整ったホールで聴衆を前に演奏できること 
世界の人にその音をリアルに届けたい  
それをどんなに望んでいるだろう

ぜひ私がその一席を埋めたいと
サントリーホールの追加公演のチケットを取った

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サントリーホールはコロナ臨戦体勢

「ブラボー」と叫んではダメ
避難訓練のようにエリアごとに退場する

こりゃ幕間のシャンパンは無理だなと思い
事前に、軽い食事と一緒に一杯だけ飲んで行った   

プログラムは
ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」
「交響詩 海」

ストラヴィンスキー「火の鳥」


仕事帰りに、少しのアルコール
ドビュッシーでうっかり眠くなるかと思ったら
さすがにウィーンフィル
こういう繊細で静かな曲ほど前のめりで聴いてしまう


ストラヴィンスキーはやんちゃな演奏が好きだ

スターウォーズのダース・ベイダーマーチでさえ
気高さを感じるウィーンフィル

なので、その思いは引っ込めて
ウィーンフィルの美しい音色を楽しんだ


そしてアンコール

ヨハン・シュトラウスIIの「皇帝円舞曲」

ウィーンフィルのウィンナーワルツだ

いつもは優雅でほがらかなウィンナーワルツだが
今回は感傷的になってしまった


ウィーンの街並み
人々でにぎわうカフェ

中央墓地の紅葉

国立歌劇場
楽友協会ホール
フォルクスオーパー

宮殿の数々

曲と共に情景が浮かぶ

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人々が自由に行き来でき
文化に触れることができるようになる日まで

守ってほしい
守っていきたい

指揮のゲルギエフ
ウィーンフィル
観客の想いが重なったように感じた

感動した

ウィンナーワルツでうるうるしたのははじめてだ

こういう体験はリアルでないと味わえない


オケの最後の一人が舞台からいなくなっても
拍手が鳴り止まなかった

ゲルギエフが一人舞台にあらわれて手をふった


文化はオンラインやバーチャルな発信が必要だろう
でもリアルな体験は五感を満たすな

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