ポンコツな社畜には理解できないこと

私が就職したのは、阪神の震災があった年、バブル崩壊後、日本が景気停滞の混乱にあった頃です。

日本は、終身雇用により会社員は守られ大手に入社すれば、一生安泰と思われていたが、山一証券が倒産した。

「会社が無くなる」不安を感じた時だった。その後、金融大手は、次々と合併し規模を更に大きくすることで難局を乗り越えていたが、倒産の危機に瀕した企業は、従業員を辞めさせたり転職させ、「リストラ」という言葉が流行った時代でもある。

私の中には、その時点で、終身雇用は絶対ではないし、大手に就職すれば安泰も絶対ではないと強く意識することになった。

この時に、リストラされないだけのスキルを身につけ会社が必要とする人財であること、さらに、就職した企業内だけでなく他の企業でも通用するスキルを身につけ、いつどうなっても良いように備えることが、自分自身の能力開発や社外に出て学ぶための行動を支えてきた。

ある日、上司から「会社辞めるつもりでしょ?」という話をされたことがある。

その点が、ポンコツな社畜とは、考え方が異なる。

「会社を辞める準備」をしているのではなく、
「いつ会社を辞めてもいい覚悟」を持って仕事をしている。

だからこそ、外で学んだことを積極的に取り入れ会社での仕事をより良くしようとするし、おかしなことがあれば、相手が誰であっても(役員だろうが、お客様だろが)、はっきり指摘もするし断りもする。

社内における出世、ポジション争い、職を失う不安は、私には無縁だ。

「アライアンス」という本にも書かれているように社外の活動を通じて知り合った方から会社に寄与するビジネスチャンスを頂くことも多い。

一方で、「いつ会社を辞めても良い覚悟」には、負の側面もある。

社内では、異端児、厄介者、変わり者として扱われ、誰も予想しなかった大きな成果を上げ、異例の昇進をすると見えざる力が働いて配置変えや職種転換によってリセットされるのだ。

波風立てず、レールの上を歩みたい人には、オススメしない生き方だろう。

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