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東京オリンピック勝手に言わせていただきますギョギョギョ・・覚醒!日本女子バスケットボール🏀

2020東京オリンピックでのダークホースは、日本バスケットボールチームで間違いないだろう。前回の2016リオデジャネイロの準々決勝で米国に110-64で敗れ8位という結果に終わり、日本女子バスケットボールが世界と戦えることを証明できた言われているが・・・選手一人一人は、まだまだ世界との壁の厚さを痛感したことだろうと思う。

それが今回は一気に銀メダル(2位)なのだから、日本のみならず世界中が驚いたに違いない。『日本女子バスケットボールってこんなに強かったっけ⁉︎』

大方の人たちは誰も予想していなかったに違いない。下馬評では八村、渡辺のNBA勢を擁(よう)する男子バスケットボールの方がメダルに近かったはずだ。でも、待てよ!いやいや・・この結果を予想していた人物がたった一人だけいたでしょ。それが・・日本女子バスケットボールチームのトムホーバス監督だ。米コロラド州出身のトムホーバス54歳はアメリカ人らしいビックマウスで代表監督の就任会見で『東京オリンピック決勝で 米国を倒し金メダルを取る!』と宣言し周囲の度肝を抜いたことでも有名だ。米国を倒して金メダル⁉︎ 周りからはクスッて笑われた。

そりゃそうだろう。米国女子バスケットボールチームといえば、世界ランキング1位でオリンピック6連覇中の強豪国チーム。それを倒して金メダルを取るなんて日本は世界ランキング10位だよ! 日本のバスケットボール関係者ですら『いやぁ〜!そりゃ〜まだ時期尚早でしょう。前回はベスト8だったんだから、今回はせめて準決勝に進んでくれれば御の字ではないの!』ぐらいにしか予想していなかったんだろうから。

今回の日本女子バスケットボールチームに限ったことではないけれど・・諸外国の方々は冷静に日本人のポテンシャルの高さを分析していて磨き方を間違えなければ必ず結果を出してくるって信じてくれているように感じる。勝負に関しては、対戦相手の方がお互いの戦力差を冷静に分析しているって言葉は ”言い得て妙” だと思う。

どちらかというと世界の中では消極的な日本人には、グイグイと引っ張っていく押しの強いリーダーの方が持ち味を充分に生かし切れるようだ。ただしトム・ホーバス監督の練習は試合よりきついと評判だ。とにかく走りに走らせ少しでも選手の気が緩めば厳しい言葉で叱咤(しった)し気を緩めさせなかった。ただでさえ走り走って体は悲鳴を上げているのに、その上、100を超えるフォーメーションを頭に叩き込まされるので、脳みそもフル回転しなければいけなかった。

”勝つことが一番! 勝たなければ練習の意味がない!”

と、トムホーバス監督は豪語する。さすが肉食系男子!これだよ。これが日本人には足りないんだよ。世界に通用する日本人アスリートを生み出すには、しっかり米食って・・勝つことに徹底的に拘(こだわ)ったマインドを身につけなければならない!

波乗りというスポーツを通して、オレが海外の子供たちに教わった大事なことだ。

トム・ホーバス監督の”徹底的に勝つことにこだわり続けてきた熱意”に、いつしか日本女子バスケットボールチーム選手一人一人の心に、何かが芽生え始めてきたに違いない。

『アメリカチームがなんぼのもんじゃい!』『ぜってぇ〜アメリカぶっ倒してやる!』ぐらいの闘魂が燃え上がってきたんじゃないだろうか。選手12人一人一人の心にホーバス・イズムが実を結んだ瞬間だ。

ここまで女子バスケットボールのことを書いといて何だけど・・準々決勝の対ベルギー戦を観るまでは、オレまったく女子バスケットボールに注目していなかった。でも、ベルギー戦での彼女たちの頑張りとガッツを見て日本女子バスケットボールの印象がガラッと変わった。町田選手の素早いパスが次々通って、それを宮沢、赤穂、高田らがシュートを決める。長身選手が揃ったベルギーチームを相手に体格差で劣る日本女子選手たちが戦う姿は・・大国ペルシャ軍数十万の兵に対して、たった300人の兵士で戦いを挑んだ勇猛果敢なスパルタ兵のようにさえ見えた。

素早いパス回し。精度の高いスリーポイントシュート。相手との体格差をものともせずにアタックする高い技術。勝つことを信じて最後の最後まで戦い抜いた強いマインド・・・彼女達こそ立派な戦士たちに違いない!

