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輪島塗の盃が届いた

新潟県糸魚川市でヒスイ工房を経営されている山田修さんは、今年1月の能登半島地震により震災ごみとして処分されようとしている輪島塗の食器(お椀、重箱など)を被災された家庭から回収・販売し、売り上げの全額を還元(儲けはゼロ)するプロジェクトに取り組まれている。

被災された方々への支援もさることながら、それに加えて輪島塗職人さん達の手により精魂込めて製作され、その後何代にもわたってお祝い事等で使われてきた器が震災ごみとして処分されるのを回避したいと思われて始められたもの。

完全手弁当で活動されている山田さんの心意気を知り、わずかばかりながら輪島塗の盃5杯を購入した。

新聞紙を開いてみると、美しく光る輪島塗出てきた。

鮮やかだけど柔らかく深い朱色、手に持ったときの優しい手触り感と絶妙な軽さに、手にしたまましばらく眺める。

椀底には貸し借りをするために屋号・家印が書かれている。
棚にしまっておくのではなく、できるだけ普段遣いしたい。

この杯が包まれていたのは今から42年前の昭和57年1月23日の北国新聞。
元の持ち主のどなたかがその手で包まれた新聞紙だと思うと捨てられない。


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