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「父と村上春樹」

週に一度、父と何時間もお話をするのだけど、昨日は午前3時まで話した。還暦を迎えて一年の父は読書家で、現在もなお一日一冊のペースで本を読んでいる。しかし、父は昔から文芸小説を読まなかった。
「小説は、書き手の頭の中に入って、書き手が組み立てる世界観や論理、言葉に付き合わなくてはならない。なぜ、そんなことをわざわざしなくちゃならないのかわからない」とのことだ。

昨日、私がたまたま村上春樹と村上龍を比較しながら話していたら、村上春樹にくいついてきたので、『風の歌を聴け』をはじめ全ての小説を渡した。
どうやら、日本一売れる作家のことが多少なりとも気になっていたようだ。
同年代の村上龍のことはよく理解できるという父は、今まで一冊も村上春樹の著書を読んだことがない。
そんな父はこう言った。
「もしかすると、村上春樹は、村上龍よりエキサイティングにファイトしているのではないか…。一見、無機質・ユニセックスに見えるが、実はその裏に絶望するほどの、血みどろの“何か”があるのでは……。それを見出したい」

そして、『アンダーグラウンド』や『うずまき猫のみつけかた』なども私は貸した。どうやら村上春樹と村上龍の対談本『ウォーク・ドント・ラン』にも興味があるみたいだ。装丁だけでいえば、『ダンス・ダンス・ダンス』に興味津々だ。
しかし、これは初期三部作の続き的な要素もあるため、処女作から順に読むように、といちおう忠告はしておいた。

ぜひ、何かを見出してほしい。

※私が好きな春樹作品(小説)は、『風の歌を聴け』、『ダンス・ダンス・ダンス』、『ねじまき鳥クロニクル』、『1Q84』です。

2016年1月16日

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