#散策と準備
メルボルン滞在3日目にしてようやく、これからの動向がハッキリと形になってきてひと安心だった。
あとはサザンクロス駅に行って V/Line のチケットを予約することと、シンガポール航空とアンセット航空の窓口に行ってオープンチケットを使って帰りの便を予約すればいいだけなのだが・・もう少しメルボルンの空気に触れていたいなぁ!? と思っていた。
そうだ!せっかくだから数日間滞在を伸ばしてメルボルン市街を散策してみよう。急ぐ旅でもないのでそうすることにした。
結局、メルボルン市街の散策と Torquay(トーキー)に向かうための準備で3日程滞在を延長することにした。
滞在延長1日目は、Swanston St(スワンストン・ストリート)界隈と Elizabeth St(エリザベス・ストリート)界隈を散策した。
この道は、滞在しているキングス・ゲート・ホテルから Collins St(コリンズ・ストリート)をひたすら東へ歩いていくとぶつかる大通りだ。ココを左折して北へ向かえばメルボルン大学へとつながる Swanston St(スワンストン・ストリート)となって、右折して南へと向かえば Flinders St Station(フリンダース・ストリート駅)へとつながる Elizabeth St(エリザベス・ストリート)となる。
まずは北へ向かい Swanston St をメルボルン大学まで散策した。残念ながら、夏休み期間ということもあって大学周辺はとても静かだった。普段は学生で賑わうこの界隈も、今はこうして学生と一緒で休んでいるかのようだった。
時折、見かける観光客らしき人を乗せた馬車が優雅に横切っていく姿は、まるでヨーロッパの貴族か?と思わせる。
はた目には優雅に見えるこの馬車を引いているのは、当然、生身の馬なので食事もするしウンチもする。人間のようにトイレに行くわけではないので、お尻にはウンチ袋をぶら下げて、口元にはエサ袋がぶら下がっていた。それでも中には袋からはみ出すほどの量のウンチをするのか!?マトがはずれるのか!?わからないけど、そんな馬もいて、時折、道端に湯気を立てたウンチが落ちていることもあった。
日本だったら間違いなく苦情の対象となることも、ココでは人々が大らかなので笑って済まされているようだった。
Elizabeth St をひたすら南下していくと、ヨーロッパ風な石造りの大きな建造物にしか見えない Flinders St Station に到着した。
どこからどう見ても駅には見えないこの建物は、よくある日本の駅舎というイメージとは全く違っていて、貴族が住んでるんじゃないか!? そう思いたくなるような建造物だった。城といったほうが伝わりやすいかもしれない。
駅の周辺では路面電車のトラムが走っていたり、カラフルな衣装を着た年配の人たちが何かのチラシを配っていたりして常に活気に満ち溢れていた。
ココの年配の人たちは、みんな姿勢もよく元気だ。そのせいか実年齢よりも若々しく見えた。
メルボルンの夏の昼時間は長い。日の入りがだいたい21時ごろなので外はまだまだ明るい。
せっかくなので V/Line のチケットを予約しに行こうと思い Southern Cross Station(サザンクロス・ステーション)へと歩いて向かった。
チケット売り場に向かい応対に出た係の人に聞いてみた。
『あのぉ〜!Torquay(トーキー)へ行きたいんだけど、どう行ったらいいかな?』
『そうだね!ココで V/Line という電車を予約するといいよ!』『えっ!V/Line ?』
『そう!この V/Line で Geelong(ジーロング)まで行って、そこでバスに乗り換えて Jan Juc(ジャン・ジャック)という場所で降りる』『ジャ、ジャンジャック?』
『そう JanJuc(ジャンジャック)そこから Torquay(トーキー)はすぐ近くだよ。 V/Line ではほとんどの荷物を運んでくれるのでサーフボードも大丈夫だよ。ただし・・』
この時に係の人は、とても大切なことを伝えてくれていたようだったが、そのことに気づかなかったオレは後々とんでもないトラブルに巻き込まれることになるのだ。とにかく、なんとか3日後の V/Line のチケット予約が完了した。
2日目は、ホテルから真っ直ぐに南下した場所にある川へ行ってみた。
川の名前は Yarra river(ヤラ川)
メルボルンが港湾都市であるということを象徴しているのが、このヤラ川だとも言える。現在のメルボルンという呼び名は、主に都心部のことを指すらしく、その昔、港湾都市として栄えていた時代は、メルボルンと言えば現在のポート・メルボルン辺りのことをそう呼んでいたらしい。
なので・・川沿いを散策していると、時折その名残りのような景色を目にした。
Melbourne Aquarium(メルボルン水族館)という水族館なども隣接されていて週末には多くの人たちがココを訪れるようだった。
途中でハンバーガーとコーラを買って、川沿いのベンチを見つけ食事をした。お腹も一杯になって、ふっ!と空を見上げると雲ひとつない真っ青な空が一面に広がっていた。『そうだ。日本の友達にAir Meilを送ろう!』急に思い立った。
早速、ベンチに地図を広げて郵便局を探すが、場所がよくわからない。ならば・・
『すいません。この近くに郵便局はありますか?』目的地がわからない時は、ひたすら聞きまくる。不思議なもので、英語を聞き取ろう。話そう。と意識していると、まず耳が英語に慣れてくるんだね。
何度も歩いた Collins St 沿いに郵便局らしき建物を発見した。入り口にはAustralia Post と書かれていた。ココで間違いない。
ココでも軽いカルチャーショックを受けた。日本の郵便局って用事を済ませるためだけの地味な場所って印象だけど、ココの郵便局はとてもポップ!郵便局というよりは、おしゃれな文房具屋さん!?って感じ。日本にある LOFT(ロフト)っぽいかな!?
