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sakanactionはミルフィーユ

○オンラインライブが何でこんなに楽しかったのか

おそらくチームサカナクションに対してまず謝らなければいけない。
「オンラインライブをなめていてごめんなさい」と。
こんなに楽しいものだとは知りもしなかった。
音響・照明・カメラワーク、どの演出をとっても完成度が高かったのはもちろんなんだけれど、一番驚いたのは生配信で行うことの「緊張感」だと思う。

ワクワクする気持ち、大丈夫かな…上手くいくのかな…。
初めてのオンラインライブだったこともあり、その気持ちがより一層強かったことは否めないけど、この気持ちのおかげで世界に没入できたし、感性を持っていかれた。

なんでこんなに夢中になれたのか。理由はいくつかある。
まずは久々のライブだったから。
これは当然。
楽しみにしていた光ツアーが飛んでしまったけれど、それをカバーする形で今回のオンラインの場を作り出してくれたチームサカナクションには感謝しかない。それはそれは楽しみだった。

次は、当日に至るまでの宣伝やライブが日に日に近づく感覚を、通常のライブではありえない規模の大勢の人と共有できたことだと思う。
全員が心待ちにしていて、何の曲から始まるのか、どんな演出になるのか想像しながらその日を待つのは楽しかった。
Twitter上でしか知らない人ばっかりだし、そんなにがっつり絡んだわけでもないのだけれど、勝手に心の距離が縮まっていく感覚があった。

一番大きかったのは、チームサカナクションがどんな人たちで、当日に至るまでどんな思いでこのライブを作り上げてきたのかを知れる機会がたくさんあったから。

一郎さんを中心とした定期的なインスタライブでの発信、深夜対談・状況報告、各SNSでの投稿、エジーや青山さん、黒瀧さんによるDJ配信…(いま思えばオンラインライブに向けたテスト的な意味合いもあったのかもね)
数えきれないほどのコンテンツで、チームサカナクションが何をしているのか、その人がどんな人なのか、ファンが知る機会をたくさん作ってくれたのもとても良かった。

音楽を聴くなかで度々感じるけど、何かに没頭することは、その対象となる人や物の背景や歴史、そこに至るまでの物語をよく理解しているほど、没頭度も高いと思う。
野球やサッカーも「昔はこんな選手・監督がいた」「あの選手は前はこのチームにいた」とかって歴史を知っているほどチームに対する愛も強い、そういうことなんだと思う。

サカナクションはとりわけ、一曲一曲のコンセプトの部分がしっかり作り込まれているから、曲それぞれの背景やエピソードも豊富で、没入しやすいバンドだと思う。
メンバーはじめスタッフも一生懸命作っているからこそ、それをみんなに知ってほしいと思ってくれていて、タネを披露してくれる機会も多い。
隠されたメッセージを一生懸命探すのも大事なんだろうけど、ファンとしてはわかりやすくて嬉しい。

そんな曲の芯の部分を知ってしまうと、何度も曲を聴き込んで、メロディーやひとつひとつの音が記憶にこびりつく。
だから、ライブで聞いたときにアレンジがかかっていると、ハッとさせられるし、ここが違う、良い!ってなる。
音楽を聴くことの楽しさの源は知識と記憶、これが占める重要度はとっても高いんだなーとつくづく感じる。
バンドに関わる色んなピースが何層もファンの頭のなかでつながって、折り重なることで、楽しみ方に深みや幅が出てくる。
サカナクションはミルフィーユ?地層?、そんなバンドなんだと思う。

そんなこんなでオンラインライブに対する期待値がどんどん高まって、始まる直前で緊張感に変わり、ライブの最高な演出も見て、爆発しちゃったんだよね…。

あと、あれも良かった、ライブ始まるまでに自分でやる視聴環境準備。
何のストレスもなくスタートを迎えられるよう、やらなきゃいけない家事あれこれを朝からひと通り終わらせて、
事前の配信チェック、テレビの角度調整、自分専用特等席の設営、部屋の電気消灯、ありとあらゆる環境を整えて、
ライブだけに集中できる状態にもっていくことで、自分もライブスタッフの一員みたいな気持ちになれたし、あれで緊張感が高まった。

メンバー・スタッフの皆さんの努力の賜物が今回の大成功に結び付いたのは間違いないのだけれど、
じゃあ、その努力の結果がファンの中に何を生んで、作り出してくれたのかを色々考えてみたけれど、
まだまだいっぱいある気がするので、今日はこのくらいにして、また思いついたら書き足そうかな。

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