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ラケットスポーツは身体能力と社会性を生む最高の運動だった

こんにちは。コロナになって運動不足になってしまった方は多くいらっしゃると思います。逆にランニングをはじめた方もいらっしゃるかもしれません。

運動は筋力や心肺機能の維持に大変重要ですが、それだけでなく精神面や集中力を高めるために重要であることがさまざまな研究で明らかになっています。

基本的には、どんな運動でも楽しく続けていくことが大切だと思いますが、その一方で、一つ選ぶとしたら何が一番いいの?という疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。

この記事では2017に発表されたイギリスの研究で、スポーツの種類と全死亡の関連を比較した研究を紹介します。サッカーやランニング、水泳、テニスなどを比較していますが、最も長生きしたスポーツはテニスでした。

スポーツ6競技の死亡のリスクを比較したイギリスの8万人規模の研究

この記事で紹介する論文(参考文献参照)は、英国人8万人を対象とした研究です。研究デザインはイギリスに住む中高年の方を対象とした追跡研究(コホート研究)です。

研究参加者の運動習慣をアンケートでとり、自転車、サッカー、エアロビ(スポーツジム含める)、水泳、ランニング、ラケットスポーツ(以下テニスとします)と死亡との関係を評価しています。

結果には心肺機能などの影響が大きい心血管疾患(CVD)と全ての死亡の2つで比較をしています。

一番死亡のリスクが低いのはテニス。サッカー、ランニングは関連なし

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上の図がこの研究の結果になりますが、全ての死亡のリスクをもっとも下げたスポーツはテニスでした。運動をしていない人と比べて死亡のリスクが38%と圧倒的な結果でした。

また、自転車、エアロビ、水泳なども死亡のリスク低下に関連がありましたが、サッカー、ランニングはバラつきの範囲内ということで効果なしとなっています。

循環器疾患(CVD)による死亡を見てもおおむね同様の結果となり、テニス、水泳、エアロビで循環器疾患による死亡のリスクを下げていました。

ただし、サッカーやランニングが悪い結果だったかと言うとそうでは無く、運動をしていた人としていない人で比較をした場合では、運動をしていた人の方が良かったという結果もあるので、競技に限らず運動する習慣が重要なことは言うまでもありません

テニスが良かったのは社会性、サッカーはケガのリスクが影響

この結果はどうでしたか?意外でしたか?わたしはかなり衝撃的な結果だと思いました。ランニングのような有酸素運動系はかなり健康に良さそうなイメージがあると思います。

この結果について、論文では下記のように考察をしていました。

● ラケットスポーツは運動だけでなく、社会性が必要な点がよいと考えられる。
● サッカーは運動量は多い一方で、接触が多くケガなどのリスクもある。
● ラケットスポーツは頻度が多くてもさほど違いが出ないが、エアロビ(ジム)やランニングはやればやるほどリスクが低くなる。

どうでしょうか?こちらのポイントを読むと「なるほど!」としっくりくる人も多いんじゃないでしょうか?

社会性っていうのは本当に大事なんですよね~。孤独は喫煙よりもハイリスクというアメリカの研究があったり、イギリスなどでは孤独問題担当大臣という役職があったりと、孤独というのがいかに大きな問題なのか?ということは社会で認識され始めているかもしれません。

コロナの影響で在宅勤務に切り替わった方の中には、孤独と言うのがつらく、そして、ずっと一人でいることで、本当に無意識のうちに活力のない生活を送ってしまっている自分に気づいたりすることがあると思います。

誰かと一緒に運動を楽しむことが健康長寿の秘訣!

スポーツをするうえで大切なこと、それは「楽しむこと」というのがこの論文の結論なのかなーとわたしは感じています

テニスは確かに筋力や心肺機能の負荷が大きいスポーツの一つですが、運動頻度が少ない人でも死亡のリスクがさほど変わらなかったことを考えると、一番の肝は社会性と言えます。

一方で、健康のためという目的のために、ストイックに続けている人も、ランニング、エアロビなどは頻度が高いほど死亡リスクが低くなっているので、ちゃんと効果があることも大事なポイントですね。

個人的には、少し強度や頻度を落として、ランニングサークルで友達と一緒に走ったり、ラケットスポーツのように社会性を必要とするスポーツ活動に変えていくというのがいいんじゃないかな~と思いました。

ランニングなんかはホノルルマラソンや北海道マラソンなどのように観光を兼ねたマラソン大会の参加なんかができると最高じゃないかなと思います。

また、トレーニングジムもなんだかんだでおすすめです。

トレーナーとコミュニケーションを取りながら、体を鍛えることができるのは効率的で良いと思いますし、トレーニングと聞くと、きつそうと思うかもしれませんが、大人になってからのスポーツというのは、楽しいです。

とくにライト層の方に対しては楽しく続けるということにトレーナーさんも注力していることが多いので、気軽に始めて大丈夫です。体験レッスンなど、無料で実施していることも多いので、試してみるのもよいかもしれませんね。

まとめ

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。本日の記事をまとめると、

● 最も死亡のリスクをさげるスポーツはラケットスポーツ
● その理由は、運動とともに、相手とのコミュニケーションが必要だから
● 運動は心と体の健康を考えて、ケガに気をつけて続けましょう!

ということになります。今回の論文では、ラケットスポーツの中にはバドミントンや卓球なども含まれているのですが、研究が英国の研究ですので、おそらくほとんどの方はテニスをされていると思います。

テニスとバドミントンと卓球では、やっぱり多少運動量や動き方に違いが出ると思いますので、ラケットスポーツに含まれているとはいえ、バトミントンが必ずしも上のグラフのような効果があるかはわからないかな・・・と思います。

もし、トレーニングなどに興味があり、メニューなどどうしたらいいんだろうと思った方がいたら、下記の記事に、がっつりエビデンスベースにまとめた記事のリンクを添付しましたので読んで下さい。

また、Testosteroneさんのnoteでもおすすめの筋トレメニューをまとめた記事があります。有料級の内容が無料公開されているので良かったら読んで下さい。

それでは

参考文献

Oja, P., Kelly, P., Pedisic, Z., Titze, S., Bauman, A., Foster, C., Hamer, M., Hillsdon, M., & Stamatakis, E. (2017). Associations of specific types of sports and exercise with all-cause and cardiovascular-disease mortality: a cohort study of 80 306 British adults. British journal of sports medicine, 51(10), 812–817. https://doi.org/10.1136/bjsports-2016-096822
(和訳)スポーツ・運動の特徴の違いと全ての死亡および循環器疾患による死亡との関係:英国8万人のコホート研究

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