女子サッカーの話しになるが・・2011年FIFA女子ワールドカップで澤穂希(さわほまれ)が率いる日本が米国を破って優勝した時があった。あの厳しい局面でも日本の11人全員が楽しんでサッカーをしていた ”なでしこジャパン” と同様に、今回の日本女子バスケットボールチーム全員も楽しそうにコートを走り回っていた姿がとても印象的だった。大きな舞台で結果を残せている日本女子アスリート達に共通しているのが・・どんな状況でも、心の底から楽しんでプレーできていることではないだろうか⁉︎ 自ら緊張感を楽しんでいるようにも見えた。

ベルギー戦での試合時間残り16秒で放たれた林選手のスリーポイントシュートが、綺麗な放物線を描きながらネットにスポッと吸い込まれた瞬間はなんともいえない気持ちだった。テレビ画面を通しても見ても、ボールとネットの摩擦による感触が伝わってくるような不思議な感覚だった。これは、他の球技にはない得点の瞬間だと思った。

最後の最後にベルギーにも得点のチャンスはあったけれど・・アーチを描いたボールは無情にもゴールのリングに弾かれた。ピー!試合終了!

日本 86-85 ベルギー な、なんと1点差での逆転勝利! 男女通してオリンピックでの日本バスケットボール初のベスト4進出!すげー快挙ダァー!

このベルギー戦で ”勝利の女神” が舞い降りてきた日本女子バスケットボールチームに恐いものはない。続く準決勝のフランス戦では、持ち味のスピードを生かし、スリーポイントシュートが面白いように決まり、最後には主力選手を温存するほどセーフティーリードを広げ、若手を中心としたメンバーで臨めるほど余裕さえ漂うような快勝だった。この試合では町田選手が1試合18アシストの五輪史上最多記録を樹立、赤穂選手もチーム最多の17得点を挙げるなどの活躍を見せた。記録にこそ残らなくても全ての選手たちが自分たちの持ち味を最大限に発揮していた。

日本 87-71 フランス 

世界ランキング10位の日本が、同5位のフランスに16ポイント差をつけての快勝!銀メダル以上を確定させた瞬間だった。

トムホーバス監督が宣言した”オリンピックの決勝で米国を倒しての金メダル”まで、あと1勝。オリンピックが1年延期の間に主力選手が次々と引退し、身長193センチのエース渡嘉敷選手も負傷で代表漏れになるなどのピンチ連発だった日本女子バスケットボールチームだった。世界中の多くのバスケットボールファンは、決勝では、強豪国チーム米国にどこまで日本のバスケットボールが通用するのか?といった予想だったに違いない。

結果は・・・米国 90-75 日本 たったの15ポイント差⁉︎での敗戦!  率直に言って米国(世界ランキング1位)にとっては限りなく負けに等しい勝利とでも言えるんじゃないだろうか?

女子バスケットボールの世界が今、大きく変わろうとしていることは間違いない。米国のように、恵まれた体格差を使い、高さを活かしたゴール下での得点(2点)を重ねていく攻め方が世界のスタンダードとなっている現在だが・・今回の日本女子バスケの選手のように小柄だけど、スピードを活かした正確なパスが出せて、スリーポイントラインの外側から多数の選手が正確なシュート(3点)をバンバン打てるような攻撃をするチームならば、体格差の影響は受けづらい。そのかわり試合よりもきついと言われる練習メニューを延々と消化していかなければならないのだが・・

決勝戦を戦い終えて初の銀メダル!歓喜に沸く日本女子バスケットボールチーム。日の丸を掲げて12人が満面の笑顔でジャンプして写真に収まっている姿が新聞や雑誌に掲載されていた。その笑顔の真意は果たして銀メダルを取れた喜びなんだろうか?それとも・・キャプテン高田選手がコメントしていた『これで厳しい練習からやっと解放される』喜びだったんだろうか?チーム事情に詳しそうなエブリン選手あたりに聞いてみたいものである。

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