「ポンコツ上司」あるある「ES」

前回の記事で「ポンコツ(さん)」の定義をご理解頂いたところで、身近な「ポンコツ(さん)」の例をご紹介します。

今回ご紹介する「ポンコツ上司」あるあるは、「ES」です。

一般的に企業で「ES」と言えば、Employee Satisfaction(従業員満足)です。上司たるもの部下やスタッフの満足を考え、生産性を高めることに注力するものと考えます。

とろろが、「ポンコツ上司」の「ES」は、そもそも意味が違います。彼らの「ES」とは、Executive Satisfaction(役員/幹部 満足)です。

 「ポンコツ上司」の視線の先は、部下やスタッフの満足度向上による生産性向上、さらにCS(Customer Satisfaction : 顧客満足)ではなく、自社の役員や経営幹部に向いています。いかに役員や経営幹部が満足する資料を作るかに奔走し、その資料づくりのために貴重な部下のリソースを使います。自分の保身のためなら残業もし、部下にも残業を要求します。

もちろん、役員や経営幹部へ正しい報告を行い、正しい判断を仰ぐことは大切なことです。「ポンコツ上司」は、正しい報告ではなく、役員や経営幹部が喜ぶであろう報告をしようと一生懸命になります。ひどい場合は、問題や課題は伏せて、都合の良い報告だけを取り揃えたり、さらに捏造しようとします。
役員や経営幹部に都合の良い報告をすることは、ときに重大なコンプライアンス上の問題を引き起こします。

ここで、考えてほしいことは、背景や内容にもよりますから必ずではないですが、役員に素敵な報告をしたら、
部下の生産性は上がるのでしょうか?
お客様満足は高まるのでしょうか?
売上や利益は増えるのでしょうか?

多くの場合、答えはノーです。

生産性を高めるのも、お客様満足を高めるのも、売上や利益をあげるのも従業員であって役員ではありません。

みなさんの上司は、どちらのESに向いているでしょうか?

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