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『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』をMX4D・4DXで見るべき理由

・理由

超楽しいから

―完―


・もう少し詳しく書く。基本ネタバレ無しで書き、ネタバレがある記述には予告します。

今日、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』をMX4Dで観てきた。僕はMX4Dや4DXで映画を観たことがなく、4D系(そもそも4Dって何だよ)今回が初めてだった。

結果、「この映画をMX4Dで見て本当に良かった、みんなにもMX4Dで観てほしい!」と思ったのでこうしてブログを書いている。なぜそう思ったのかを話そうと思う。(4DXについてはわからないけど、概ねオススメの内容は変わらないと思います。)

・空間を意識させる画作り

この映画はマリオというファンタジーが題材なだけあって飛んだり跳ねたりが多く、空間が広く作られていてそれを贅沢に活かす画角が多い。具体的に言えば、高いところから落ちそうになったりする場面でその高さを強調して舐めるようにカメラを動かすシーンや、ワープする場面でマリオが縦横無尽に動きカメラが高速に追従するシーンなど。

これらのシーン、通常のスクリーンで映画を観てるだけではさすがに大人の我々はその程度でビビったりしない。ハリウッド映画を始めとして数々の映画を観てきているからね。ただ、そこに実際に「ユラッ」という座席の動きが加わってくると話が変わってくる。「高い!!」「浮いてる!」と思う。しっかり緊張する。テーマパークのアトラクションに乗って、動き始める瞬間を想像して欲しい。ちょっとドキっとするよね。あの瞬間が何回も訪れると思えば伝わるかな。

高いところから見下ろすシーンや、飛び移るシーンで「ユラッ」と感じたり、落ちるシーンで「グラッ」と感じたり、ワープするシーンで「ユラユラユラ」と感じたり、そういう広い空間を感じる映像で、連動した実際の動きを感じると一気に臨場感が出る。自分がその行為の当事者として引きずり込まれる力を感じる。当たり前のことを言っているように聞こえるかもしれないけど強調したい。この要素があるだけで一段も二段も上の体験に化ける。

そもそも、映画自体がクロスモーダルな体験なんだ。視覚の刺激と聴覚の刺激の相互作用によって、表現されている内容の質感が変化している。それに座席の動きが加われば臨場感が増すのは当然だ。前回の日記でも書いたけど、映像のフォーリーサウンドは誇張して録音されている。その嘘が本物の緊張感を生むんだ。本作の臨場感はMX4D的な「動き」の迫力をもってして初めて完成すると言っても過言ではない。

MX4Dを敬遠している人の中には、そんなにグラグラされたら話や映像表現に集中できない、と思う人もいるかもしれない。だけどそこは安心してほしい。まず本当にテーマパークのアトラクションほどには揺れたりしない。商業施設は下画像のようにとにかくすごいことが起きるように喧伝したりしているが、実際はあくまで映像表現のスパイスとして楽しめる程度に留まっている。そして、マリオに限って言えば、話が全く難しくない(というかシンプルすぎる)ので、混乱する心配もない。さすがに僕も”初見のTENET”だったらMX4Dでは見たくないと思った。

とにかくすごいことが起きそうだと思わせる広告画像

今最新のエンタメ映画を観に行って、無声映画だったらどう思うだろうか、よほど内容が無声であることに密接に関係していないと、退屈だなあと感じると思う。そう、映画ではそんなユニモーダル(≒単一感覚)の体験はもう無いんだ。ならば、動きも加えよう。マリオの大迫力の冒険を全身で感じよう。そうすれば、キノコ王国の立体感は、2Dのそれとは比べ物にならないものになっているはずだ。実際にそうだった。僕を信じてほしい。

・キャラクターの誇張された動き

本作は、イルミネーション社が手掛ける3DCGアニメだ。3DCGアニメには特有の動きの誇張がある。高速で動いた後にピタっと止まったり、等間隔でシュババババと動いたり、シュタっと着地したり、ゴロゴロゴロ!とギャグっぽく転がって倒れたり。カンフーパンダをイメージすればわかりやすいと思う。要するにコミカルな動きだ。こういった3DCG特有の誇張表現も、MX4Dにベストマッチだったと感じた。

