スリランカ サーフトリップ プロローグ!

スリランカの回想録を書くにあたり、スリランカという国のことを説明しなければならないと思います。というのも、今も、この国は荒れています。そして、2022年にはデフォルト(債務不履行)に陥(おちい)りました。いわゆる国家の倒産です。

内戦というレベルではありませんが、スリランカ各地において政府に対する国民の抗議活動が頻繁に行われています。インフラによって国民の生活がままならないからです。”外務省 海外安全ホームページ”というものを見ると、現在、スリランカ全土の危険レベルは1となっています。これは、”十分に注意して下さい”というレベルではありますが・・
”何があるかわかりませんが、すべて自己責任でお願いします!”とも受け取れます。

では、なぜスリランカ国内はこんなことになってしまったんでしょうか?
何故!? こんなにも荒れているんでしょうか?
そのことを説明するためには、どうしてもスリランカという国の歴史を遡(さかのぼ)って話していくしかなさそうです。

ことの発端は内戦です。そして、この内戦の根っこにあるものは民族対立です。
1948年(イギリスから独立)やっと、長ぁ〜い植民地支配から抜け出せて、商業活動も活発になって、スリランカとして『さぁ〜これから国を立て直していくぞぉ!』って時でした。活発になった商業活動によって陸続きの南インドからも沢山の人たちが移り住んできました。それがヒンドゥー教を信仰する少数民族タミル人でした。元々からセイロン島(スリランカ)に住んでいた多数の仏教徒であるシンハラ人とタミル人は何かと衝突しました。(参考までに・・スリランカの言語はシンハラ語とタミル語です)

この衝突がエスカレートして遂に・・・

1983年内戦勃発です。
この内戦は休戦を挟んで2009年まで続きました。

国内が荒れていたスリランカにも争いのない平和な時がありました。
イギリスから独立した1948年から1970年に民族対立が起きるまでの22年間と
民族対立による内戦期間(1983~2009年)の間で休戦協定を結んだ2002年から2005年の10月までの3年ちょっとの間です。
せっかくの休戦協定も、2005年11月にシンハラ人のラージャパクサが大統領に就任すると、タミル人側の怒りは頂点に達し再び戦闘開始となりました。もうドロドロな民族対立です。

今回のサーフトリップ回想録は、
この休戦協定期間中の2002年3月14日(Thu)~3月20日(Wed)に渡航した時のものです。滞在中は、国内で内戦が起きていて休戦中だということに、まったく気づかないほどに人々の生活は活気に満ちていて平和そのものでした。
おそらく多くのスリランカ国民も、このまま争いが治まり平和な時が続くだろうと期待に胸膨らませていたに違いありません。ですが・・そうはなりませんでした。

2005年11月交渉決裂。戦闘再開となり終戦を迎える2009年まで続きました。
残念ながら、2009年以降も国内は良くなることはありませんでした。

2009年のスリランカの対外債務は中国から10%とかなりな金額を援助してもらっていることになっていますが。そのお金が国民の生活を豊かにすることにつながる農産物や輸出品に使われれば、国は徐々に豊かになっていくはずだったのです。
ですが・・政府は、国民の生活に密着していないインフラ事業(港湾、空港、高速道路)に、借りたお金をバンバン使いました。その上、回収の見通しも立たず、ますます国民の生活は苦しくなる一方でした。極め付けは30%を超えるインフラです。これは、コメ、豆、ココナッツ、タマネギなどの主食が、ほぼ2倍を超す値上がりをしたことになります。その他にも、小麦、肉類、タマゴ、ジャガイモなども1.5倍の値上がりをしていることになり、値上がりは農産物だけではなく・・燃料なども高騰していました。さらに、スリランカ国内では、様々なモノを輸入するために必要な外貨を準備することもできなくなりつつあるという問題もあるようです。インフラはさらに加速しそうな状態ということです。

こうしてみると、スリランカには何の魅力もないじゃないか!?
と、思われるかもしれません。しかし、それは経済的視点から見れば・・ということであって、文化的視点から見れば、まだまだ魅力十分な国だと思います。

と、いうのもスリランカには世界に誇れる文化遺産が8つもあります。他にも美しい海岸線、国立公園、秘境など見どころ満載な場所が多いのです。内戦しているなんて信じられないような素晴らしい国なんです。

今回のサーフトリップ回想録では、文化的な視点から見たスリランカの良さを少しでもお伝えできればと思っています。それでは、時間を2002年3月まで戻して、当時のスリランカ・サーフトリップを振り返っていきたいと思います。









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