沖縄 家族旅行 Day2

いよいよ慶良間(ケラマ)諸島へ体験ダイビングの日。

ホテルの部屋でおにぎりと味噌汁の簡単な朝食を済ませてa.m.6:30ホテルを出発した。
慶良間諸島へ向かうフェリーの出航場所は泊(とまり)という漁港だった。車を漁港近くの駐車場にパーキングして漁港まで歩いて行った。

a.m.8:00 フェリーは慶良間(ケラマ)諸島へ向けて出発。

オレたちの他にもダイビングするグループが何組か乗船していた。
船は思ったよりも激しく揺れた。揺(ゆ)れと排気ガスの匂いのダブルパンチが相当キツかった。
他のグループには極度の船酔いでずぅ〜っと吐いている人もいて、とても辛そうだった。その人は、慶良間(ケラマ)諸島についても体調が良くならずにダイビングを断念し、そのまま帰りのフェリーでも、ずぅ〜っと吐きながら泊(とまり)漁港に戻ってきていた。超アンラッキーな人だった。
もう少し大きなフェリーならば揺れも少なく快適だったかもしれない。

オレたちは船酔いすることなくケラマ諸島に着いた。
沖合いではあれほど、ざわついていた海上の波も、島と島の間に入ってしまえば不思議なほど穏やかになり海水の透明度が際立っているのがハッキリとわかった。
沖縄本島からフェリーで約1時間ほど南西に移動しただけでこんなに海水がキレイな場所があるなんて!

甥っ子も逸(はや)る気持ちを抑えられず、ソワソワしていた。
そこはグッと我慢してガイドさんの説明をしっかりと聞いた。
初めて入る海では、どこにどんな危険が潜んでいるかわからない。
甥っ子も毎年夏になるとオレたちと連れ立ってシュノーケリングを楽しめるほどに、海には慣れていても油断は禁物。大自然が人を襲うときは最悪、命を取られることもある。大袈裟ではなく、そういうことを頭の片隅に置きながら、自然をリスペクトしないとダメだよ!とは、海に入るときに甥っ子に必ず伝えていることだ。

甥っ子にとっては初めて着用するダイビング用のウエットスーツにキャップはどんな心地がしたんだろうか?初めてのボンベやレギュレーターなどの機材も重かったに違いない。

それも船上にいる限られた時間だけのことだった。
一度(ひとたび)海中に身を沈めて行くと、そこはもう別世界だった。
ゴーグル越しに見た、甥っ子のニンマリと嬉しそうな顔がとても印象的だった。
シュノーケリングでは絶対に味わうことのできない、より深い海中世界は、太陽の光が差し込んでなんとも言えない美しさだった。

1ダイブを終えた船上で
『もう水族館でキレイな魚たちを見ても感動できなくなっちゃったよ!』とは、ダイビング初体験の甥っ子の素直な感想だった。うん!うん!わかる!わかる!
水族館とは圧倒的なスケールが違うよなぁ!

場所を変えた2ダイブ目では、甥っ子が絶対に見たいと強く願っていたウミガメに遭遇した。小ぶりなウミガメだったけど、手を伸ばせば届く距離をウミガメが泳いでいるなんて、夢を見ているような気分だったに違いない。映像や水族館で見るウミガメとは同じようでいてまったく違っていた最高の臨場体験だったはずだ。

ウミヘビも2匹見た。ウミヘビは猛毒を持っているらしい。何もしなければ襲ってくることはないとわかっていてもやっぱり恐い!

ボートは海底からかなり高い場所に停泊していた。海水が濁っていれば水深なんて気にすることもないんだろうけど、ケラマの水はホント透明だ。知りたくなくてもボートのデッキから海に視線を移せば、海底までクッキリと見えるもんだから嫌でもその高さを意識することになる。高所恐怖症の母は完全に腰が引けていた。初めてのダイビングで甥っ子は大丈夫だろうか?
心配だけど海の方を見ることができない母だった。

そんなこととは露知らず・・甥っ子は初めてみる12メートル下の海中世界を満喫していたのだった。当の本人は・・・
『普段からシュノーケリングで鍛えられているからまったく恐くなかったけどねー!』海から上がり、自慢げに母に語っていた。

ケラマ諸島からの帰りのフェリーでは、くじらの潮吹きを見れる場所に案内してもらった。このクジラの潮吹きが見れるのは一年の中で1~3月の期間だけということだから、少し肌寒いけど3月に来てラッキーだったとしか言いようがない。
クジラの潮吹きは雄大だったねぇ!

潮吹きって、クジラが ”ブハァ〜” って息継ぎをすることなんだけど・・
時間にすると20秒から長い時で40秒ぐらい ”ブハァ〜” って空中に息を吐き出している。その姿はまさにライフ(生命/いのち)!
生きてるなぁ〜って実感できる瞬間だ。

フェリーは15時ごろに港に到着。みんな疲れ切っているのか帰りの車の中ではオレと甥っ子以外は、みんな寝ててとっても静かだった。
夕食に行くまでの数時間はそれぞれがゆったりと過ごしていた。

夕食は、沖縄民謡の生演奏や島唄を聴きながら食事ができるという料理店へ行きコース料理を頂いた。普段は晩酌をしないオレだけど、この日ばかりは父と母の晩酌におつきあいさせてもらった。というのも、初ダイビングを体験してきた甥っ子があまりにも嬉しそうにニコニコしているので、父と母もとっても嬉しくなってニコニコしてるってわけなんだ。そんなニコニコの2人が勧める酒を断れるほど野暮じゃないオレは沖縄と言えば・・オリオン・ドラフトの生ジョッキを頂いた。くぅ〜やっぱり海上がりのオリオンビールは細胞に染み渡るなぁ〜!沖縄三味線(さんしん)の心地よい音色にも、いい感じで酔わせてもらったので何を食べたのかは記憶が曖昧だけど・・とにかく何を食べてもとっても美味しかった。沖縄最高!

夕食後は、みんなで近くの銭湯へ行った。
”ドクターフィッシュ”という、古い角質を食べてくれる小魚がウヨウヨと泳いでいる足湯(あしゆ)を初体験した。
小魚に足の裏をツンツンされるのは何とも言えず、こちょばゆい。
足の裏をくすぐられているみたいで、長い時間は足を入れていられなかった。

3月の沖縄の海水温は思ったよりも冷たくてダイビング用のウエットスーツを着ていたとは言え、身体の芯はすっかり冷え切っていたようだった。温泉にゆっくりと浸かって身体の芯までポカポカに暖まり、疲れを癒すことができた。

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