売っているものはハガキや切手、ミニカー、シャーペン、ボールペン、メモ帳など、オーストラリアの国を連想させるような明るい色遣いの文房具ばかりが所狭しと並んでいる光景には驚いた。だから子供たちも大喜び!退屈している子供なんていないんじゃないかなぁ!?
そこでハガキを買って、その時の心情やオーストラリアの印象などを簡単に書いてポストに投函した。
日本では見たことがなかったが、メルボルンでは使用済みの切手がごそっ!と袋に入って安く販売されていた。色づかいやデザインが可愛い切手を見ていると、オーストラリアの歴史や考えていることが何となく感じられるようだった。
今でこそ記念切手などを発売している日本の郵便局だけど、当時はそういう特別な絵柄の切手は一部の切手収集家だけのものだったように記憶している。なにはともあれハガキを投函できたことで大満足だった。
この日は、運よくシンガポール航空の窓口も発見した。
必要なものは持ち歩いていたので手続きはスムーズに行われた。
『Please reserve the open ticket?』オープンチケットの予約をお願いします。事前にフレーズを予習しておいたのでなんの問題もなかった。
オープンチケットの上限である2ヶ月を目一杯使い帰国は3月3日にした。16時15分のシドニー発で予約が取れた。あとはメルボルンからシドニーまで予約をするだけだな。
こうして2日目も、あっ!という間に過ぎ去っていった。
いよいよ今日がメルボルン滞在の最終日となった。今日も Yarra river 周辺を散策した。ほとんどの時間をベンチに座ってボォーっとしながら道ゆく人を眺めていたり、本を読んだりして過ごした。
季節は夏!真っ盛り!
ココの気温はとても高いけど湿度が低いので、汗っかきなオレでもあまり汗をかかなかった。日本のように汗ばむこともなくカラッとしていてとても快適に過ごせたことを覚えている。
地元の高校生らしき若者たちが、お世辞にもキレイとは言えないヤラ川に橋から飛び込んでいる姿はとても無邪気だった。
その橋を渡り対岸へといってみると・・カフェでお茶している人。ローラーブレードをやっている子供たち。釣りしているおじさん。キスしているアベック。みんな思い思いに夏のひと時を楽しんでいる姿がとても微笑ましかった。
ちょっと足を伸ばして St Kilda(セント・キルダ)というエリアまで歩いてみた。
ココは都心部とは違って圧倒的に若者が多く、さらに活気というか熱気がもの凄かった。若者の熱と力が結集しているこのエリアはスケートボードとローラーブレードのメッカなのか?あっちこっちに ”スケボーとローラーブレード禁止” の張り紙があるにもかかわらず、それらに熱中している子供たちを見ていると、なんとも言えないパワーをもらえるような気がしてくるから不思議だ。
かと思えば・・公衆トイレにこもってヤバそうなものを吸引している数人の若者達も見かけた。有り余るエネルギーをどう発散するか?そのあたりの問題はメルボルンも日本もあまり変わらないように感じた。
アンセット航空でメルボルンからシドニーまでの航空券の予約も済んで、いよいよ明日の早朝には、慣れ親しんだメルボルンを離れて海のある街へと移動する。鉄道とバスを乗り継いで JanJuc という場所を目指す予定だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?