MX4Dは、座席が動くだけではない。背中を押されたり、尻から振動で突き上げられたり、小さい空気砲みたいなのが出たりする。これがキャラクターの誇張された動きをとても感じられる仕掛けになっていた。ゴロゴロ転がるシーンでは尻が小突かれマリオの受けている衝撃を感じやすく、敵が嚙みつこうと飛びかかって顔を寄せてくるシーンでは空気砲が出て何かが目前まで迫ってくる印象を与える。高速で動いた後にピタっと止まるような動きは、座席が動いている→動きが無くなる、というような静と動のコントラストによってその対比が強調され、コミカルな印象をより強く感じさせる。これがすごくすごく楽しい。他にも、何かをスレスレで避けたりするときに空気砲が出たり、敵モブが足を絡めてきたときに実際に足に小さいハタキみたいなものがペシペシしてきたり、様々なバリエーションがあってすごく楽しい。

これに関しては、MX4D自体が絶対的に良いということは全くないだろう。マリオの映画のテンションに合っているといった方が正しい。作品の色によっては鬱陶しくて仕方ないということすらあり得る。『ジョーカー』の電車内の警察との追いかけっこのもみくちゃのシーン、あれで同じように足元をハタキでペシペシされたらすごい嫌だろうな。臨場感はあるかもしれないけど、緊張感の種類が違う。ただ、マリオなら最高。マリオはどんなシーンでも、全瞬間で常にエンタメの波動を纏っているので、こういった小気味良い刺激が全部楽しいグルーヴを補強する演出として感じられる。ものすごく良かった。

・マリオカートパート

すんません、もう、最高です。ガチで、本当に、オーサム。

予告編でもガッツリマリオカートパートがあるのでネタバレでもないと思うので言うが、本作にはマリオカート要素が贅沢に入っている。そう、座席が揺れるので本当に乗っているみたいなんだ。

しかもレインボーロードだ。ただの舗装道であれば、座席が振動して終わりかもしれないが、起伏の多いレインボーロードでは座席の角度も大胆に変わり、強烈な臨場感がある。加えて、アイテムもありだ(予告編描写あり)。マリオは素早い手さばきでノコノコを撃破するが、このシーンもカートの振動に加えて爆発の揺れも表現され、最高の体験だった。

亀を爆破して笑顔の配管工

※ここから一段落ネタバレ
しかも、レインボーロードにはマリオカート8DXでおなじみの反重力エリアも登場する。反重力エリアにさしかかることで、荒々しい振動から「ユラッ
!」と種類の異なる揺れにも転じる。さらにさらに、戦闘によりコースは破壊され、また落ちたり浮いたりという動きも加わる。全く動きに飽きない。最高だ。
※ネタバレ終了

僕はマリオカート8DXでTAを繰り返し走ったり、NISCを練習したり、ファミリー層よりはしっかりプレイしていた人間だ。そのうえで断言する。マリオカートが好きなら絶対にMX4Dで見るべき。先ほどからいろいろ良かった点を述べているが、これだけは勢いが違う。僕の目の色を見てくれ。深く澄んだ色をしているだろう。これだけは本当なんだ。マリオカートが好きなら絶対に、MX4Dだ。頼む、信じてほしい。

・まとめ

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』はアニメ映画史に残る、本当に楽しいエンタメ映画だ。絶対に映画館に観に行ってほしい。マリオをなんらかしっかりプレイしたことのある人間なら、絶対に楽しめるはず。

今回は本作の数ある要素の中でも、MX4Dで見るということにフォーカスしてブログを書いたけど、まず映画自体が最高に最高である前提の上に立っている。本作の面白いポイントは無限にあり、ピーチの活躍や原作ゲームの小ネタなど、僕も話したいことが山ほどあるが、そういった見どころはマリオファン諸氏の別の記事に任せるとしよう。当記事を読んで「そんなに言うならMX4Dで見てみようかな」とみんなが少しでも思ってくれるのであれば慶祝だ。

以上、poniyamaでした。

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