コラム #LEVI'S

このコラムの前半ではLEVI'SとLVC(LEVI'S VINTAGE CLOTHING)の歴史を簡単に振り返っていきます。
後半は私、個人のLVCの思い出話しです。
最後にリーバイ・ストラウス・ジャパン(株)が書いた記事を一緒に載せています。
リーバイス・ジーンズの歴史” 
ヴィンテージ・リーバイスについて
非常にわかり易く簡潔に書かれていましたので、そっくりそのまま記載しました。

では、始めましょう!

1873年、アメリカ西部のとある田舎町で、ひとつのジーンズ・ブランドがオギャーと産声をあげました。とっても元気なそのブランドの名前は LEVI'S (リーバイス)と名付けられました。

そのLEVI'S(リーバイス)を長い間デニム生地で支え続けた
コーンミルズ社 という会社がありました。(2004年以降はコーンデニム社と社名変更) そのデニム生地を製造していた場所が、アメリカはノースカロライナ州にあるホワイトオークという工場でした。

現在では、LEVI'S(リーバイス)には様々な型番がありますが、その中でもアイコンともいえる存在が501でした。
501が最も輝いていた時代が1920年代〜1970年代ごろと言われています。
その時代、アメリカ国内ではどんなことが起きていたんでしょうか?
振り返ってみましょう!

1937年の世界大恐慌に始まり
1944年第二次世界大戦の真っ只中!
1947年終戦を迎え、世の中には活気が戻ってきて
1955年世界的なジーンズブームが到来
1966年公民権運動や選挙運動が大盛況!

こういう激動の時代に501=LEVI'S は輝いていたのです。

その当時に作られ激動の時代を生き抜いた501を、現代に生きる私たちは
最大の敬意を込めて”ヴィンテージ”と呼んでいます。

参考までに・・・
1890年~1966年までにリーバイスで生産されたジーンズの品番を表すものにXX(ダブル・エックス)があります。
XXは最高品質のデニム素材を証明するものです。

とは言え・・100年近くも前に作られたモノが、日常的に使えるとは思えません。それでも、どうしても当時の501XXを履きたいんだ。何とか復刻できないものかと考えた人達が現れました。
まさに救世主です。しかも日本人です。アメリカ人ではなく・・

幸(さいわい)にして、サンフランシスコにあるLEVI'S本社には、20,000点以上にも及ぶアーカイブ(データ)が保管されていました。
その中には、当時の501XXの詳細なデータも保管されていました。
使われていたデニム生地、細かなパーツ類、ディテール、シルエットなどです。

こうして復刻版501XXが現実味を帯びてきたわけです。1980年後半のことです。

そして・・ついに

1999年 
LVC(LEVI'S VINTAGE CLOTHING/リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)として新たなブランド展開が始まったのです。
当初は、日本の企画として始められましたが・・
日本以外の国にも賛同者が現れ、新たに”グローバルライン”も追加されることになりました。グローバルライン日本企画の同時進行です。

初めは、501XX好きの『ヴィンテージ501XXを日常使いできないかなぁ〜!?』
という小さな願望だったかもしれません。それが気がつけば世界的な潮流となって物凄いことになっていました。

あまりにも大きな潮流となってしまったことによって、
グローバルラインと日本企画を別々にしていたのでは色々とやりづらいことが出てきました。こうして・・

2010年 
ヨーロッパのオランダに新たなXX(ダブルエックス)事業部として
LVC(LEVI'S VINTAGE CLOTHING)が新設され、グローバルラインと日本企画を合体させ一本化させることになりました。
勿論、今まで通りコーンデニム社のデニム生地を使ってアメリカと日本で生産することには変わりありません。

悲しみは、ある日突然起こります。それは501XXとて同じことでした。

2017年
長年LVCにデニム生地を供給してきたコーンデニム社のホワイトオーク工場が閉鎖しました。これによってデニム生地の供給が困難となり、LVCの生産を一時休止せざるを得ませんでした。
それは、世界中のLVCファンにとって悲しい出来事でした。このまま、LVCはなくなってしまうんだろうか?誰もがそう心配したはずです。
しかし、ここでもまた救世主が現れました。
それが日本のカイハラデニムだったのです。こうして・・

