私の頭の中のケシカス2

「じゃあ神を作るってどういうことだ?」
「君は初詣で願いを言うって言ったよね」
「普通はそういうもんだ。希望の大学に受かりますようにとか、恋愛成就とか、健康にとか、そういうことを願うんだろ」
「願いを言うかはその人に任せる。でもね、願いを言うことに関しては僕の主義とは異なるね」
「願いを言う場所じゃないというのは聞いたことはあるがな」
「考えてみたまえよ。希望の大学に受かりますようにとお願いしたとしても、その人は神様にお願いしたからという理由で何一つ勉強をしないってことにはならないだろ?願ったとしても一生懸命勉強するんだよ」
「そりゃそうだろうな」
「それに例え大学に落ちたとしても神を恨んだりはしないだろ?大きな不幸が連続で起きない限り神を本気で恨んだりなんかしないよ」
「確かにな」
「大学合格を願うというのは、どちらかというと僕の考えに近い。僕の場合は願うというより、誓うと言ったほうが正しいんだけどね」
「あんたの考えっていうのは、神を作るってことだろ?」
「そうだね。神社で何か頑張ることを誓う。そうすることで自分の中に神を作るんだ。年収3倍にするために頑張ります、とかね。神に誓ったなら頑張らなきゃいけないと思うんだよ。その思いをずっと心のなかに宿しておく。それが僕の初詣ってやつだね」
「確かに願いを言って、その後すっかり忘れてしまう人らよりかは効果はありそうだな。でもよ、それなら神社に行く必要はねえんじゃねえか。家でもできるだろ」
「家でもできるが、神社って神聖な感じはするもんだよ。神域で誓うことで身が引き締まるんだよね」

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