見出し画像

ライフステージ停滞おねえさん

ライフステージ停滞おねえさんをご存じだろうか?別名スープストックにマジギレおねえさんとも呼ばれる彼女たちは、スープストックが9~11か月の乳児向け離乳食を無料で販売することを発表された際に、その引用RT欄で吹き上がっていたおねえさんたちのことである。彼女たちは「自分たちのゆっくりとした食事時間が子連れの騒々しい奴らに奪われる!」と不安になり怒っている。

しかし乳児の育児経験がある人ならわかると思うが、乳児が離乳食を食べる時間は午前睡明けの11時台が多く、12時以降のランチタイムに来店するおねえさま方がとはバッティングしない。おねえさま方が夕食時に訪れる19時ごろにはすでに店に乳児を抱えたママさんパパさんの姿はなく、自宅で乳児の夕食を済ませお風呂に入れる支度をしているころだろう。マジギレおねえさんたちは「食事タイムを子連れに荒される!」と不安の声を上げていたが、そもそも来店時間がズレているので杞憂なのである。

しかしそれを理解してもなお、おねえさんたちの怒りは収まらない。それはスープストックがどうとか子供の声がウルサイとか、そういったことではないもっと別の部分にイラついているからだ。

それはスープストック広報が繰り出したこの一撃である。

お客様のライフステージが変わり、ご家族やお子様と一緒にご来店いただく方も増えてきた中で、Soup Stock Tokyoとしてお子様の成長を一緒に見届けることができればという思い、そしてお父さんやお母さんと一緒に食事の時間を楽しんでいただきたいという思いから、一部の店舗にて離乳食のご提供をはじめました。もう少し大きくなったお子様に向けては、キッズセットもご用意しております。ぜひご家族でゆっくりと食事の時間をお楽しみください。』

スープストック東京の離乳食

そうスープストックにマジでキレてるおねえさまたちは『ライフステージ』を進められていない自分に、そしてそれを刺激してきたスープストック広報にブチギレているのである。何を煽っとるんじゃ貴様ら、ということである。

しかしスープストックの戦略は間違っていないように感じる。スープストックを利用するような稼ぎのある若い女性は結婚適齢期になれば過半数は結婚して子育てタームへ入っていく。スープストックが商売を始めてから掴んできた若く有能な女性顧客たちの多くは、広報の発表通りライフステージを進めているのである。お店としても一人客よりも家族連れのほうが客単価はあがる。離乳食につられてママさん赤ちゃんと来店したお父さんは「こんな少量で腹が膨れるかよ!」とカレーセットやスモールカップ2つ+サイドメニューのセットをがっつり注文してくれるはずだ。ちなみにスープストック大好きな筆者のおすすめは東京ボルシチとエビのビスク、サイドメニューに石窯パンのセットである。是非食べてみて欲しい。

政府がセメント少子化対策をやり出したことで、今後子育て世帯が増える可能性が高い。そうなれば利益を求める企業はどんどん子育て世帯向けのサービスを提供していくだろう。そしてこの流れは企業にとっても願ったりかなったりである。何故なら子育て世帯は多くの業界にとっては単身世帯よりも金払いがいい顧客だからだ。

子育て世帯ならわかってくれると思うが、子供を連れての外食や旅行にはとてもお金がかかる。財布に優しいチェーン店でも家族で食べに行くと結構な額を支払うことになる。新幹線や飛行機を使っての旅行となるとなおさらだ。また人生で最も大きな買い物である分譲住宅の購入を行うのもほとんどが子供のいる世帯だ。大都市圏でも車を必要とする割合が多いのも子育て世帯。そう子育て世帯はとにかくお金を使ってくれるのだ。もちろん単身者が主な顧客である業界は今後も単身者を優遇してくれるだろうが、飲食業界やレジャー業界、不動産業界などはこれまで以上にファミリー向け需要を狙いどんどん新らしいサービスを提供していくだろう。

しかしそんな世の流れに乗れていないのが、今回吹き上がっているライフステージ停滞おねえさんたちなのである。世の急激な変化にイライラしてしまうのも無理はないのかもしれない。

女性にとって結婚と出産はライフステージの様々なイベントの中でも最重要項目といっても過言ではない。男は結婚よりも先に金を稼ぐ職に就くというビッグイベントがあるのだが、女性の場合はそうではない。男は仕事>家庭だが女は家庭>仕事なのだ。少なくとも未だに社会はそのような価値観の下で動いている。

男はまずは最低限稼がないと男社会で認めらカースト上位に上ることが極めて難しい。それと同様に、女は結婚して子供がいなければ女社会での上位カーストにはどうしても辿り着けないのだ。もちろん飛び抜けた才能を持てば例外もあるが、特殊能力を持たない99%の男女は社会や同性コミュニティのルールから逃れることはできない。

筆者は以前から独身45歳狂う説を提唱してきた。独身のまま45歳に突入すると、精神は25歳身体は45歳の状態に人は陥ってしまい、鏡の前のシナシナの自分と、心の中の元気ハツラツとしているはずの自分とのギャップに苦しむことになる。そしてそれは30年以上続くのだ。狂わない方がおかしい。

これは男女共通して起きる現象であるが、男女で大きな傾向の違いがみられる。そう男女で狂い方や狂いだす時期が違っているのだ。果たしてどう違うのであろうか?

ここから先は

1,040字

¥ 250

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

サポート頂けるとnote更新の励みになります!いつもサポートしてくださっている皆様には大変感謝しています。頑張っていきますので、どうかよろしくお願いいたします!