2018年
カイハラデニムがLVCのサプライヤーになり

2019年
カイハラデニム生地を使って トルコ/ブルガリア、そして一部日本でもLVCの生産が再開され、現在に至っているわけです。

こうしてリーバイスの歴史を、つまりはジーンズの歴史を世界中の愛好家たちで支え続けているわけです。

ここからは、私、個人のLVCにまつわる思い出話しです。

私がLVCを知るキッカケとなったのは、1990年代当時、お付き合いしていた全身アメカジな彼女の存在がとっても大きいのです。
当時の私は、洋服には全く関心がなく、ひたすら波乗りに興じていた頃でした。
身につけていたのは、すべて古着でした。
いま思えば、当時すでに破れて穴の空いた501を履いていました。501が好きだったというかボタンフライが好きだったことが理由だったと思います。
そんな私が、いくらアメカジ好きな彼女がいたからといって、数万円(当時の相場が18,000~19,000円ぐらい)も出してLVCジーンズを買うわけがありません。
ただ一つだけ、とっても興味をそそられることがありました。
LVCのラインナップに、私の生まれ年に当たる1966年モデルがあることを知ってしまったのです。
そこからは一転、坂を転げ落ちるようにLVCの深ぁ〜い沼へとハマりこんでいきました。そして、気がつけば、わたしの手元には・・・
1890、201、50S-XX 、37501XX、44501XX、47501XX、55501XX、517-0217 8本のLVCジーンズと506XX、507XX 2着のLVCジャケットが集まっていました。なのに・・生まれ年の66501XXは手元にありません。
そこからは、彼女の呆れた視線も気にすることなく、ガンガン履き込みました。
かけた年数分、少しづつ経年劣化してカッコ良くなっていくLVCのジーンズ達がかわいくってしかたありませんでした。
そんな楽しい日々にも倦怠期(けんたいき)がやってきました。
履き込みすぎたからなのか・・ある日を境にLVCのジーンズ達の劣化が著しく激しくなってきました。あれほどバリバリでタフだったデニム生地が破れやすくなっていたのです。これでは日常使いできません。LVCジーンズ達への情熱は急激に萎(しぼ)んでしまったのです。あれから24年。私のLVCジーンズ達のカッコ良さはまったく衰えていません。むしろカッコ良さが増したかもしれません。
世界中のどんなヴィンテージ・ジーンズよりもカッコイイ私のLVCジーンズ達、昔のようにガンガン履き込んであげることは、もうできないけれど・・これからは時々でいいから履いてあげて、長く大切に愛(め)でていこうと思います。


最後に、リーバイ・ストラウス・ジャパン(株)が書いた記事を原文のまま、載せて終わりにしたいと思います。

”リーバイス・ジーンズの歴史”
1850年代、ゴールドラッシュにわくカリフォルニアで、最初のジーンズが誕生しました。はじめはインディゴ・デニムではなく、茶色のダックという平織の素材でした。ベルトループではなくサスペンダー釦がつけられ、後ろには尾錠がつけられていて、ジーンズではなくオーバーオールと呼ばれました。
やがてインディゴ・デニムが採用され、補強のためにリベットが打たれ、ツーホースマークのレザーパッチ、アーキュエイトステッチといった、現在のジーンズの原型が完成するのは1870年から1880年代にかけてでした。
501のロット番号が正式に採用されたのは1890年です。
1920年代に入ってからは生地の改良が行われ、目付が9オンスから14オンスに変わりました。赤耳付きのリーバイスのデニムは最高の品質ともてはやされました。機能的な改良も加えられ、ベルトループが付き、ポケットに赤タブが縫い付けられるようになったのは1930年頃です。1940年頃にはサスペンダー釦や尾錠が廃止され、1950年代には皮パッチの材質が変更になりました。
実用性、機能性、ファッション性を追求し、たえず改良・改善が加えられてきたリーバイスの501は、ジーンズの代名詞として100年以上も生き続けてきたのです。

”ヴィンテージ・リーバイスについて”
リーバイス501は西部の男たちだけでなく、ボーイズ版(503B  504Z)、レディス版(701)、ジッパー仕様版(501Zや502  551Z)など、対象とする体形やサイズの広がりによって様々な品番が生まれたのは1950年代以降です。
ジャケットもタイプ1(506)、タイプ2(507)、タイプ3(557)などのバリエーションが作られました。アメリカが最も輝いていた時代に、しっかりと物作りされた、これらの年代もののリーバイス・ジーンズが、再認識され注目を集めるようになりました。いまでは幻の品番となり、入手が困難な製品も少なくありません。
リーバイスでは、これらの古き良き時代のジーンズを、ヴィンテージ・リーバイスのシリーズとして再現することにしました。わざわざ効率の良くない旧式織機を使って織られた、赤耳付きのヴィンテージ・デニムは、毛焼きなしのざっくりとした味わいに仕上がっています。付属材料や縫製ディテールなど細部にわたって、それぞれの年代の仕様を忠実に再現しました。
1930~50年モデルは、本革レザーパッチ、イエローステッチ、隠しリベットなどの仕様なのに対し、1960年モデルになるとレザーパッチは本革ではなくなり、ステッチはオレンジに、隠しリベットは裏バータックへと変わっていきます。タブはビックEがヴィンテージの証明ですが、30~40年モデルには表側にしか刺繍がされていません。ヴィンテージ・リーバイスには、そんな隠し味が他にもいっぱい施(ほどこ)されており興味は尽きません。
奥の深さをお楽しみ下さい。なおペーパーラベルも当時のデザインを再現しております。


今回、記事を書くにあたり、LEVI'SのことLVCのことをより一層深く知ることができました。1990年代に買ったLVCをいっそう大切に愛でていこうと思います。と、同時に、日本が誇るカイハラデニム製になってからの501XXにも大変興味が湧いてきました。また、ジーンズを育てる楽しみが再熱するかもしれません。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
少しでも何かのお役に立てたなら光栄です。




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